封じ手はコンピュータ同士の対局だと公平?どちらかが有利?

記事の内容
・封じ手とは何かの簡単で大雑把な説明
・コンピュータの対局での封じ手はどちらか有利?

将棋や囲碁では、「封じ手」という仕組みがありますね。


人間同士の勝負ならほとんと公平なのだろうけど、
「ではコンピュータ同士だったらどうなのか?」という素朴な疑問が浮かんできましたので、
ここで素人なりに考察をしてみようと思います。

果たして結論は出るのでしょうか?


囲碁や将棋の封じ手とは?最短で説明!


すごく簡単に説明すると、途中で対局(囲碁や将棋の試合のことです)を中断するときに、
その時点で手番(カードゲームなどでいうターンのことです)を握っている人が、
次の一手を紙に記録しておくというものです。


次の手は当然、対戦相手には教えません。
それどころか、封じ手をした人以外、誰も次の一手を知りません。


そのため、中断中は、対戦者たちはお互いの次の一手を知らない状態になり、
その意味で有利不利は特になく、公平というわけです。


ちなみに封じ手といえば普通は、二日制のタイトル戦で行われるもののことを指します。

この他、将棋だと「JT杯」のような公開対局や、それ以外の将棋祭りのようなイベントの非公式な対局なども行わていたと思います。

イベントの場合は、「次の一手名人戦」という企画のために行われるのですが、
興味ある人はぜひ調べてみるといいと思います。


人間同士の対局だと封じ手に有利不利なし?


封じ手を行うことを短く「封じる」といいますが、
封じた方と封じなかった方は、どちらが有利なのでしょうか?


ちょうど最近のweb上のニュース記事か何かで読んで納得したのですが、
人間同士なら公平と思ってしまっていいと思います。


封じた方の棋士(将棋のプレーヤーのことです)は、
自分の手が確定しているので、その分、相手の次の手をつい予想して対策を考えてしまいます。

一方で、封じなかった方は、相手の手がまだわからないのだから、
次にどんな手を指そうか、とか考えても仕方ない面があります。

もしも予想と違う手がきたら、せっかく考えたことが無駄になってしまうからです。


封じた人は、一日目の夜に次の手を色々と考えてしまって休めず、
封じなかった方の人は、考えてもしかたがないので余計なことを考えずにゆっくり休める、ということになります。


こうしてみると、人間同士の勝負には、精神面、心理面や体力面も重要ですので、
どちらが封じ手をするで有利不利があるということはなさそうな気がしてきますね。


もちろん、万一、封じ手の手が悪手だった場合は、封じた側が絶対に不利ですが。

タイトル戦に出場するレベルの棋士は、滅多にそういうことはありません。


コンピュータ同士の封じ手は公平?


では、コンピュータ同士で対戦させる場合に、
もしも封じ手を導入したら、どちらかが有利になるということがあるでしょうか?


実際上はこのようなことを考えることはほとんど意味がありません。

なぜならば、コンピュータは、人間と違って休む必要はないので、
ずっと電源をつけたままにしておいて、勝手に対局をさせておけばよいからです。


また、コンピュータを休ませる場合でも、一方のコンピュータに封じ手用の手を指させて、それを対戦相手のコンピュータには教えないでおいて、
あとは、両方のコンピュータの思考を停止させておいて、
翌日にまた再開させればいいのです。

この場合は、コンピュータは再開時点で、一日目終了時のままの状態になっているので、
普通に対局しているのとほとんど条件は同じになります。


ちなみにこのコンピュータを途中で以降停止させておくというのは、
思いついた当初は、本当にそんなことできるのかな、とも思ったのです、
人間(プロ棋士)と将棋ソフトの対局である電王戦でかつて行われたことなので、
どうやら可能なことのようです。


では、途中で機械を休めるとかいうことをせずに、人間同士の対局のときと同じように封じ手をしてから翌日の再開まで思考できる状態にしたとすると、
どうなるのでしょうか?


色々と頭を悩ませたのですが、

ただ、お互いに、次の相手の一手が未知の状態という意味では、

状況は全くに対称、つまり封じた側のコンピュータと封じなかった側のコンピュータとで条件は全く同じなので、
有利不利は特にないということが結論になってきそうです。


最後に


記事の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございます。

おまけ


封じ手から再開までの間、条件は対称でしたがって公平だと結論しました。

この対称性を破るような要素は、囲碁や将棋の場合、少なくとも自明なものは存在しなそうですから。


もしかすると、終了までの手数が決まっているような他のゲームがであれば、
この対称性が破れるようなこともあるのでしょうか。

また、確率的な要素のあるゲームだとどうなるのか、
将棋や囲碁のような完全情報ゲームではない場合は、など、

考えてみたい状況は色々ありますね。


こんな風に、自分の専門分野でないと、自ら導き出した結論に十分な自信を持ちきれないのは、仕方のないことで、見聞を広めつつ、自分を高めて行きたいところです。

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