川柳について語る会・のんびりあん編(5)
2023年1月21日、雪上牡丹餅さんと西脇祥貴さんのツイキャス「川柳について語る会」にお邪魔してきました。 その5
https://twitcasting.tv/c:twit22casting/movie/757204148
俗っぽい
俗っぽい、を連呼してますね。言い換えるとかしなきゃ。
「美しい山」じゃなくて「山が美しい」って言いたい、とか。
泥臭さ、とか「人間的な、あまりに人間的な」とか。
連れんこらるばい早よほー洗わんば
川柳において、地域性はどの程度考慮されるべきなのでしょう。
たとえば「雪」の句で、津島修(青森)ってあったとすると、南国の私などは「うわあ大変だろうな」とつい思ってしまいますけど、それって、どうなんでしょう。
頓服の魔女まで移植されている
体質だったり病弱だったりは、いわゆる精神に、どんな影響があるでしょう。「健全な精神は健全な肉体に宿る」ってのは、どうも誤訳らしいんですけど。
銀縁めそうとは知らず刷っちまえ
小池正博さんは、まるっとお見通しでしたけど、語尾の疑べらんめえ調は、樹萄らき さんリスペクトです。
「Killing Floor」と「The Lemon Song」でしょうか、ブリティッシュ・ロックでたとえると。そこまで成功してないか。
透過してシャトー光に居るほっぺ
指摘があった通り、「シャトー光」って言葉を使いたかった、ってのが最初の動機です。
連作中のどこかでテンポチェンジというか、時間の流れを遅くするための句でもあります。
瞑っていよう(註)で埋めて
メメント・モリ的な
捻子吹いて踏みだせ下戸のファランクス
美術用語でいうとコラージュ、川柳用語?だとモンタージュ(『現代川柳の精神』堺利彦、など)に近いでしょうか。
小学校就学前の知能検査で、上部が平らなネジの絵を見せられ「ここになにかをかきたしてください」みたいな問題が出て。要は+か-を描けばいいんですが、取っ手と吹き口を足してしまったという、ね。後年、あの頭部の形状がラッパと呼ばれることを知って「ほらぁ」みたいな。
メモ腸が逃げだすそこここと痒い
スーパーに着いてから、買う物を書いたメモを玄関に忘れてきたと気づく。買いたい物を買えた「私」、買えなかった「私」、このとき、メモは「私」に含まれるか否か。
紅い鋏で鳳梨饅頭呉れる
「おんらいまんとう」は呉市・天明堂のお菓子です。
仕立屋の一人は臣 消 う
デュシャン「パリの空気」の元ネタは、案外「裸の王様」だったりして。
いずれまた逸らしたいのも花と星
連作の結句ですから、See you again てことで。
私は花と星が苦手なんですが、もちろん、それらを生き甲斐になさっている方もおられます。
千春さんの句って、形容詞の使い方が、すごく美しいですよね。
一週間経ちましたし、この辺で「川柳について語る会・のんびりあん編」も、ひとまず終わります。読んでいただきまして、また、ツイキャスをお聴きいただきまして、ありがとうございます。
この雑談で感じたことをもとに、また自分の川柳観を錬り直します。
「川柳について語る会」にお誘いいただいた雪上牡丹餅さん、西脇祥貴さん、ありがとうございました。
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