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110円分の777文字【日々のこと】

先週末、暑い最中に銀行へ行く。ATMで振込みがしたかっただけです。そして途中のパン屋に寄りたい。優雅にも夕食のシチューに合うバケットかカンパーニュが欲しい。

行きのパン屋は素通り。猛暑下のパンを少しでも避けたいので帰りに寄ります。とにかく一目散に銀行へと向かう。

ようやく着いて少し涼む。ATMを操作して早速振込み。最終画面で手数料が表示された。110円だという。

そうなの…

同じ銀行支店間での振込み。手数料は無いと思い込んでいた。しかも今まではオンライン振込みで無料。銀行のオンライン変更がやたらと評判が悪いので敢えてアナログ的に歩いてきたというのに。手間をかけて手間賃を取られるとは…

私、こういうお金が出せない。高々110円でも癪に障る。癪ではなくケチなんです。

振込み相手は妻。どんな形であれお金が渡せればいい。ということで現金で渡そうと操作を変えます。

出金手数料110円…

なんで自分のお金をおろすのにお金を取られにゃいかんのだ。そういう時勢かもしれませんが癪に障って仕方がない。そもそもパン屋が目的なんです。銀行の方が遠いだけでパンを優雅に買いたいだけです。そんな気分に110円で水を差されたくはない。ならば我慢して払おうとはならない。全部おじゃんにして絶対に払ってやらない。私はそういうタイプのケチなんです。

結果、別の方法にて妻には支払おうと何もせずに銀行を出る。パン屋までの間にジュースの自販機を見つける。たまたま110円の缶コーヒーがあった。暑い日差しの中、コーヒーで喉を潤そう。こういう110円ならば出せる。これこそ生きたお金だと思える。押してしゃがんで冷たい缶を手に取る。

短い…

170g缶らしい。銀行も飲料も厳しいご時勢なのですね。小麦にバターに電気代、パンはどうなっているのやら。その値上げにこそ使うべきだった110円を一気に喉へと流し込む。


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