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OTOMAD TRIBUTEに参加してました

こんにちは。のむらです。

この記事は、先日投稿された『OTOMAD TRIBUTE』の #05 ホモのゴローリィ64 ボス戦 についての記事となります。

見てない人は、とりあえず見よう!

『ホモのゴローリィ64 ボス戦』 について

2009年に、ytrewq氏が制作した作品です。原曲のいじり方、動画の動かし方、ネタの散りばめ方が軽快でめちゃくちゃ面白いです。これも見てない人は見よう!

あらすじ

 てんやわんやの室内でテレビをつけるはかせ。チャンネルはNHK教育放送が映し出されていた。
 画面には「違う違う違う!」と叫ぶワクワクさん。何が違うかわからないが、気づけばゴロリはワクワクさんに近づきオス同士の交尾を実行。教育テレビとは一体なんなのかを視聴者に問う。
 卓球少女の女装をしたワクワクさんが「さぁ!」という掛け声の後、「こうすると…!」と連呼をし、お得意の工作を始める。人前で工作をするのがとても興奮したせいか「なんかお尻だね」とつぶやく。するとゴロリが異変に気付きワクワクさんの様子をうかがう。
 その後も子どもたちの前で”工作ショー”は続けられる。「このままじゃカッコ悪い」「もうちょっとカッコよくしたい」と自身の工作魂に火が付く。「さぁこうすると…!」と渾身の工作を見せようとしたその瞬間、ゴロリがワクワクさんの元に近づき合体…!「よいしょ!! ア"ー"ッ"!!」その声を最後に彼らは日本から姿を消してしまった…。
 気づけば彼らは、北米、南米、欧州、エジプト、インド、豪州、香港と世界を一周。世界が舞台であろうと彼らの空間には関係ない。ただひたすら腰を振り続ける。世界を一周したかと思えば、何やら物騒な発射台に彼らがいた。カウントダウンの合図が鳴り、「発射~ッ!!」の声とともに彼らは宇宙へと飛び立った。
 宇宙に漂うメガネと獣。それでも腰を振り続ける。しかし子どもにはどういう状況であれ好奇心は沸く。「ママー?あれナニやってんのー?」と親に問う幼女。答えは彼らにしかわからない。地球から距離が離れ、彼らは地球とは違う地で腰を振り続けていた。それで幸せならいいと誰もが思ったその矢先、急に月が彼らに衝突。大砲が出現し、そこにはナチスドイツの旗がたてられていた。無情にも腰を振り続ける2人は、母なる大地地球へと帰ることとなる…。

シーンごとの解説

あらすじいる?って思った人。僕も思います。
それはさておき、ここから真面目に解説します。以降の時間表記は、合作全体の再生時間となります。悪しからず。

■映像ソフト:Aviutl(仕上げ)、Vegas(オフライン)、Ae(合成・切り抜き)
■音系ソフト:REAPER
■画像ソフト:Photoshop(切り抜き)

【1:52-1:57|チャンネル切り替わりゴロリパートへ】

 元作品の動画の動かし方をそのまま再現しました。リスペクトの意味も込めて最初はあえて余計な脚色はしないようにしました。ただ元作品が4:3なので、時代が変わって16:9へと申し訳程度のリメイク要素を入れています。
 右上のEテレのロゴは気づいたら挿入してありました。NHKですもんね。あ、視聴した方は来月受信料いただきますので何卒。
 最初の「ピコーン」の音は、自分が2016年に作った「How do you like mermaid girl?」のOPを挿入したところから着想を得ました。

【1:57|さぁ!! リメイクするぞ!リメイクするぞ!リメイクするぞ!】

 「さぁ!!」って言ってるから卓球ネタ入れたろってことで、アニメ『卓球少女』のキャラクターをコラージュしました。ちなみに、まったく見たことないです。
 自分のパートの前半は、タイポグラフィらしさの編集になるので、一気にポップにするためにこの画をシーンチェンジとして作成しました。色合いも、原宿系なマゼンタとシアンを中心とした色合いに仕上げました。
 ★と一緒に空間を漂っている文房具類などは、この番組のOPで出てくる絵を切り抜き採用しました。「NHK素材は削除されちゃうからやめてね」と運営に釘を刺されていましたが、どうせなら少しだけ要素を入れたいと思い忍ばせておきました。

【1:57-2:03|こうすると…!(動画制作)】

 「こうすると!こうすると!」3連発は、タイポグラフィな編集に仕上げました。
 1枚目→2枚目→3枚目を通じて要素をあえて少なくしています。観客がいなくなり、舞台も消えることによって2人だけの空間を再現したつもりです。
 ここらへんは『2段・3段脚立_月』で学んだ、"ポスターのデザインを映像化" この技法をふんだんに取り入れました。前回と違う点は、参考にした資料・引用元です。Pinterestでいい感じのデザインを探しまくって、デザイン本を読み漁った記憶があります。

 ここらへんは、ソ連のプロパガンダポスターを参考にしました。ナチスの伏線になってるかわかりませんが。ちなみにここのソ連語の意味は「熱い」です。ホットから来てるんだと思います(Google翻訳)。

 ここもタイポグラフィ。有効利用が出来るシリーズを流用。

【2:03-2:08|もうちょっとカッコよくしたい…(リメイク)】

 ここのゴロリの一連の動きは、Aeのマスクで切り抜きました。

 あえて後ろの動画の色調をくすませることで、手前のテキストのカラーが前に出るようにしています。
 左右のゴロリは『相席食堂』の「ちょっと待てぃ!!」です。

 ストリートファイターのKOっぽいですよね。

【2:03-2:17|ゴロリくん…!~今だから見たい世界の様子~】

 こんなご時世だからこそ旅行に行った感覚になってほしいという意味を込めて制作しました。嘘です。


 ここらへんの背景はGoogle Studioで動画を書き出したものを、Aeでこの場合、自由の女神像をAeのコンテンツに応じるで抹消し、トラッキングで交尾中の2人を合成しました。

 元作品にも出てきた幼女も固く見守ります。
 対象物が近い場合は、Google Studioでは限界があるので、Youtubeで英語検索すればいい感じの素材が転がっているので、適当にマスクやトラッキングをして、色調とブラーなんかでごまかせば大体うまくいきます。

 色調も結構凝ったシーンでもあります。これは完全に好みだと思いますが、全体の統一感を出すためには1カットずつ色調補正をかけた方が全体のムラがなく仕上がるので重要な行程です。
 素材を配置したレイヤーの上に、フレームバッファ(調整レイヤー)を何枚か入れて、グラデーションで適当にいい感じにしてオーバレイかスクリーン合成をすれば画に味が出ておすすめです。

 香港はやっぱりネオン感を出したい!ってことで夜にしました。ネオン感が出るようにほかの国のカットとは異なった色調補正を行いました。特にコントラストを強くかけて、白にグローなんかかけるとよりいい感じになると思います。
 ここのタクシーの切り抜きは地味にめんどくさかったです。
 あっ。後ろの月は伏線です。

【2:18-2:19|ついに宇宙へ発射】

 テベ・コンヒーロの『コウメ太夫で笑ったら即引退SP』からパクりました。どうしてもサムネである右の4窓のシーンを使いたかったので、ワイプにぶち込みました。
 コメントで笑ってる人がいたのでおそらく削除されます。単三型さんごめんなさい。

【2:20-2:28|子どもはまだわからなくていいこともあるのよ】

 ここらへんも、図形グラデーション・フレームバッファでスクリーンやらオーバレイやら合成しまくってます。めちゃくちゃ重かったです。
 2018年カビキラー合作・脚立MADなど、度々宇宙を登場させるのが自分のお家ゲイなのですが、今回はより宇宙っぽさを出したかったので背景の銀河の作成には力を入れました。
 元は背景図形にノイズをグラデーションやグローなんかをかけて、それを何枚も重ねたものになります。特に難しかったのは配色でした。少しでも色が違うと宇宙っぽさがなくなってしまうので、全体を俯瞰してカラーコレクションしていくことを入念に行いました。
 また背景の惑星やビル群、道路などのオブジェクトをむらなく全体に統一感を出すために、実写の合成も入念にチェックしていきました。3枚続けてみるとわかるんですが、あえてコントラストを徐々に強くしています。これは次のナチスのパートが白黒になるため、カラーメインの僕のパートから自然と映像の質感を継承するために行いました。

 元作品にも出てきた「ゲイはいいから♂」は、ここのバックコーラスでぶち込みました。昨今のLGBTのレインボーフラッグをゴロリに持たせ、ワクワクさんがゴロリの腕を挙げさせる動作にさせました。ゲイもレズもいいから。

【2:28|地球へと発射】

 ナチおじが地球に指を差し、ゴロリとワクワクさんは無情にも地球へ強制帰還させられます。
 世界規模という文脈のつなぎをここではやっています。ナチスも月に行くぐらいの技術力があったと思うので、もし枢軸国が戦勝していたらこの世界戦があったのかもしれません。

振り返って

 キッカケがありお誘いを受けたのが2019年の12月でした。僕に誘うぐらいなんだから大した合作じゃねーだろうなぁと思ってDiscordのサーバーに入りメンツを見たら目がなくなりました
 っていうぐらい度肝を抜かれました。2011年から活動してるにも関わらず、摩天楼合作や音MDMなど大規模イベントにかかわることなくコソコソやっていたところ、脚立MADを上げて10選につるし上げられたせいで指名手配されてしまったのです。とりあえず誘われたからには全力を尽くそうと思っていましたが、上がる進捗を見るたびに自分の臓器が一つずつクール便で強制配送されていく思いでした。
 ただ周りの方々の「良いものを作ろう」という思いがひしひしとLANケーブルから伝わって、Amazonから自分の臓器が返品されてきて自分も負けてらんないと躍起になっていきました。
 脚立MADでようやく音MAD作者としてのカッコが付いて、このような超大規模な合作に呼ばれ、自分のしたいことを数十秒に詰め込めることができました。
 僕にとって、この合作に携わることができて本当に感謝しきれません。運営のみなさん、参加者のみなさん、視聴者のみなさん、そして元動画を制作したytrewqさん、本当にありがとうございました。
 またみなさん月を見かけたときにこの合作を思い出していただけると幸いです。

おまけ


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