「お問い合わせ数値の予測表」を作ってみた&作ってみて気づいたこと

はじめまして。野中です。
気がつけば、カスタマサポート(以下CS)やカスタマーエクスペリエンス(以下CX)の部署で働き始めて4年がたちました。

今年だけで2回転職し、複数の企業で「問い合わせの予測表」を作る機会がありました。

分析や統計学などを学んだわけではない僕が、手探りの状態で
「過去の数値を元にした、お問い合わせ予測表」を作ってみたのですが
「雑でもいいから、早く作った方がいい!」
(精度はあとからあげていけるし、作る過程で見えてくるものもある)と
気づきを得たので、ブログに書きました。

難しいことは出来ていないし、試行錯誤を続けている毎日ですが、同じような状況で困っている方の力に少しでもなれれば幸いです!

※このブログ内の数値やデータは全てサンプルです。

お問い合わせ対応で困ること

CSやCXの部署で働いていて困ることの1つに「お問い合わせ対応にチームの工数をどのくらい確保すればいいんだっけ?」という悩みがあるかと思います。

また、「原因はわからないけど、問い合わせがいつもより多かった(少なかった)!」ということもあります。

お問い合わせ対応はCSやCX部署のメイン業務の1つですが、他にも様々なタスクやMTGなどがあるかと思います。
お問い合わせの予測数値があれば、工数の確保の判断材料にしたり、問い合わせ数が変動した原因を推測することが出来ます。


お問い合わせの数が変動する要素

そもそも、扱っているサービスにより、お問い合わせの状況は全然違います。
例えば、お問い合わせ数に関わる要素は以下のようなものが考えられます。

・暦(平日、土日祝日など)
・天気
・新サービスのリリースやイベントの開催など
・料金支払いの期日
・不具合やトラブル
・そもそも、サービスを利用している人数

などなど、いろんなサービスで共通する部分や、そうでない部分もあります。


お問い合わせ数値が予測できたら何が良いの?

日々の業務設計に関わるので、お問い合わせ数や、お問い合わせ予測の数値はとても重要です。

翌週や数ヶ月先、1年先などのお問い合わせ数を可視化できると、部署内でのリソース確保や、今後の採用の根拠の1つにすることが出来ます。

また、お問い合わせ予測表と「実際の数値とのズレ」を計測し、原因の仮設や検証を繰り返していくことで、「あなたがいる部署でのお問い合わせ予測」の精度をあげていくことが可能です!

さらに、不具合などのトラブル発生時のデータも蓄えていくことで、「仮にトラブルが起きた際の指標」も得ることが出来ます!

さまざまなメリットがあると思い、お問い合わせ予測表の作成とりかかりました。

お問い合わせ予測表を作った時の流れ

以下の流れで作成しました。

①過去のお問い合わせ数値を集める
②お問い合わせの傾向を読み取る
③問い合わせ数の推移を確認
④推移や傾向を元に予測表の作成
⑤実際の問い合わせ数と比較して精度をあげていく

①過去のお問い合わせ数値を集める

まずは大元となるデータ(過去の「日毎の問い合わせ数」)集めました。

お問い合わせの手法(電話、メール、チャットなど)やデータの蓄積方法は会社によって異なるため、必要に応じてエンジニアさんや他部署の力を借りることも多いかもしれません。

②お問い合わせの傾向を読み取る

前述の通り、お問い合わせ数の傾向は、提供しているサービスによって様々です。
そのため、ご自身の所属部署の特徴を過去の数値から読み取ります。

日毎の問い合わせ数のサンプルを用意しました。
例えば、以下のような問い合わせ数だったとします。

画像1

サンプルデータのため極端に作っていますが、上記の画像から予想できることは

・土日は問い合わせが多い
・月曜日は問い合わせが少ない

ことです。

この部署では、「曜日」がお問い合わせ数に影響していそうです。

このように、ご自身の部署の場合の「問い合わせ数に影響している要素」をまずは探します。
※最終的に予測表を作る時に活用します。

③問い合わせ数の推移を確認

過去2年分のサンプルデータを作成し、月毎に集計してみました。
年単位で問い合わせ数の推移を見てみます。

2019年と2020年では「105%」ほど問い合わせが増えています。
お問い合わせは増加傾向のようです。
月毎で見ると増加率はまばらですね。

画像2

仮に、同じ増加率で問い合わせが増えるとすると、2021年の月毎の問い合わせ予測数値は以下のようになります。

計算式:2021年の予測 = 2020年の問い合わせ数値 × 増加率

画像3

増加率のみで計算した単純な数値ではありますが、1つの基準となりそうな数字が出てきました。

例えば、2021年の1月の実際の問い合わせ数が「2,600件」だったとします。
予測数値だと「2,481件」なので、予測より「2,600件 - 2,481件 = 【119件】」多かったことになります。

ここで、「予測より多かった要因はなんだろう?」と推測をすることが出来ます。

・サービスの利用人数は?例年より増えていた?
・何か新サービスの提供やイベントの開催などはあった?
・その他考えられる要因は?

などなど、推測をしていくことで、問い合わせ予測表の精度を上げれる要素を貯めていくことが出来ます^^

④傾向を元に予測表の作成

問い合わせ予測表を作る過程で、以下がわかりました。

・問い合わせ数は「曜日」に関わっている
③で月毎の問い合わせ予測を作成したのと同じ要領で、試しに「2022年1月」の日ごとの問い合わせ予測を作ってみます。
ここで大事なのが「曜日で合わせる」ことです。

画像4

このサンプルデータの場合、お問い合わせ数は「曜日」に影響を受けることがわかっているので、
「1年前の同じ月、同じ週の同じ曜日に合わせています。

これで日ごとの問い合わせ予測表が完成です!
お疲れ様でした🎉

⑤実際の問い合わせ数と比較して精度をあげていく

作成した問い合わせ予測の値と、実際のお問い合わせ数はズレが生じます。
予測表は作って終わりではなく、実際の数値とのズレを観測し、ズレの原因を推測して精度をあげていきましょう!

予測表の精度があがっていくこと自体や、ズレの原因を推測することで見えてくるものは、あなたの部署にとって、きっと素敵な宝物になるはずです✨

さらに、提供しているサービスの以下のようなデータが、問い合わせ予測の精度を上げるのに役立つかもしれません。
実際の問い合わせ数値との相関関係を出してみと見えてくるものもあるかもしれません。

・日ごと(月ごと)のサービス利用人数
・日ごと(月ごと)の売り上げ


また、今回紹介した方法では、単純な計算で予測数を出しています。
過去の問い合わせ数さえまとめていれば、Excelの「GROWTH」関数を使用して指数回帰曲線による予測数を出すことも可能です。

[GROWTH 関数]
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/growth-%E9%96%A2%E6%95%B0-541a91dc-3d5e-437d-b156-21324e68b80d


いろんな角度から予測数値を作ってみて、実際の数値と近いものを取り入れていくことで、精度はあがっていきます🎊
(僕も試行錯誤している毎日です)

最後に

もともと分析をやっていたり、学問として学んだりしているわけではなかった僕でも、問い合わせ予測表を作ることができました。

「正直、問い合わせの予測なんて難しそうだしよくわからない」って思ってしまっていましたが、「作ってみよう!」まずは動いてみることで問い合わせの傾向や部署の特徴などなど、たくさんの気づきや学びや、普段の業務ではあまり関わらないけど、協力してくれる方との出会いなどがあり、とても良い体験でした✨

もし、所属している部署で過去の数値がまとまっていない状況だったら、過去の数字を日ごと、月ごと、年ごとでまとめるだけでも見えてくることがあると思います!
また、雑でもいいので「予測数値」があると、実際の数値とのズレによる原因の推測が出来るのでオススメです!


読んでいただきありがとうございました!!

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