俳句実況 勝手に鑑賞ごめんなさい  番外編  プレバト炎天戦 2022              

プレバトでおなじみのフルーツポンチ村上健志さんがYou Tubeでやっている俳句実況がとても面白い。あまりにも勉強になるので、自分の覚書として実況で村上さんが作られた俳句と自分の鑑賞などを書かせていただきます。
勝手にごめんなさい。

プレバト炎天戦 7月21日放送

今回はyou tube配信はありませんでしたが、自分の覚書としてプレバト炎天戦の鑑賞を勝手にさせていただきます。(気になったところだけ)

今回村上さんは、まさかの15位。(他もいろいろ大波乱)
最近は優勝こそなかったものの、タイトル戦では安定して上位をキープしていたので、意外な結果となりました。(さては一か八かの勝負にでたな!)
番組内では作品は発表されませんでしたが、きっと次回の実況で披露してくれることでしょう。それも楽しみ。

では、他の方の俳句を勝手に鑑賞させていただきます。

産声送信ドバイは大夕焼  中田喜子
今回の優勝句。お見事です。今回テーマがメールだったこともあり、日常的な景、自分の内面に引き付けた句が多かったようですが、こちらは他の句とは明らかにスケール感が違いました。どちらが良い、悪いということではないのですが、やはりタイトル戦ではスケール感が大きい方が有利というか、映える、ような気がします。
ご本人も仰っていましたが「産声」が勝因でしょうか。(「動画」や「写真」ではなく)上五で聴覚に訴えかけ、中七下五で「ドバイは大夕焼」の壮大な視覚へと着地する、という。何か神々しささえも感じる句です。
ドバイという地名からか、聖書とか神話の中の一場面のようなイメージすら湧いてきてしまいます。(キリストの誕生、みたいな?)
あと、中田さんのお話からこの句はフィクションのようですが、女優というご職業柄、そういうアプローチの方が作りやすいのかな~なんて思ったりもしました。
中田さんは端正で丁寧な句を作られる方だな~というイメージだったのですが、やや優等生過ぎるというのか、このスケール感は今までなかったような気がします。新たな武器を手に入れました。

恋を終わらせ平日の海月見る  犬山紙子
炎天戦に強い犬山さん・・・今回も2位となりました。
犬山さん、今までちょっと破天荒というのか、生々しい、ドキッとさせられるような句が多かったような気がしますが、今回は普通にオシャレ上手い句です。何なら、80年代のポップス、ユーミンとかの歌詞にありそうです。
この路線もイケる、確実に手札を増やしています。

メールぴこんぴこんシャワー中だってば  森口瑤子
夏井先生「大人可愛い、これを書ける人がうらやましい」
自分「もっと言ってしまえばあざと可愛い、これを森口さんにやられたら
一般人はどうしろと!?」と意味不明な逆切れをしてしまいそうな句です。
森口さんはオノマトペを果敢に使って、いつも成功していますよね。
それだけでも凄いことです。
あ、この句、季語はシャワーなのかと今気づきました。

羽蟻わく今宵ロマンス詐欺メール  東国原英夫
わ~やっぱりヒガシさんの句好きだな~
なんだかロマンチックでラブコメ映画のコピーみたい。
ちょっと怪しいんだけどコケティッシュな女の子とおじ様の
騙したつもりが騙される・・・みたいな。
(今どきいろいろNGだし、流行らなそうですけど)
ちょっと古めの語感「今宵」とか「ロマンス」が素敵☆

社食から花火原稿音読す  久代萌美
(添削:原稿を下読み社食から花火)
今回、一番言葉の選び方、取り合わせ方に感心した句です。
夏井先生言うところの「経済効率の良い言葉」のてんこ盛りではないでしょうか。この一句から確実に作者の立場、状況が読み取れるんですよね。
「原稿」からいわゆる「読み手」と言われる職業を思い浮かべますが、もしフリーだったら「社食」じゃないし、急に仕事を入れられることもない。
分かりやす過ぎない言葉で「局アナ」を表現しています。これができるってなかなかの手練れだと思います。

夏の雲逝くな逝くなと文字叩く  勝村政信
(添削:夏雲や~)
この句も好きです。なにか切々と訴えかけてくるような、心の声を吐露したような句です。夏井先生の「下五が技術的に・・・」というご指摘もありましたが、「それが逆にいい!それが味わい!」とさえ思ってしまいます。

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