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見えないモノがきっとあると思えた「妖怪アパートの幽雅な日常」

2015年にマンガを読んだのがキッカケで、マンガだけでなく原作も一気読みした「妖怪アパートの幽雅な日常」

私には見えないケド、見える人もいる世界があるのだろうなぁと思えてしまった作品でした。

作品紹介
妖怪と幽霊と人間が同居!? 稲葉夕士がひとり暮らしを始めたアパートには、人情味あふれる「クセ者」入居者ばかり! 二畳の板間と六畳の和室、トイレ風呂共同まかない付きで二万五千円! さあ、キミも一緒に住みこもう!

講談社 月刊少年シリウス サイトより

この作品で私が思ったことは【縁】
人であったり、人でなかったり、物であったり
第一話から、縁によって変わってゆく生活

読み進めながら、ワクワク・ドキドキ 楽しい時間でした。

「人の暮らしも、自然の在り方も、妖怪たちの存在も、常に変わり続けていくんだよ」
「苦しみも悲しみも 物事のたった一面にしか過ぎない
君さえその気になれば、いろんなことがもっと普通に見えてくる」

「君の人生は長く、世界は果てしなく広い 肩の力を抜いていこう」

作中 霊能力者龍さんのセリフ


このセリフが、私にとって大袈裟ですが、ストンと私の心の中に入ってきました。
思い返すと、私も「普通はこうでしょう」とか言っています。


普通って何なのでしょう。


主人公 夕士くんが 引っ越した先で幽霊たちが見えることに戸惑いながら、生活の一部になって「普通」になっていきました。

私が思う「普通」は、もしかすると別の方にとっては「普通」ではないのかもしれません。この作品(マンガ・原作)を読んでから、「普通」の使い方を気にするようになりました。

そして、縁を大切にしていきたいなぁと思っています。

生まれて62年、平和に過ごせたこと
多少の挫折は感じたこともありますが、幸せな生活ができていること
自分で決めた人生がおくれていること
母のもとに生まれてきたこと


なんだか大げさなことを書いてしまいましたが、これが素直な感想です。
素敵な作品でした。
作者は、こう言っています。

「妖アパ」は、作者の私にとっても驚きの連続だった。(中略)
これは、作品にまさに「命が宿った」ということであろう

「物語を終えて」の中 香月日輪さん


作者 香月日輪さんの他作品がないか検索している時に、
2014年 既にお亡くなりになっていることを知って残念でなりませんでした。願わくば、もっと作品を読んでいきたかったと思っています。

香月日輪(こうづきひのわ)
和歌山県生まれ。『ワルガキ、幽霊にびびる!』で作家デビュー。『妖怪アパートの幽雅な日常1』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。
ほかの作品に、『大江戸妖怪かわら版』シリーズ(講談社文庫)、『地獄堂霊界通信』シリーズ(講談社ノベルス)、『ファンム・アレース』シリーズ(YA! ENTERTAINMENT)、『下町不思議町物語』(新潮文庫)、『僕とおじいちゃんと魔法の塔』シリーズ(角川文庫)などがある。
漫画化された『妖怪アパートの幽雅な日常』(「シリウス」連載中)、『地獄堂霊界通信』(「good!アフタヌーン」連載中)も大人気作品となっている。
2014年12月19日永眠。

アフタヌーン/good!アフタヌーン 著者紹介 » 香月日輪


何度も読み返している作品をご紹介しました。


#読書の秋2022 #「妖怪アパートの幽雅な日常」

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