見出し画像

再確認               ~コレテルノのイベントを経て~

先日素敵なご縁があり、ローマで発案されニューヨークで生まれた「コレテルノ」のフレグランスイベントに参加してきました。

日本には限られた店舗でしか取り扱いのないニッチなブランド。
ロックでパンクでアンティークで独特の世界観のある個性的な印象が、ブランドのコンセプトムービー、パンフレット、パッケージに溢れています。

今回、新作を含めた9種の香りを、バックグラウンドストーリーとともに試香させてもらいました。
率直な感想として、「どの香りも一筋縄ではいかない」。
ブランドイメージから想像はしていましたが、どの香りもその辺の通りすがりで香るような香りではありません。
複雑、かつ脳に海馬にぶっ刺さるような印象です。
2時間ほどのイベントでしたが、新しい世界を覗く貴重な体験をさせていただきました。


コロナ禍前くらいまでは、香水好きモードがかなり高まっていて、調香が複雑で「ひねってんな~」みたいな、人とは被らない香水を選ぶ傾向がありました。
だから、今回のコレテルノの世界観も絶対好きと思っての参加でした。

とても素晴らしい香水たちでしたが、今回のイベントを経て感じたこと、それは、いま私が必要としているのは「複雑」でも「ひねってる」でも「個性的」でもなく、ゲランのシャリマーのようなクラシカルな香りなんだということの再確認でした。


数年前とは自分のおかれている状況が大きく変わったことも要因かもしれません。

コロナ禍で父の認知症が発症し、その介護が自分の生活軸に大きな変化を与えました。
頭で理解してもなかなか気持ちが追いつかず、追いつめられるような不安に襲われることもあります。
そんな足場がグラグラして心の均衡を保つのが難しい時に、自分を取り戻させてくれる香りがシャリマーでした。
パウダリーでいい意味で祖母の鏡台に置いてあったような香り。

いまの私が求めているのは「刺激」ではなく「安息」だということに改めて気づかされました。

シャリマーはけっして穏やかな香りではありませんが、私にとってその魅力的な香りが「安息」に繋がっているのです。
ミレジムシリーズを含め、しばらくは私にとってこの安息の香りを大切にしたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?