エマージェンザ2022

2022年3月26日

エマージェンザ第一予選 
新宿HEAD POWER


この日のステージに関わってくれた全ての方へ、心より感謝を申し上げます。

本来ならばみなさんを楽しませる、みなさんに楽しんでいただくことが使命のTaishi Nomuraですが、結局僕自身が誰よりもこのライブを楽しみ、そして幸せを噛みしめていました。


ありがとう。
本当にありがとう。


わずか23分のステージの上では数々のトラブルが発生していました。

そしてそんなトラブルがあったことを僕が知ったのは演奏がおわり、楽屋で対バンの方から教えて頂いてからでした。

僕はただひたすらに前だけを見て、決して後ろを振り返らないと心に誓って歌い、そしてギターを弾いていました。

サポートメンバーのtomoさん、トキオ、成澤さんは冷静に、そして必死で対処してくれていました。

そんなトラブルがあったなんて、僕がまったく気付かないくらいに。


そんなメンバーの皆さんに囲まれて演奏できた。
僕は本当に幸せものです。


結果として、初戦敗退です。

この結果のすべての責任は僕にあります。

楽しみにしていてくれたみなさん、ごめんね。

メンバーのみんなにも、もっともっと大きな景色をみせてあげたかった。


勝ち上がりまで、あと3票でした。

しかし、東京で全くと言っていいほどに無名の僕がほぼオンライン投票だけでここまで迫れたこと自体が奇跡に近いと、そう思っています。


いや「奇跡」なんて言葉は失礼だ。

会場に駆けつけてくれた方。
配信を通じて応援してくれた方。

そのほとんどは僕がこれまで生きてきた中で共に音楽を共にしてきた人たちでした。



「ひさしぶり。今度こういうコンテストに出るんだけど、もしよかったら応援してもらえないかな?」


10年どころじゃないくらい久しぶりに、僕はかつての仲間たちに連絡をしました。

まさか返事なんて来ないだろうと、そう思いながら。


でも長い時間の経過なんてまるでなかったみたいに、なんならつい昨日も一緒に呑んでたよね!くらいの感じでみんなみんな、返事をくれました。


長い時間が流れたんだということを感じたのは、強いて言うならメールの冒頭につけられた「ひさしぶり」という言葉くらいなもの。

軽く10年以上の時と距離を越えて、つい昨日の事のように僕のことを思い出してくれて、何ならこれまでも密かに応援してくれていたという声も聴いたりして。

そんなみなさんのアクションで、優しさで、確かに未来は変わろうとしました。


みんなすごい。
本当にすごい。


そして今では家庭を持っている仲間も多く、子供たちの用事でどうしてもリアルタイムでの視聴が出来なかった方も多くいらっしゃいました。

僕はそれをとても嬉しく思いました。

このコロナ禍でかつての仲間たちが家族を持ち、新しい命を授かっていたなんて、これ以上幸せなことはありません。


それは「勝つこと」なんかよりも全然嬉しかった。


そしてそれは、今回演奏した「希望に満ちた世界で」という楽曲の中で願い歌ったことでもあります。


実は今のこの世界の状況の中で「希望に満ちた世界で」なんていうタイトルや内容の曲を演奏するのはどうなんだろう?と、ずいぶん悩みもしました。

でもいま僕らが生きているこの瞬間は、誰かが必死で守ってくれた、誰かにとっての未来です。

もう二度と会えない人もいます。

でもこの限りある生を精一杯生きて、いつかまた会えた時に。


「あなたが僕にくれた未来は、それはそれは最高だったよ。ありがとう」


そんな風に笑って言えたら最高だなって。


だからこの曲を歌おうと。
「希望に満ちた世界で」を今、歌おうと。


むかしむかし、大学に入学したての頃。
散々先輩たちにご飯を食べさせてもらいました。

今だから、というか僕自身もやがて「誰かの先輩」になったから分かるのですが、先輩たちもお金なかったですよ。間違いなく。

でも僕が好きだった・・今も変わらず大好きな先輩たちはみな口を揃えて言いました。


「(お礼なんていいから)いつかできるおまえの後輩に、おんなじことをしてやれ」


今のこの世界を救うのは、もしかしたらそんな連鎖なのかもしれませんね。



この「希望に満ちた世界で」のモチーフとなった一人の女性がいます。

それはかつて僕が心から愛した一人の女性です。


彼女は僕より9歳年上でした。

一緒に過ごした日々は何物にも代えがたい幸せな時間でした。

そして彼女は病気を患いました。


「あなたはまだ若いから。

 あなたはあなたの未来を生きて」


そうやって僕たちは別れました。


他にも理由があったことはもちろん分かっています。


でもいま僕が生きているこの未来は、間違いなく彼女がくれたものです。




そんな未来を、うつむいて生きたらダメでしょ。



あなたがくれたこの未来を、思いっきり愛して生きよう。

僕はそう思いました。


僕が2020年に岡山県から上京してきたのはそれが理由です。


It's a wonderful world  
(そうねあなたのいるこの世界は美しくて)

It's a beautiful world
(輝きに溢れているわ)


「希望に満ちた世界で」


書いた当初は確かに「過ぎ去った恋を懐かしむ歌」でした。

でもそんな「希望に満ちた世界で」はいつの間にか、もっともっと大きな愛の歌に変わっていきました。




二度目のエマージェンザ。

結果は初戦敗退でした。


でもその結果なんて関係なく、僕には僕の愛する世界があるんだと、心から思いました。


特に最高のサポートメンバー


tomoさん,tokio,成澤さん。

前回のライブに参加してくれたRYUTAROさん、やっちゃんも。

MVやレコーディングに参加してくれたみんな。

オーディエンス。


月並みな言葉ですがみんなみんな、僕のメンバーです。




「この現場を、この夢をおわらせたくない」

エマージェンザを終え、僕の心に灯ったのはそんな想いでした。


きっと出来る。

僕がその未来を見たいから。

僕がみなさんの大ファンだから。



二回目のエマージェンザ。

初戦突破出来なくてごめんね。


でもどうかどうか関わってくれたみなさん。
応援してくれたみなさん。


自分自身に大きな拍手を送ってください。


こんな無名のミュージシャンのために何かを出来るあなたは、きっと世界一のロックンローラーですから。


ありがとう。
本当にありがとう。


最後にもう一度だけメンバーを紹介させてください。


2022.3.26 新宿HEAD POWER

violin 成澤幸央(Sachimi Narisawa)
bass tokio
drums 土屋"tomo"智泰


vo&gt Taishi Nomura


SETLIST

1.Hydrangea
2.LAST REASON
3.Reconstruction
4.希望に満ちた世界で


「希望に満ちた世界で」
https://linkco.re/T0es4q3f

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