漢字テストのふしぎ (第29回東京ビデオフェス 大賞作品)

阿辻哲次さんの名著『漢字を楽しむ』(講談社現代新書)で絶賛されていた高校生の動画作品。
ずいぶん前から毎年のように授業で紹介してきたが、最近は余裕がなくて、あまり取り上げなくなってしまっている。

この動画で取り上げられている多様な手書きの字体を、どうしても許せないという学生が意外と多い。そしてしばしば、常用漢字表のまえがきで認められていることを知ってもなお、許容できないという。

「標準的な字体」「正しい字体」という観念にとらわれることが、「標準的な性愛」や「正しい性愛」、あるいは「標準的な家族」や「正しい家族」などの抑圧的なイデオロギーと同類だということに気づかせることは、案外むずかしいことなのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?