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「一括査定」を超える、「NEO一括査定」という考え方

現在、「一括査定(一括見積)」と呼ばれるサイトが世の中には多く存在しています。しかし、令和時代に入り、デメリットや不安を感じる方々も多くなってきているので、そろそろNEO化するタイミングだと予想しています。今回は、さまざまな一括査定サービスと私たちのサービスを比べながら、進化した「NEO一括査定」の考え方をご紹介します。

一括査定の種類

わかりやすいところでいうと、引越しを安く済ませたい人が使う「引越し侍」や、中古車を高く売りたい人が使う「ナビクル」、家を高く売りたい人が使う「イエウール」などがあり、属性を分けると以下です。

■ 高く売りたい系
・中古不動産:イエウール、Home4U
・中古車:ナビクル、カーセンサー

■ 安くサービスを受けたい系
・引越:引越し侍、引越し達人
・保険:価格.com保険、インズウェブ
・士業:弁護士ドットコム、比較biz
・レンタカー:トラベルコ、レンナビ
・旅行、WEBサイト作成、その他多数

高く売るか、安くサービスを受けるか、という属性は分かれているものの、基本的に一括査定の仕組みは同じで、サービスを受ける側のインセンティブは、人間心理として「自分は損をしたくない」ので、1社だけに見積もりをとって、「他にいいところがあったら嫌」だし、「自分で複数社に見積もりを取るのは面倒」という気持ちからサービスの利用が拡がってきています。

一括査定の仕組み

一括査定の仕組みはシンプルで、中古車売却で例えると、
1:(売主側)サイト上で車のスペックと個人情報を登録
2:(運営側)予め登録している中古車買取会社に登録情報をメール転送
3:(買取側)買取会社から売主に直接連絡を入れる

運営側は、買取会社に送客した件数分、情報提供料を受け取るという送客課金型の広告モデルです。情報提供料の単価は中古車で1送客あたり5,000円前後、不動産で1万円前後、引越しで3,000円前後とさまざまです。では、なぜ一括査定サイトが誕生したのか、歴史を紐解いていきます。

「一括査定」の歴史

■超アナログ時代
戦後復興期は、そもそも引越しくらいは友達誘って自分でやるという人ばかりなので、大きなものを売買する時のみ、友達の紹介で売る(買う)を決めていました。口コミとリレーションが大きく左右した時代です。比較するという概念がほぼなく、紹介によって商売を大きくしていく、恩返しで自分にもお客さんが回ってくる。という商売人の人情論が大切にされてきた時代です。

■アナログ時代
高度成長期を支えた人たちは、超アナログ時代の延長で「ブローカー」と呼ばれる人たちが重宝されるようになりました。例えば車を売るときは、この人に言えば、買ってくれる会社や人をたくさん知っているので、一番高く売れるであろうということで、アナログ版の一括査定のようなことをしていました。ちなみにブローカーは、百戦錬磨の巧みな話術を駆使して商売につなげる印象が強く、あまりいい印象を持っている人が少ないのが現状です。

■平成デジタル時代
WEBが登場することで、サイトがブローカーの役割を担うことができるようになり、「面倒を解決し、損をしないサービス」という位置づけで一括査定サイトが誕生し、爆発的にさまざまな業態に拡大しました。

■令和デジタル時代
ここからは「NEO一括査定」という考え方であり、一括査定サイトのメリットを活かしつつ、かつデメリットを解決したサービスだと考えています。まずは、現行の仕組みのメリットとデメリットを紐解いていきます。

一括査定サイトのメリットとデメリット

一括査定サイトを利用したことがある人は、赤ベコ並みにうんうんすると思いますが、「損をしたくない」という気持ちが満たされている反面、大きなデメリットや面倒さも感じています。

■メリット
・複数業者の金額を無料で一気に知ることができる

■デメリット
・個人情報を複数業者に一気にバラ撒かれてしまう
・しつこい営業電話や訪問営業
・複数業者との交渉やお断りすることが手間

実例として、昨年末に自分が引越する際、一括査定サイトを利用しましたが、登録後3分で某引越業者から電話がかかってきて、1社と喋っている時に、3社からの着信が入っていました。引越業者は競争激化ということもあり、訪問見積もりに応対するだけで、お米をくれたり、水筒をくれたりするので面と向かって断りにくかったり、そもそも忙しい人は、複数の訪問対応が面倒だと感じると思います。

■業界の裏話
私は不動産領域にいるので参考までにお話をすると、不動産売却の一括査定サイトには、大手から中小企業と幅広く登録しています。登録している仲のいい不動産会社にヒアリングしたところ、中小企業は大手仲介会社のブランド力には勝てず、かつ大手仲介会社は媒介を取る(家を売る権利をとる)ために相場以上の金額をオファーし顧客を獲得しているとの話をよく耳にします。「うちのブランド力だったらこの金額で売りますよ」というパターンです。その結果、3ヶ月間売れず、焦りが生まれて相場以下で売却する、もしくはそのまま売れ残っているなどのケースも散見されるので、売主さんに迷惑がかかることもあります。

NEO一括査定とは

一括査定が持つメリットを活かしつつ、デメリットを消した令和デジタル時代のサービスが「NEO一括査定」であると考えています。私たちが提供している不動産買取のスキームは以下。

1:(売主側)サイト上で物件情報と個人情報を登録
2:(運営側)予め登録している買取会社に物件情報のみ公開
3:(買取側)買取意思があれば入札
4:(運営側)複数の入札結果を取りまとめ、売主に提供
5:(売主側)入札結果を確認し、売却意思を検討
6:(運営側)売却先にのみ、個人情報を公開

という風に、売却先が決まっていないときは物件情報のみ公開し、かつ入札結果の取りまとめや売却の相談を業界のプロが集まる運営側が行うことで、売主がデメリットに感じていたことがメリットに変わります。

■メリット
・複数業者の金額を無料で一気に知ることができる
・個人情報を特定の業者のみに公開
・売却先が決まるまで、相談窓口は運営のみ
・複数業者との交渉やお断りは運営が代行

NEO化は、不動産業界だけにとどまらず中古車や保険業界でも進んでおり、例えば、保険業界では「保険の窓口」、中古車ではユーカーパック」、不動産ではインスペ買取(弊社です笑)といった会社が、価格ファーストの「一括査定窓口」を超えたユーザーファーストの「プラットフォーマー」に進化しています。この流れにより、多くの売主の悩みや買主が求めることをデータベース化できるので、良いサービスの提供を継続して行っていけるようになります。

まとめ

今回、一括査定サイトの歴史から進化の過程、NEO化の定義やサービスをご紹介しました。現在、「フリマ」や「サブスク」など、短い言葉でイメージできる単語が流行っていますので、「NEO一括査定」というダサい呼び名に代わるいい案があればぜひご提案いただきたく。

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