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フリクリ オルタナ&プログレ

フリクリというアニメーションを初めて見たのは、新世紀エヴァンゲリオンが社会的なムーブメントになった少し後、ちょうど2000年くらいに、GAINAXの新作が出るとのことで、めちゃくちゃ楽しみにして見た記憶がある。それとともに1話をOVAでレンタルして、そのはちゃめちゃなストーリー展開にぶっ飛んだのもよく覚えている。キャラクターデザインは、王立宇宙軍、ふしぎの海のナディア、そして新世紀エヴァンゲリオンにつづく貞本義行、そして監督は鶴巻和哉。GAINAX作品の魅力にとりつかれていた僕がフリクリに飛びつかないわけがなかったし、案の定この作品の虜になった。

とにかく内容がめちゃくちゃロックなのだ。どうロックなのかというと、わかりやすすぎる説明としては、全編the pillowsの楽曲がかれらのプロモーションビデオなのか!?と思うくらい爆音で流れまくるのだ。そんな最高にイカしたロックが流れるなか、黄色いベスパに乗ったハル子が、ベースギターのリッケンバッカーをぶん回しながら縦横無尽に暴れまくるのだ(笑)

ストーリーについては、明言を避けることにするが、テーマとしては若者がもつ特有のモラトリアムというか、各登場人物が抱える『モヤモヤ』あまずっぱかったり、切なかったり、残酷であったり、、主人公のナオ太や、ヒロインマミ美など、それぞれが抱える問題を、ときに繊細に、それでいて大胆にぶっ壊す、、、、なんとも説明しがたい物語なのだが、、週末思想というか、当たり前の日々があるとき突然終わりを迎えるとして、それに抗うのか、受け入れるのか、救ってくれると思ってたら突然裏切られるのか、、

登場人物のいろいろな想いが交錯しつつ、ラブコメあり、ロボアクションあり、なんだかよくわからないSF要素もあったりで、ほんとうにはちゃめちゃなアニメーションなのだ。でもとにかくかっこいい。フィーリングがあったら見ていて震えだすほどにかっこいいし、斬新な演出もてんこ盛りで、ロックとアニメーションがここまで融合した作品はほかになく、間違いなく名作である。

そんな前作から20年弱たった今年、完全新作となる「フリクリ オルタナ」と「フリクリ プログレ」が公開になるときいて、興奮がおさまらなかった。名作は何年たっても名作のまま、そして完全なニューストーリーとなって生まれ変わった作品が、2作も一気に上映になるなんて!!!これはフリクリファンとしては1大事件で、早速両方の作品を劇場にて体感してきた。

フリクリ オルタナは、主人公に女子高生のグループ4人を置き、彼女たちが日常に抱えるさまざまな葛藤を表面化しつつ、またもや謎の女性ハル子がそこにからんでいくというもので、前作とのつながりはなく、独立した1本の映画として楽しめるものとなっていた。が、そこはまぎれもなくフリクリで、映画館で興奮とアドレナリンがとまらなくなった!最高!最高だぜほんと!!現代風にリメイクってわけでもなく、ほんとうに前作を見たときの衝動がそのまま詰め込まれていました。

そしてプログレ。こちらについてもまた登場人物は一新。こちらのほうはオルタナよりも実験的なテイストが強くでていたきがする。そして、ちらっとだけだが、前作フリクリにつながるような要素もでてきていた。どちらの作品も、the Pillowsがガンガンに流れ、スクリーン狭しとハル子があばれまくる。おじさんになった僕だが、フリクリをフィーリングでまだ楽しめるというのは、ある意味感性が鈍ってなくてよかったなと感じることができた。(大人になっていないともいう)

だらだら書いてきたが、作品のネタバレを考えるとほぼ内容のないレビューになっているきがするが、とにかくとても素晴らしい作品なので、興味があったらフリクリという作品にふれてみるのをお勧めしたい。見終わった後、心がムズムズして、ギターを掻き鳴らしたくなる。そんな作品です。

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