『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治)を読んで

非行少年は、障害を抱えていることがある。あるいは、障害を抱えているのにも関わらず、そのことが、少年院で発覚することがある。著者が「ケーキを五等分に切ってください」というと必ず四等分の切り方から始めてしまう、とか、 複雑な図形を見せて「模写してください」というと特徴の捉えられていない異なる図形を書いてしまう、とか。そもそも我々が目に見てる世界とは違った見え方をしてしまっているそうだ。

この図形は衝撃的で、これだけでも著者の言いたいことが伝わるのではないか。

物理的?根本的?に見え方が異なっている以上、「反省」とか「後悔」みたいなのは、こちらが望んでいるものが出てくるはずもなく、まずはその世界の認知自体を正す、つまり教育をする必要があるという。それも少年院で。このような事態になることを、「教育の失敗」とも言うらしい。不可解な行動をする子供が、障害があるとまでは認知されず、いじめられ、非行に走る。確かに失敗のように見えるが、学校のみでそれを防ぎ続けることの大変さを思うに苦しくなる。そもそも、このような子供は何人いるのだろう。自分は違うのだろうか。将来生まれるかもしれない自分の子供はどうなのだろう。

知っておくべき一冊かと

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