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胆石症と診断、胆嚢摘出(腹腔鏡手術)の術前、術後の記録

2020年9月18日に胆嚢摘出手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)を受けました。2015年後半に胆石症の診断を受け、胆嚢摘出手術に踏み切るまで、ネットサーフィンでたくさん情報収集しましたが、自分が欲しい情報や記録がなかったので、同じ悩みを持つ方のお役に立てればと思い、胆石症の症状や胆嚢摘出手術の術前、術後の状況をブログとして記載しておきます。

自己紹介

43才、男性、Non Brokers株式会社という会社で、日本最大級の不動産売却プラットフォーム「いえうり」を提供。医療関係者ではない、わたくし個人の症状や状況のログであるため、参考情報としてお読みいただけると幸いです。

症状(わたしの場合)

夜中の激しい右上腹部痛(みぞおち右付近)が、月に1〜2回のペースで続いていました。きまってAM2:00からAM4:00ごろに痛みで目が覚め、(ずっと胃痛だと思っていたので)胃薬を飲み、温めた牛乳を飲み、白湯を飲み、ソファーに寝転び経過を見ていました。一度痛くなると3〜5時間程度、ときには、のたうち回るほど痛かったのですが、早朝になるとスッと痛みが消えていました。(2日間に亘ることもありました)

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内科を受診

上記症状が定期的に続いていたので、胃潰瘍や最悪のことも考え、近所の内科を受診しました。後日、胃カメラをしても、お医者さんは「胃はめちゃくちゃキレイです」の一点張り。他の病気の可能性もあるから、念のため、大きな病院(日本赤十字病院)を受診することにし、腹部エコーやCT、MRIなどを行った結果、「胆嚢に胆石がたくさん溜まっていて、石の位置によって痛みが出ている可能性が高い。小粒の石がたくさんあるので、痛みをなくすには胆嚢を摘出する方法しかない。ただ、取っても痛みがなくなるかは確実ではないけど。」との診察結果でした。もちろん、臓器ひとつなくなる話というのと、胆嚢を取ってから痛みがなくならない可能性もあるので、セカンドオピニオンも受けましたが、同意見で、おそらく胆石が悪さをしていて胆嚢を摘出することで痛みがなくなる可能性があるという結果でした。受診時に胆嚢炎や胆管炎などの炎症が起こっているときは確実のようですが、石の位置によって痛みが出たり出なかったりすることもあるので、診断が難しいようです。

手術を決意

いつか偶然治るだろうとポジティブに考えていましたが、症状が続いていたこともあり、再診したときに主治医が「腹腔鏡手術なので比較的かんたんで入院は3泊4日程度。炎症が起こると開腹手術になる可能性があったり、入院が長くなるよ」という話と「飛行機の移動が多いならちょっと怖いね」とか「同病院の部長クラスの先生が痛みを堪えてたけど、結局胆嚢炎起こして開腹手術になった」などの話から、家族と相談し、手術を決意しました。

ここからは実際の入院〜退院までの詳細を記載します。

入院説明

手術を決意したときに、入院スケジュールの話と麻酔科医との話があります。全身麻酔で行うため、リスクの説明を受けますが、全身麻酔に起因する死亡率は、全身が健康な方であれば100万人に1人とのこと。同意書にサインをするときは、家族と会社のメンバー、株主の顔が浮かびました。あとは、当日の持ち物や面会禁止の話(新型コロナの影響)、限度額適用認定などの説明があります。

入院スケジュール

今回、2020年9月のシルバーウイークもあったので、できるだけ仕事への影響を減らすべく、木曜入院、日曜退院のプランでお願いしました。
・9月17日(木)前日入院
・9月18日(金)手術(9:30〜)
・9月19日(土)安静期
・9月20日(日)退院

入院後にすること

■ 9月17日(木)前日入院
前日入院の日は、まず血圧や身長体重測定を行い、部屋に通されます。今回、新型コロナの影響も考え、個室をお願いしました。部屋で待っていると看護師さんが来て、ギャランドゥの剃毛とヘソ掃除。ヘソにメスを入れるため、綺麗にする必要があります。掃除は看護師さんがやってくれますが、オイルをヘソに流し込み、少し時間を待ってから大きめの綿棒で奥まで綺麗にします。あとは主治医が来て手術の同意書サインと不安なことに対するQAを行いました。わたしが聞いたのは以下。

Q:術後は尿管カテーテルが刺さっているのかどうか?
A:YES。ですが、手術が短時間で終わったら意識がないときに抜いといてください。という要望は通りました。

Q:術後のお酒や喫煙は?

A:特に制限なし。傷が治りにくくなるのでちょっとやめたら〜。

Q:胆嚢を取ったあとの管はどうするの?

A:小さな金属のクリップで止めます。MRIとかCTもできる。

Q:飲食について

A:今夜の食事を食べたら絶食。飲水は手術の2時間前(7:30)まで。

Q:どこをどういうふうに切るのか?

A:4箇所をこんな感じで切る。

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■ 9月18日(金)手術(9:30〜)
朝9:30からの手術だったので、8:00に看護師さんが手術着と弾性ストッキングを持ってきてくれました。弾性ストッキングとは、足全体が圧迫され続ける弾力性のあるストッキングで、術中から術後にかけて体を動かせない状況が続くので、下肢動脈の血流を良くし、血栓ができるのを防ぐ目的で使用するようです。いわゆる「エコノミー症候群」を防ぐためのストッキングです。こんな感じです。(パンツとズボンは履いています)

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<9:00>
看護師さんが迎えに来て、この姿で歩いて手術室に向かいます。手術室に入ると手術台に寝転び、慣れた手付きで点滴や心電図などをつけられます。酸素吸入器もつけられ、「30秒数えてください」と言われ、1、2、3までは覚えていますが、その後は記憶なしです。

<11:30>
意識朦朧としてましたが、美人の看護師さんたちに囲まれて目が覚めました。みなさん優しく声をかけてくれ、ちょっとお腹が痛かったので痛み止めを点滴から入れてくれました。

<12:00>
自室のベッドで部屋に戻り、看護師さんに術後3時間(15:00まで)は飲水禁止、ベッドから降りてはダメと言われました。また、麻酔が覚めてきたときに頭痛や肩こり、吐き気などの心配をしていましたが、わたしの場合はまったくなかったです。

<12:30>
尿意が限界になり、家内に尿瓶を持ってもらい用を足しましたが、お腹の傷口よりも尿道がめちゃくちゃ痛かった。600ccほど出て地獄だった。尿管カテーテルを抜いてもらうのはあとのほうが良いかもと思ったが、しらふでカテーテルを抜くときも痛いという噂もあるので、どちらを取るべきか悩ましいところです。

<15:00>
水を少しずつ飲み、自室内を歩いてみたり、地獄のおしっこに行ってみたりしました。手術が終わる頃に、傷口の局所麻酔を打っているようで、傷口はほとんど痛みませんが、お腹の中を触っているので、腹筋の筋肉痛のような鈍痛はあります。でも食欲はあり、お腹はグーグーなっている。会社のチャットが溜まっていたので確認したり、請求書作成したり、通常業務ができそうでしたが、30分ほど仕事をすると頭がフラフラしてきたので、家内に止められて安静にしました。食事は丸一日なしで、翌日の昼に全粥食からスタート。点滴は夜中の0:00まで繋ぎっぱなしでした。

■ 9月19日(土)安静期
朝5:00に採血。飲水は自由。食事は昼と夜の全粥食。全粥食を食べて異常がなさそうであれば、プリンなどの消化の良いものは食べて良いとのこと。お通じははじめは下痢が先行し、おしっこは尿道が金曜と同じくらい痛くてつらい。また、歩いたほうが回復が早いとのことでしたので、早朝から30分ほど病院内を歩きました。麻酔が切れて前日よりもお腹の痛みは強くなっていますが、ゆっくり歩いていると慣れてくるので、計6回ほど、院内散歩にでかけました。飲水時に器官に水が入ると、咳でお腹が痛いのでストローで飲むことをおすすめします。手術で挿管したからかわかりませんが、一定期間、器官に水が入りやすかったように思います。血液検査の結果は、肝臓の数値が少し高く、明日採血をもう一度して下降傾向であれば退院ができるとのこと。胆嚢は肝臓にペタっと張り付いている臓器なので、数値が上がることはあるようです。

■ 9月20日(日)退院
朝5:30に採血。朝食から普通食で問題なければ、飲食の制限はなし。朝一のトイレは尿道が痛い。血液検査の結果が良かったので、弾性ストッキングを脱いで10:30に退院。自宅に戻って昼食は早速こってりラーメンを食べましたが、特に胃もたれや気持ち悪さもなし。食後30分のウォーキングを2回行ったが問題なし。傷口は痛くないが、お腹の中は痛むので、ゆっくり歩く。

■ 退院後
月曜の午後(実質3日間)には、尿道の痛みはほとんどなくなりました。お腹の傷口には、3Mの透明テープを貼っていますが、痛みはありません。交換するとお腹の皮膚は少し薄めなので、肌荒れとタダレのような状態になり痒みがあります。わたしの場合、退院後すぐに同じ3M透明テープに貼り替えましたが、痒みがひどく水ぶくれみたいになってきたので、薬局に売っている「アトファイン / 傷あとケアテープ」に貼り替えると少し痒みはましになっています。歩行はできますが、お腹の中に響く痛みはあるので無理せずゆっくり歩いています。あと、笑う、くしゃみ、咳、起き上がるなどの腹筋に力を入れる動作のときは、お腹の中が腹筋痛のような痛みがありますが、激痛ではありません。食事については、現在のところコッテリを食べても胸やけや気持ち悪さなどはなにも感じません。ちなみに以下を入院前と同じくらいの量を食べました。
・退院日
 ・昼:コッテリラーメン
 ・夜:豚しゃぶ
・退院後1日目
 ・朝:豚汁とご飯
 ・昼:たまごサンド
 ・夜:チーズハンバーグ+ノンアルビール
・退院後2日目
 ・朝:手作りチーズバーガー
 ・昼:焼きうどん
 ・夜:サムギョプサル+ノンアルビール

■費用について
費用については病院や限度額適用認定の等級によっても変わってくると思いますが、わたしの場合は全部で21万円(個室の5万円含む)でした。

手術をしてみて

今回、食事が通らない臓器である「胆嚢」を摘出ということもありますが、臓器をひとつ取って翌日に歩くことができ、2日後に退院できる世界観。日本の医療技術には驚かされました。あとは、尿道痛のソリューションに期待ですね。(ただ、3日で痛みはなくなるし、その期間は健康体が良いと考えされられる期間なので不要かもしれません。)石については、写真掲載は割愛させていただきますが、5mm前後のトゲトゲの胆石が約10個入っていたのを見ると、こんなものが体内に入っていたらそら痛いで。というのが感想です。これで、夜中の激痛がなくなり、その恐怖からも開放されると思うと、わたし個人としては、手術をして本当に良かったと感じています。

ということで、胆嚢摘出(腹腔鏡手術)における、入院から手術、退院までの経過を記載いたしました。本内容は、あくまでも自分自身が情報収集時に参考情報が少なく感じたため、詳細情報を記載していますが、個人差もあると思いますので、参考情報としてご覧いただければと思います。

術後2週間後の追記

術後、2週間が経過しましたので、症状を追記いたします。術後から1週間の間は、胆嚢があったであろう場所付近に常に痛みがありました。例えると、ボディブローを打ち続けられているような強めの鈍痛です。(わかりにくいかな笑)気になって通院しましたが、担当医からは術後にこのような痛みはよくあるとのことでした。その際、病理検査に出していた胆嚢の結果も教えてくれたのですが、炎症の痕があったので、摘出してよかったとのコメントをいただき、少し安心しました。術後、2週間ですが、痛みはほとんどなくなり、手術による傷口もしっかり閉じてきているので、テープなども貼っておらず、お風呂も通常通り、お酒も通常通りとなっています。改めて人間の回復力はすごいな、と感心するとともに、健康志向に努めたいと思います。

術後1ヶ月の追記

術後1ヶ月経過しないころ、朝起きると、右側のひとつの傷口周辺が赤くなってパンパンに腫れていて、腫れをつまむと(ニキビを潰すような感覚)傷口から大量に膿が出てきました。痛みはほぼないのですが、退院時に膿が出てきたらすぐに来てくださいと主治医の先生に言われていたので、病院に行くと、ほっそいハサミのようなのを持って、閉じかけていた傷口のかさぶたを切り、なかにその先を(大げさではなく)1センチ程度突っ込まれて膿をほじくり出されました。これは痛かった。。通常、術後1週間程度で術後感染というのが起こるらしく、1ヶ月前後ではあまり起こらないようですが、疲れで免疫が下がっているときにバイキンが入ったかな?という感じでした。軟膏と抗生剤をもらって、2日後には傷口も落ち着いています。

術後3ヶ月の追記

術後、3ヶ月が経過しました。傷口の痕はまだまだ治っていませんが、いままで不定期に起きていた夜中の胆嚢付近の痛みがまったくないです。これは確実に胆嚢の炎症によるものだったなと、改めて手術してよかったと感じています。今回の追記を持ちまして、経過報告を終了させていただき、胆嚢痛でお悩みの方のご参考までとさせていただきます。

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