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全国大学国語教育学会に乗り込んできたAI研究者が「不可能だ」と断言していたこと

 全国大学国語教育学会が武蔵野大学 有明キャンパスで開催された時に、パネラーのAI研究者が「人工知能は読者/作者になれるか」という発表をした。
 その際の質疑の中での発言だったと思うが、「文系研究者の方はAIのことがわかっていないから過度な期待をするが、東大の入試に合格するような、人間と同じような一般的な知能をそなえた真のAIは不可能だ」という趣旨の発言をしていた。私の記憶では、「断言」していた。
 国語教育学という「文系研究者」の1人として発言を聞いていた私は、「なんと不遜な…」と驚いたことをまざまざと覚えている。
 現時点で考え得るAIには不可能だとしても、まったく異なる発想でつくられたAIが登場してブレイクスルーを起こす可能性はあるはずで、「不可能」と断言してしまうのは、およそ科学的な態度ではないと感じたのだ。

 2018年秋のことなので、こういう失言(?)をしてしまうのもやむを得ないのかもしれないが、うかつに未来について断定してはいけないという教訓にしなければならない。

 ChatGPTによると、こういうことになる。きわめてまっとうで妥当な見解である。

 現在の自然言語処理技術の限界を考慮すれば、一流大学の入学試験のような高度な言語課題に対応することはまだ困難であるとされます。しかし、AIの技術は急速に進化しており、近い将来にはより高度な自然言語処理が可能になると考えられます。

現在、自然言語処理において最も注目されている技術の一つには、深層学習があります。深層学習は、膨大な量のデータを用いて、コンピュータが自動的に特徴量を抽出し、問題を解決するためのモデルを構築することができます。この技術は、自然言語処理の分野でも非常に有望であり、より高度な言語課題に対応するための手法として期待されています。

そのため、現在の技術水準を考慮しても、高度な言語課題に対応することが完全に不可能であるとする主張には説得力がないと考えられます。今後のAIの進化に期待し、自然言語処理の精度向上が続くことで、より高度な言語課題にも対応できるようになる可能性があると考えられます。

ChatGPTによる出力(2023/03/14)

 そして、ChatGPTの想定の範囲をはるかに超えた出来事が未来に待っている蓋然性も十分にあるはずなのだ。
 なぜならChatGPTの判断は、過去のデータに依存しているからだ。

 だから、不用意に「不可能だ」などと断言してはいけない。

 過去のデータを無視して可能性を夢想すること、「命がけの飛躍」をして未来に投企できることこそが、人間の人間であるゆえんではないか。



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