『スマホ』 大丈夫、考えなくていいんだよ 私が考えてあげるから 私が答えを見つけてあげるから あなたは考えなくてもいいんだよ 人生一度きりだから 楽しいことだけしようよ 大丈夫、難しいことはないよ なんでも出来るよ みんなもいるよ あなたが好きなものを 全部用意してあげるから そんなに悩まないで そんなに考えていいんだよ あなたはありのままでも 子どものままでもいいんだよ もっと自由になって。 そんなに考えないでいいんだよ
『這いつばり』 少年が這いつくばっている。 まだ、10歳そこらだろうか。 顔を泥まみれにして這って進んでいる。 友だちは言う。「テキトーにやろうぜ」 大人は言う。「普通が一番よ」 テレビは言う。「これからの賢い生き方とは……」 少年は血まみれの手で地面を掴んで進んでいく。 友だちの嘲りが聞こえる。 大人は眉をひそめて見てくる。 社会は「頑張らなくていいんだよ」と知らんぷり。 少年は目をギラギラ輝かせて脇目もふらない。 数十年が経った。 少年はまだ這いつくばって、血を出
【これはあなたを守るおまじない】 あなたはぜったい大丈夫。 あなたはなにがあってもくじけない。 あなたは何度でも立ち直る力を持っている。 私はあなたを見捨てない。 あなたをこころの底から信じている。 あなたはとてもつよい。 あなたはとても、とてもつよい。 それは私がよく知っている。 あなたを愛している。 あなたの弱さをぜんぶ含めて、私は愛している 私はあなた。あなたは私。 あなたはぜったいに大丈夫。 私が死ぬまでついている。
「朝の祈り」 おはよう、私。 今日も私が私であるために、決心をしよう。 私は自由です。他者も自由です。 私は他者の人生の邪魔をしません。 私の人生は有限です。 そのため私は行動することを恐れません。 私は人の為に働いて収入を得ます。 人の幸せの為に働いて、自分の幸せを得ます。 私にとって年齢は意味ありません。 私は相手が子供でも尊敬をもって接します。 私は時間をとても大切にします。 だから悪口や愚痴に時間を浪費しません。 私の心は驚くほど若いです。 わくわくやど
「ヒュッゲ」 いま目の前で友人Tとハーブティーを飲んでいる。 場所は私が経営するカフェだ。もう夕方も過ぎ、店内には私と彼しかいない。 彼はミントティーを飲んでいた。最近こればかり注文してくる。気に入ったのかと訊ねると、「まあね」と笑っていた。 互いにティーを飲みながら、会話は途切れることなく続いていく。店内にはハーブの匂いが充満していた。 話している内容はたわいのないものだ。お互いに思い浮かんだことを適当に話している。 社会人とは思えない無計画の内容で、それがひどく心地よ