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洗濯物が無事だったというだけの話【日々のこと】

先日、古い友人に会った。友人は仕事柄、個人宅への集金作業があるらしく、最近、肝を冷やしたと言う。

「何回か留守だった家に集金行ったらさぁー『何度も来て頂いてゴメンね』って言われてびっくりしたよ。最近のインターホンってカメラ付が増えてて自動録画でしょ。悪態ついてなくてよかったぁーと思って。でも他の所でついてないかなーって心配になってさぁ。もう気が気じゃないよー。いや、基本ついたりしないけど無駄足な訳だからガックリくらいはするじゃん…」

先ほど家のインターホンが鳴った。カメラ付きオートロックの我がマンションだが録画は出来ない。やや不鮮明なモニターを見ると宅配業者ではないらしい。変な営業でも困るし居留守を使おうかと思案していたら二度目のチャイムが鳴る。モニター越しの男性は姿勢正しく直立しカメラを見据えていた。そして程よく間を取った後、綺麗にお辞儀してインターホンを切った。友人の言っていた心配ごとに対してマニュアルが出来ていると感心する。ただ単にすこぶる礼儀正しい営業マンだったという線も無い訳ではないですが、たぶん無いですよね、と居留守を使う無礼者が思う。世の中、総カメラ時代、いつ如何なる時も気が抜けません。不意に気になって部屋の中でキョロキョロする無礼者。ここで誰かに見られているとしたら盗撮されていることになるのですが、さすがにそこまでの心配はないでしょう。ただ窓越しに見る雲行きが心配、そろそろ降ってきそうだと気付く。

キョロキョロしたことで雨に降られる前に洗濯物を取り込めた。きっかけをくれた営業マンの見てない所で恐縮ですが、一応お辞儀する。


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