私は世代交代派です【日々のこと】
私はゴリゴリのダウンタウン世代です。ダウンタウンを観てゲラゲラ笑う私の後ろで、父は「これの何が面白いのか全くわからん」と嘆いていた。そんな父はやすし・きよしを観て笑っている。やすきよ師匠には申し訳ありませんが「これこそ何が面白いのかわからん」と子供の私は思っていました。
また私はバンドブームの子供です。大晦日の夜、YOSHIKIがドラムを叩きまくっていると「何だ、このうるさい曲」と父がまた嘆く。洗い物が終わらない母に「次は森進一やでぇ」「その次、島倉千代子」と呼び叫んでいた。
お笑いも音楽も絶対的な良し悪しなど無くて、たぶん世代的な好みや流行りと馴染みだけだと子供の頃から思っていた。世代が違うと何がどう良いのだか、嗜み方すら解らない。和歌だって優雅に静かに読んでいると勝手にイメージしているだけで、実際の平安人はノリよく詠ってゲラゲラ笑っていたかもしれないとさえ思います。
そして今日、何気なくYOUTUBEを眺める。不意に2030万回視聴という文字が目に飛び込んできた。しかもファーストテイク、そして1か月前の投稿。「なんだ、この大バズリは」と思わずタップする。4人の若い女性が、おふざけをしながら躍り歌っていました。
「すばらしい!」
とは感じられず、正直に言えば、まったくわからなかった… と同時に解らなくていいんだとも思いました。調べてみると皆、二十歳そこそこの女性達。そんな彼女達の若い価値観で作られた作品が、私の感性に響くようでは、それこそ明るい未来が見えません。私には解らないからこその大バズリな訳で、若い世代ならば解る新しいリーダーになってもらいたいと心から思いました。もちろん、それすらも解る大人世代が居てもいいのですが、私には無理そうです。なんせ、あの父の息子ですから。ただ嘆くのは違うと思うので、解らぬままに尊重したいと思います。
元に戻って、お目当ての動画を探し直す。稀にこの年齢になってこそ解るというものがあります。昔からあったのに、ようやく私が追いついたと言いますか、少しは嗜めるようになってきたと志ん朝師匠の落語をタップする。ここでも私は、やはり志ん生ではなく志ん朝なのです。9年前の投稿らしいが202万回もの再生数。
「よぉ、さすがは志ん朝っ、にっぽんいち!」
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