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格ゲーでタイトル初心者が上級者とだけ対戦し続けて思ったこと

格ゲーを触ってからの歴は長いですが、今はたまに遊ぶ程度です。そのレベルの人間が書くことです。
今回は東方非想天則という13年以上前から遊ばれているゲームを新規として始めて2年ほど経ったので思ったことを書こうと思います。東方非想天則が格ゲーかどうかっていう野良犬も食わない話をしたい人はファービー相手に話していてください。

東方非想天則に関する以前の記事はこちら

歴史が長いゲームに新規が入ってみると

東方非想天則という13年の長い歴史を持つタイトルに迂闊にも足を踏み入れてしまいました。
今流行りの格闘ゲームや、昔のゲームでもビッグタイトルなんかであればある程度新規の人や初心者の人がいたりするのですが、同人ゲームでかつDL販売すらないハードルの高さから秘境マップにすら載らない限界集落にはそんなものは無でした。モンゴリアンデスワームを見たという報告数のほうがまだ多いと思います。

身内とやるためだけに始めたので、対戦も身内とだけで良かったんですがせっかくだからニコ生で配信してみると、ワラワラと海底に沈んだ魚に群がるヒトデのように天則勢たちが群がってきました。

話を聞いてみると、当時はやっぱり過疎地だったらしく新規なんてのはいなかったらしいです。ただ、どうにも色々な偶然が重なって僕が始めたときに「新規が入ってきて配信しているらしいぞ」という噂が流れたようで、右も左も分からないゲームをやっているプレイヤーの配信にきてくれたようです。今でもこれだけは感謝しています。

歴史が長いゲームの環境

13年続いたゲームということは当然それだけの年数を重ねてきたプレイヤーがいます。
僕は当時ボタンを押すこととレバーを倒すことだけが分かった初心者でしたが、そこには村の血が無ければこの地に住んじゃいけねぇと言いそうな古参上級者しか残っていませんでした。そのうえ、僕と同じレベルの桃から生まれたばかりの垢太郎のような奴はいないという状況でした。
正確に言うと数人ほぼ同じくらいの時期時期に始めた人もいるんですが、当時は他のプレイヤーに1ヘクタールも興味が無かったのでそれを知ったのは随分先のことでした。
そんな奴らが新規の配信にハチャメチャが押し寄せてくるわけです。見世物小屋に入れられて見物された気分です。自分から進んで配信していましたけれど。

歴史が長いゲームの古参プレイヤーたち

初心者の配信にきてくれた心優しい先輩である上級者たち。

これは実体験をもとにして話すのである程度の信憑性はあるのですが、過疎になって盛り上がりがあまりなかったらしい当時でも、新規の配信にきてくれた心優しい先輩である上級者さんたちは蟲毒で勝ち残った虫のような奴らでした

さすがに舐めプとか屈伸とかゲーセンで当たり前のようにやられていたことはされなかったんですが、もう本気で殺しに来るんですよ。ジャンプさせてチャリチャリ音が鳴ったら殺して奪い取るわけではなく、白い歯をむき出しで近づいてきてこちらのポケットに小銭を無理やり突っ込んでから「ホラ、ジャンプしろよ」と言ってくるような奴らでした。こんなのしかいませんでした。本当に。

後々、現環境で上から数えた方が早いプレイヤーの一人から話を聞いたのですが「俺は初心者だろうと配信で部屋を立てていたら全力で殺しに行く」と真顔で言ってくる奴がいる魔境です。人の心は黒マナを生成できるような沼に染まっていました。

歴史が長いゲームのプレイヤーと対戦する

そんな奴らしかいない環境でゲームをプレイしているとどんなことが起こるでしょうか

実際に対戦をしてみると、まあ勝てない。勝てないのは仕方ないんですが、実りのある負け方にならない。何しても殺されるし何もしないでも殺されし何をされて殺されているのかも分からない。ボタンを押す指を人差し指から中指に変えてみたのですが、全く状況が変わりません。ハイハイ覚えたての幼児がルームランナーを走らされて横から異世界行きのトラックで突っ込んでくる感じでした。

配信中ではあったので、「これ、どうするの?」とか、「これ何?」「何で結婚できていないの?」とか聞くと、心優しい虫どもが忙しい時間を割いて丁寧にコメントで教えてくれます。
中には、「この技をガードしたらガーキャン確定だよ」と教えてくれて次にきた同じシチュエーションで試してみたら無敵超必でキャンセルして殺しにくるようなバッファローの下痢便みたいな奴もいましたが、みんな本当に優しい人たちでした。

分からないことは聞き、聞いては試してを何度も何度も繰り返します。天則と配信を楽しんでいた当時の自分は思っていなかったのですが、後々あることに気づきました

初心者が上級者だけと対戦することの影響


上達を実感できない。

とにかくこれに尽きます。とにかく成功体験が積めないのです。これは何故か
上級者はそのキャラの強い行動、弱点を知り尽くしています。
なので、教えてもらったことを実行しようとしても相手はその強い行動に対する回避が体に染みついていて逆に最大効率をこちらに叩きこんできます。
こうなると、「上級者に教えてもらった強い行動を試したのに通用せず反撃されて負ける」ということが画面上で起こります。
これは中々精神的にくるもので、対戦中にも対戦終わってからでも「自分が下手だから、理解が足りないから教えてもらったことを同じように試しても上手にいかないんだ」と考えてしまいます。

僕は格闘ゲームでは勝ち負けよりも、「できなかったことができるようになる」が何よりも楽しい瞬間だと思っています。
ですが、上級者との対戦ではこれを味わうことができません。そこにあるのは、教えてもらったことをやっているはずなのに何が良くなくて負けるのか分からず地面に横たわっている自分の使っているキャラのみです。

よほどのことがない限りゲームで楽しくもないこと続ける意味なんて全くなくて、他のことをやったほうがよっぽど有意義です。
初心者がもし一切勝てない環境で「格闘ゲームでの勝敗」以外に楽しいことを見出せないのであれば去っていくのは必然だと思います。
僕はニコ生で配信をして、古参プレイヤーたちと話していることが面白かったため「格闘ゲームでの勝敗」以外に楽しいことがあったので続けることができました。これに関しては何度も言うんですが本当に感謝しています。やめさせる原因の一端がこいつらだとしてもです。

そんな僕も、今ではちょこちょこと対戦するくらいですが天則を続けています。途中色々あって一年くらい天則をやめていたんですが、その期間を入れたとして僕は二年続いているプレイヤーになりました。
しかし、二年やっても腕前は一切上がっておらず、スクールカーストの最下位。「ここはレーベの村です」と言うことだけを許された、いてもいなくても変わらないような存在でした。

まさかの更に新規が入ってきた

僕とほぼ同時期に始めて、同じように五臓六腑を抉られながらも天則を続けているプレイヤーの一人がどでかいコミュニティを作り上げました。ありがたいことに僕もそこに入っているのですが、そこになんと新規の方がたくさん入ってきたのです。更に昔やっていていた復帰勢も入ってきました。総勢で20,30人くらいになる「新規復帰勢」という呉のような一大勢力です。
当時僕はもう天則のモチベは全くなかったので、新規が入ってくることは良いことだなーとその盛り上がりをヨダレをたらしながら見ていました。

そこでは、みんなが新規の方たちをとても大切にされていました。
僕の配信にきていた上級者も勿論いて、聞いたところによると上級者たちの意識も大分変ってきたそうです。いつも12時くらいに寝ていたのに初心者に教えることに熱中しすぎて朝の7時まで起きている人もいました。殺すことではなく、生かすことを覚えたんだなぁと遠巻きながらに見ていました。

今では新規勢たちも始めてから半年くらいになったそうで、たくさんの上級者たちから教えられ、日々鍛えられています。
いつもどこからともなく、「あの子は強くなった」「伸びが早すぎる」「何食ったらああなるんだ」「何で結婚できていないの?」と、目まぐるしく成長する新規達の話が耳に入ってきます。

教えてもらったことを同じ腕前の人と試す場もあり、その場で良かった悪かったを話せるという格闘ゲームにおいて理想郷のような場所がそこにあります。僕が飛び込んだ肥溜めとは全く違います。

新規勢たちと対戦することになる

ここで思わぬ出来事が起こります。
僕とほぼ同時期に始めて、同じように五臓六腑を抉られながらも天則を続けているプレイヤーの一人が「私達同時期組と、新規勢たちとで対戦するイベントに参加してくれないか」というものでした。

ジャックと豆の木のように成長をしているらしい新規勢たちと、天則界隈底辺プレイヤーの椅子を池上君の如くディフェンスしていた僕がやってもどうせ勝てないだろうと思っていたんですが、1ミリでもイベントとして盛り上がって界隈の活性になるなら参加しようと思い、承諾しました。

そしてイベント当日、実際に新規の皆さんと対戦することになります。
先輩がこのゲーム教えてやるよみたいな考えは一切なく、全力は出すけれど多分勝てないし負けたら負けたで面白いから別に良いかなという考えで対戦に挑みました。

そして、対戦中にも対戦が終わった後にも、自分の中では思いがけない事実に遭遇しました。

勝てる

僕はこのイベントでは運よく一度も負けることがありませんでした。自分ができる精一杯のことで勝てたのです。

二年間上級者だけとやって分かったこと

イベントの後、頭蓋骨に対してあまりに小さい前頭葉と海場を駆使し、色々整理してこの言葉が出てきました

二年間、上級者だけとやってきたことは無駄じゃなかった

ここで初めて気づきました。

配信中、配信外でもアドバイスくれた賢者たちの言うことを聞いても上手く実行できず申し訳ない気持ちも出てきてしまい上達もできなかったのでポポロ異世界で地雷踏んでいたほうがまだ楽しかったのですが、実は目に全く見えないながらにもきちんと積み上げてきたものがあったのでした。

ここで改めて僕がいた環境について考えました。

初心者が上級者だけと対戦することの影響

実体験から、相手が上級者やかなりの格上だとしても初心者は上達することが証明されました。

しかし、上達が目に見えないためモチベの維持ができずにやめるだろうなと考えました。少なくとも、対戦以外に楽しいところがなければ続ける意味がありません。
人生はもっと楽しいことはいくらでもあります。それを上達が実感できずただ負けるために時間を費やす必要はありません。

そしてこれが、よく言われる「初心者は同じくらいの相手とやった方が良い」に繋がるんだなと身をもって痛感しました。

自分と同じくらいのレベルがいる環境

上級者しかいない環境で対戦は死ぬほどつまらなかったけれど、配信でコミュニケーションをとるという別の要因が楽しかったから続いた奴が、メロンパンの入っていない金の脳でひねり出した結論です。

自分と同じくらいのレベルがいる初心者のみなさんは、今の環境を最大限楽しんでください。

対戦に勝つ負ける、自分ができなかったことを今日の目標にする、周りと楽しく話す。何でも良いです。今そこでそれができる環境をとにかく楽しんでください。
つまらなくなったらやめても良いですし、それを責める奴の頭がおかしいだけです。
ただ今そのゲームを楽しんでください。楽しめなかったらクソゲーです。僕と一緒にオオイカリアークドラゴンに焼かれましょう。

僕も強くなったとは言え、天則界隈から見たら植物性プランクトンからアブラムシくらいになったレベルです。
天則界隈だけでなく今盛り上がっているタイトルでも、これから盛り上がるタイトルでも、みんなでゲームを楽しんでいたらいつの間にか強くなっていた という状態になれることを願っています。

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