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音MAD作者格付けチェック 2021 備忘録

 みなさんこんにちは。音MAD作者の埜村武です。

 この記事は、2021年1月2日(土)にニコニコ生放送にて放送した『音MAD作者格付けチェック 2021年お正月スペシャル』についてまとめたものになります。


もくじ


 1. 企画立案まで(2020年7月)…企画を実施するに至ったキッカケや音MADイベントについて述べています

 2. 企画立案から制作まで(2020年8月〜12月)…制作・出演のオファーや放送で流れた作品について述べています

 3. リハーサルから放送まで(2020年12月〜2021年1月)…リハーサルを実施して主催の焦りを述べています

 4. 放送を振り返ってみて(2021年1月)…反省と今後について述べています

 5. 最後に…締めの挨拶


【1:企画立案まで|2020年7月】


 2009年ごろからTwitterや2chあたりで毎度正月になると「音MADに関する格付けチェック」をつぶやく人をちらほら見かけて、これ生放送で企画にすると面白そうだなぁと心の中で考えていました。
 企画立案まで自分が放送することは全く考えていなかったのですが、10年もの間毎年誰かが発言するのに企画にならないのは何かもったいないなぁと感じていました。

 企画立案のキッカケになったのが、2020年5月に実施した『あらびき音MAD』という前衛的な音MAD作品を生放送でみんなと一緒に見ようという企画でした。私事ながら、初めて大規模な企画を実施し生放送で音MADを同じ時間軸で見る「LIVE感」の凄さを改めて痛感した企画でもありました。
 2016年ごろより『音MAD対抗戦』や『音MADLIVE』が注目されたことで、音MADを生放送で見るということが、アップロードされた動画で見ることに付加価値を提供していることは、界隈全体にも浸透してきているのではないかと考えていました。特に2018年の『音MDM』の影響力はすさまじく、それ以降派生企画が多数生まれ、より界隈での音MADの『LIVE感』が普及していると感じていました。

 ここで『格付けチェック』の話に戻りますが、『あらびき』で味わった音MADのLIVE感をもう1度提供したいという思いが強くありました。そこで格付けチェックというプロットに音MADという要素を落とし込めばうまくいきそうだな頭の中で思い描いていました。
 上記の想いに加えて、企画立案の要因として3点をあげようと思います。


 1点目は「クイズ形式+生放送による視聴者参加型の実現」です。テレビ番組がほとんどクイズ番組になっているのは、テレビはその時間のそのチャンネルを付けないと見れないという制約を持っています(違法アップロードは除くとして)。昨今ではTVerやHuluなどYoutubeと同じように映像のアーカイブを利用することで、見ている人の時間軸・環境が違えど好きな時間に好きな番組を視聴できてしまいます。なのでバラエティやドラマなどはその放送時間に見なくとも、昔ほどそれを見ないと学校や職場の話題についていけないという影響力が少なく、アーカイブを視聴する方法の方が都合がいい時代になっています。これが結果的にテレビ離れの大きな要因の1つになっていると個人的には考えています。それに対して先程のクイズ形式では、先ほど述べた時間の制約を有効利用し、その時間・環境で見ないと楽しめない構成になっています。後でアーカイブで見るよりは、答えは何だろうというテレビ越しとの「LIVE感」が知らず知らずのうちに発生し、現在のクイズ番組の人気の秘訣になっていると考えています。
 ここで音MADの話に戻りますが、音MADは以前より"動画サイトにアップロードされた動画を視聴する"というのが主流です。視聴者は、時間軸・環境がバラバラの状態で同じコンテンツを摂取しています。なので、視聴者がコメントやタグ付け、Twitterなどに共有する際は、無意識的に過去の情報と照合して実行に移す仕組みになっていると思います。生放送ではどちらかというと情報元が自分の頭からである割合が比較して高いので、そこからコメントをするということは本能的な発言に近いこと(また時間軸も今に近いもの)だと考えています。ましては答えがわからないクイズではそれが顕著に現れ、動画視聴より全く違った形で音MADを楽しめると考えています。この動画と生放送の参加方法の違いに加えて、生放送のクイズ形式は出演者も視聴者も気軽に参加でき時間軸を上手く活用できる点が企画立案につながったと振り返ります。


 2点目は「過去の音MADイベントとは違った方向性を提供する」です。上記の企画を代表として、昨今の音MAD界隈は生放送をベースとしたイベントが多くされている印象です。その要因として界隈に携わる人口が増えたことに加えて新たな人口が流入していることが大きいと思います。音MAD界隈に入った当初からイベントがあるものだと認識している人は多く、それを無視している人は少数になっている現状があります。事実、音MDMの派生企画や音MADの特集放送をすると人が集まってくるのは、そのイベントに対しての抵抗感やハードルがほとんどない考えてもいいでしょう。加えて、放送ツール(OBSやDiscordなど)の発達やニコニコ生放送の仕様が昔より大きく変わったことにより、より放送しやすい環境になっています。この提供側と視聴者側の両者の点でイベントを実現しやすい環境になっていると考えています。
 イベントの人口が増えるに従って、やはり企画の被りというのはどうしても出てきてしまいます。最初はイベントという看板だけで目新しさがあり、集客も容易ではありましたが、大衆の目も肥えだすと二番煎じと捉えられ中々人が集まりにくい状態になってしまいます。そうなると、集まる人が内輪のような形になりイベントとしての意義がなくなってしまう気がしました(場合によりますが)。
 この「内輪感」は絶対に出したくないと考えて、上記のような二番煎じは避けるべく過去のイベントには無いような斬新な企画をしようという導線になりました。ここで上がったのが「格付けチェック」ということになります。
 出演者も視聴者も能動的に参加が可能で、新旧の作品も扱える。かつ今までに誰も見たことのないという点でこの企画しかないっと思いえ走らせていただきました。



 3点目は「コンテンツを消費することから再利用する流れを作る」です。音MADのみならず、ネットミームやネット発のコンテンツは基本的に流行り廃りが早い印象があります。音MAD界隈も流行り廃りはとても早く、一週間もすれば次のシリーズが流行って前のシリーズがもう過去のものになってしまっていることも少なくありません。話題が絶えないという点では視聴者からすればありがたい話なのですが、制作者からすれば作品を制作するのも当然時間と労力がかかります。投稿されて日の目を浴びたと思ったら話題はもう次のコンテンツに移っているというのは制作者としては少し寂しいものがあります。せっかくであれば作ったコンテンツは投稿されて終わり、てはなくまた時間が経ったときに見てみると違った見方ができる再利用の楽しさをみなさんで共有する場があればいいなと思っていました。「音MAD作者が選ぶ音MAD10選」はその最たる例で、その年度の音MADを振り返り、またその影響によって派生動画やリスペクトなんかも生まれることがあります。また「超音MAD晒しイベントー過去編」では過去の作品を改めて生放送で視聴することによって当時では見つからなかった再発見をすることができます。
 今回の格付けでは、その過去のコンテンツを出題という形式で取り入れ、またクイズというプロットから視聴者のインプットが直接企画を楽しめる目的にしました。過去の一つのコンテンツをコメントで振り返ると同時に、クイズというフィルターがかかることで、視聴者・出演者の意見と照合や新たな知見を見出すキッカケ作りを狙っていきました。特に印象的だったのが「世界のトオノ」の出題の際、あのコメントの流れが2021年でも見れたことに少し感動を覚えました。これが知らない人からすれば新たな文化との出会いであり、放送によって過去を知る人との時間の共有ができる機会だったと振り返っています。
 今回は、出題という中で過去のコンテンツを(勝手に)引っ張り出し改めてそれを楽しみました。生放送のみならず、動画・イベント・ランキングなど手法は多岐に渡ると思います。その中で多くの人を集め、過去のコンテンツを消費するのではなく再評価する流れがもっとできれば音MADの文化としてより良いものになると信じています。


 以上の「クイズ形式+生放送による視聴者参加型の実現」、「過去の音MADイベントとは違った方向性を提供する」、「コンテンツを消費することから再利用する流れを作る」の3点を理念として企画立案につなげることになりました。



【2:企画立案から制作まで|2020年8月〜12月】

 1章で述べた理念の元に企画を立てるのですが、前回の「あらびき音MAD」では運営を全て自分一人でやって放送をミスってしまったので、その反省からまずは運営になっていただける作者を探すことにしました。

 今回、なぽりさん・さくれいさん・マルマインさんに運営として参加していただきました。こちらの3名がいなければこの企画は成立しなかったぐらい貢献していただきました。本当に感謝しきれないぐらいの思いです。
 実は、こういった企画においてどうしても否定的な意見を持つ人がいると考えていました。運営参加の交渉は初めて自分以外の方に情報を伝えるということもあり、交渉にとても緊張した覚えがあります(また私がこういった経験がほとんど初めてでした)。ところがどっこい、3名の方はとても好意的に捉えていただき快諾してもらいました。企画会議の際も、ご提案を積極的にしていただき企画がより良いものになることワクワクした記憶があります。


 企画会議で最も注意したのが、「不正解の作品を悪い作品という印象を与える」ことでした。片方のじゃない方が作品として格下であるという意図は絶対に持たせたくありませんでした。実は出題の「183」はなぽりさんがご提案していただきました。色々案が出たのですが、上記の理由からいろいろとボツになってしまった案があります。会議が行き詰まりそうな空気を一気に変えたお題が「183」でした。今回、BaN長さんに依頼したのですが、日の目を見ることがなくなる183をサルベージすると同時に新作も楽しめる。加えて、次回にも出題として出せる。また、それぞれの作品が悪いという印象を与えない。など、なぽりさんのおかげで名案が生まれた瞬間でした。放送でもこの出題に関しては成功だったのではと思います。


 会議では、出演者を誰にするかも決めていきました。4名の枠を決める際できるだけジャンルが被らず、また内輪感をできるだけ出さない構成にするという方向でオファーをしました。
 零さんは10選を中心に生放送の出演経験もあり、言わずもがな有名な作品を多数あるということでオファーをしました。リハーサルや放送でも積極的に発言をして盛り上げていただき、当初私が精神的にも追い詰められていたのが勝手ながらすこし穏やかになった記憶があります。
 ボトルさんは、生放送の経験が豊富で、かつ他の作者にはない持ち味があるという点でオファーを決定しました。リハーサルでは積極的に企画についてのご提案をしていただきました。ボトルさんのおかげで直前の台本がよりよいものになりました。
 絶望さんは、音に強い作者を探していた点と生放送でも積極的に話せることがプラスしてオファーをしました。放送でも解説を交えた回答をしていただき、企画のコクがより増しとても貢献していただいたと思います。
 灰色マテリアルさんは、あえて生放送であまり見ない作者をオファーしてみようというところで交渉をしました。最初はダメ元でお願いしたのですが、快諾していただいたので少し驚いた覚えがあります。放送でも全問正解という快挙を叩き出し、「灰マテ様」と言われるぐらい放送の盛り上がりに貢献していただきました。
 この4名は、振り返ると絶妙なキャスティングだったのではないかと自負をしております。それぞれの良さが出て結果的に放送上のキャラクターも発揮されていたと思います。


 実は他の方にもオファーをしたのですが、声を出せる環境ではない、スケジュールが合わないなどやむを得なく交渉を断念した作者もいます。企画が作者を格付けをするという残酷な内容なので、逆に上記の4名が出演を快諾していただいのは頭が上がらない思いです。
 次の放送をやる際には、上記のような方向性は持続し新人作者やリベンジ枠、チーム戦など多様な出演陣を実現できればいいなと考えています。


 会議では出演者の他に、出題作品の制作オファーも考えました。


 『松岡修造』パートでは、ぜひ松岡修造のMAD作者として著名な方にお願いしたかったところもあり、すぐにたいうおさんの名前が上がりました。ただ一つ大きな問題点がありました。たいうおさんは、松岡修造誕生祭の合作の主催を担当されていますか。多忙であることから断られるのではないかと運営陣は懸念をしていました。ダメ元で交渉したらまさかの快諾。加えてとても好意的に企画に参加していただきました。しかし、制作に取り掛かったのも誕生祭が終わってすぐの11月だったので、本当に短い期間であそこまでのクオリティを実現していただきました。いやぁ本当にすごい。また素材としてこにわさんの映像も使用の許諾をいただきました。本当にありがとうございます。

 『183』パートでは、BaN長さんにお願いしました。もちろんこういう制作は初めてだったらしく、試行錯誤されたみたいですが作品に対してこちらからの要望はほとんど皆無でした。実はBaN長さんにも183あったにはあったんですが、全て尺が未完成の状態でした。なので今回出題に出したものは183を企画用に微修正を加えたものになりました。初めて作品をみた際には、こんなの自分だけ見ていいのかと少し罪を背負った気持ちになりました(音MAD作者として前科はあるのですが…)。

 制作依頼が7つの出題に対して、2つだけだったのは今思えば少なかったと後悔しています。次回やる際にはすべての出題をその方向に長けた作者に依頼するとより企画の面白さが増すと思っています。ちなみに残りの5つに関しては、年末年始急ピッチで私が作成したものになります。年末年始は大阪のほうにぃ…、実家があるのですがネット環境が無く毎回作業する際には近くのマックに行ってWi-Fiをつなげて行っていました。

 主題のカテゴリに関しては、バランスのいい構成だったのかなと自負しています。それだけ音MADが多岐に渡るコンテンツであることを企画を通して実感しました。本企画の放送後、反省会の生放送を実施した際には出題提案のコメントが多く流れていたので、まだまだ出題のネタには困らなさそうだなと感じました。放送前では運営陣はネタが尽きることを危惧していました。毎回出題を考えるので苦労をすることを予想していたのですが、反応を見た限りではネタがあり溢れてそうで予想と違ういい意味で裏切られました。


 ロゴ制作に関しては、nkzさんに依頼しました。nkzさんには厚かましくラフ案を3案ご提出してもらうようお願いしました。1案は元の番組にロゴを模したデザイン、残りの2案は元番組の高貴な雰囲気を残しつつ音MADらしいスタイリッシュさを取り込むという方向で制作していただきました。結果的に運営が満場一致で、後者の1案を採用させていただきました。残りの案もよかったのは確かだったのですが、上記の目的のバランスが絶妙であったため採用の形になったと考えています。
 nkzさんも積極的にロゴの進捗をご連絡していただきました。ラフ案の時点でこれでいいんじゃないかと思ってたのですが、より期日までブラッシュアップを繰り返す姿を見て、そのこだわりに関心せざるを得ない所存です。
 ロゴは今企画の顔になる重要な位置だと考えていました。なので、運営の制作としてもロゴのイメージを念頭に置きながら脚色していきました。スライドのデザインやTPなどもロゴのデザインや色調を参考にしながら整えていきました。


 オファー、制作に関しては大方決まったところで、運営陣の制作も決めることになりました。告知動画はなぽりさん、オープニングはさくれいさん、CM前のアイキャッチ動画をマルマインさん、そしてそれ以外のほとんどを主催の埜村が担当しました。


 告知動画についてですが、12月のリハーサルの後の運営会議の際、さくれいさんが10選のゲストとして出演すること伺いました。そしてさくれいさんが「10選運営に告知を流せるかお願いしてみましょうか?」とご提案したので、全乗っかりでお願いしました。  
 運営の方々に承諾をありがたく得られたのですが、実は完成が上がったのが大晦日でした。本当にギリギリだったのですが、当時台本やVTRで追われていた私は正直それどころではない状態でした。また10選運営とのやりとりはさくれいさんに投げっぱなしの状態で、放送後にやっとその礼を直接私から伝えてしまいました。主催として申し分ないことをしたと猛省しております。
 なぽりさんも他のタスクを抱えていたらしく、その時間の合間を縫って告知動画を制作していただきました。なぽりさんに対して不安を抱えたのは1ミリもありませんでした。いい意味でも悪い意味でも放送までに動画を完成させてくれるだろうと勝手ながら信じていました。主催としてはもう少し期日を促したりするべきだったのですが…。
 結果的に放送直前に告知を流したことによって、多くの人が視聴していただいたと思っています。また、10選から合作晒しへのイベントとしとバトンパスができたら幸いです。

 オープニングについては、告知・アイキャッチもそうですがこちらから楽曲を指定しました。さくれいさんが作るということで何も心配することはなかったのですが、案の定完璧な作品に仕上げてきたので指摘するところはほとんどありませんでした。序盤のシーンで10選の上位動画を挿入しようご提案されたのもさくれいさんでした。なので、10選放送直後まで制作に取り掛かるというギリギリの状態でお願いしました。最後に脚立のおばさんについては入れてくれと圧力はかけていないのであしからず。

 アイキャッチについては、平成10選のアイキャッチがアニメで統一されていたので格付けではバラエティで統一することになりました。いいとも、オールスター感謝祭はすぐに決まったのですが、最後のDAISUKIについては案が難産でした。バラエティのアイキャッチが思ったより思いつかなかったの大きな要因でした。曲(?)はこちらから提案したのですが、構成についてはマルマインさんに全ておまかせしてちょっとした微調整は指摘させていただきました。初めて進捗が帰ってきた際は、朝の通勤中に見てしまったので笑いを堪えるのでいっぱいでした。


 スライドやTP、選曲、スプレッドシート、残りの出題動画など上記に含まれない項目は主催が全てやりました。正直もっと仕事を割り振ったり人員を増やすべきだったと後悔しています。

 
 スライドとTPは全てPhotoshopで作成しました。ほとんどは書き出したpngファイルをOBSに打ち込んでいたのですが、出演者の回答によって変化する出演者席やランク表などは書き出さずpsd形式をそのままOBSに入れました。Photoshop側でレイヤーのミュートを駆使して上書き保存することで、自動で反映できるのでわざわざ回答のパターン分を書き出すという地獄のうよな行程は免れました…。
 選曲に関しても完全に独断と偏見でこちらで選びました。音MADのスタイリッシュさを出したかったので音ゲーチックなアレンジ曲を国籍を選ばず探しました。以下に曲リストがありますので、ぜひ覗いてみてください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1OFkVQy4NhiN8mQ6vEF7r5Ly7KZiIEivSa5fMUNDL7G0/edit?usp=drivesdk



【3:リハーサルから放送へ|2020年12月〜2021年1月】

 1回目のリハーサルは運営のみで行いました。しかし実際には大まかな流れと出題は何をするのかの簡単な説明ぐらいでした。また、台本の完成度が30%の状態だったので完璧とは程遠いリハーサルでした。

 2回目は出演者を含めたリハーサルを行いました。実際にテスト放送をしながら、台本もそれなりに準備をしてきたのですがいざやってみるとボロボロ不備が出てきました。ボトルさんを中心に「ここはどうなってるんですか」と色々ご指摘をしていただいたおかげで、自分も気づかなかった点が多く出てきたリハーサルでもありました。
 リハーサルで出てきた情報をまとめて放送に向けての準備を改めて急ピッチで行うことになりました。

 12月末はほとんど台本の修正に追われていました。ビックリするぐらい準備ができていなかったのです。前代未聞の企画に加えてろくに合作やイベントの主催経験がほとんどなかったので、どういう台本に仕上げるべきか見えていませんでした。リハーサルでのご指摘があったおかげで修正を加えることができましたが、今思えばもう少し早めにリハーサルを実施して、台本修正に多くの時間を割くべきだったと反省しています。


 本番を迎えた、2021年1月2日(土)。直前までOBSの設定やスライドの確認を終え放送をしようかという状態でした。当日直前のリハーサルをする予定で放送の3時間前に実施しましたが、肝心の回線状況や放送上の音声バランス、映像が流れているかのテスト放送をせずに本番に移ってしまいました。ここが本番の不具合連発の最大の要因であると猛省しています。準備がギリギリで完了したのに満足してしまい、その勢いでリハーサルをしっかりせずとも放送できるであろうという根拠の無い自信を持っていました。

 「なんでそんなリスクのあることをしたの?」と今書いている自分でさえ思うのですが、当時の自分には"余裕"がありませんでした。出演者や制作者の交渉のやりとりや台本、スライド作成など運営の業務をほとんど自分が背負ってしまったので、周りを俯瞰する余地がなく結果的に放送事故に繋がったと考えています。せっかく運営として参加していただいた3名についても、とても申し訳ないことをしたと思っています。もう少し業務を配分してよりチームで作る企画にすればよりいいものができたのではないかと思っています。


 放送の内容についてはアーカイブをご覧頂いたほうがいいと思うので、ここでは割愛させていただきます(後日リンクを貼ります)。



【4:放送を振り返って|2021年1月】

 今企画の3つの理念「クイズ形式+生放送による視聴者参加型の実現」、「過去の音MADイベントとは違った方向性を提供する」、「コンテンツを消費することから再利用する流れを作る」を振り返ってみて、1点目と2点目は達成できたと思っています。3つ目の「コンテンツを消費する→再利用」についてはこの放送の影響はそこまで無いのかなと感じています。ただこの企画に興味を持った人やこれを読んでいる人がこの理念を汲み取って今後の活動に取り入れていただければ幸いです。

 
 放送が終わって「やってしまった」という感情が1週間ほど離れませんでした。この「やってしまった」は「とんでもない大きな企画をやってしまった」という意味と「放送事故をやってしまった」という2つの意味です。この「やってしまった」はこの企画を1回限りでは終われない、ある意味「呪縛」であると感じています。

 今回の反省点を克服できれば、より良い企画になると自負しております。あんなに放送事故があったにも関わらず放送後のアンケートで、「とてもよかった」が90%を超えていたのは少し意外でした。それほど、企画や放送上で流れた作品、出演者が放送事故をかき消す程好評であったのかなと考えています。残りの10%については全て自分の責任です。個人的には次はリベンジの放送として、この10%が埋まるようにぜひ実施したいと考えています。放送後の反応を見る限り、ありがたいことに作り手側として参加したいと仰ってる方も何名か拝見しました。次回の放送ではより一層みんなで作る企画にしたいと考えています。



【5:最後に】


 放送をしてから1ヶ月後、じわじわと作者や見る専の人との交流が増えてる中「格付けの人」と認知されるようになりました。また来年の正月にみなさんとお会いできることを心から願っています。最後までお読みいただきありがとうございました。

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