後奏の時間
ライブで歌を歌うことが決まるたび、「どうやって魅せるべきか」と常々悩む。
私が参加しているユニット・sweet ARMSの曲のように、振り付けがあるものならそれはそれで完結する。でも踊るような楽曲でもなく、振り付けをするようなものでもない場合もある。
Tシャツにジーンズ、そしてマイク一本で魅せられるようなスキルもない私は、いつも衣装からさてどうしようかと考える。
曲のイメージからどういう世界を見せたいのかを考えて、じゃあこんな衣装にしようと決める。
そして振り付けはなくとも、曲が始まった瞬間に“こっち側”の空気感に持っていけるような理想を思い描く。
どんなにステージが大きくても、一人一人の目を見るように。逆に小さなステージなら、そこに居るあなたに語りかけるように。
私のステージを観てくれたことがある方に伝わっているかは不安だが、歌う時はいつもそんなことを考えてステージに立っている。
ただとてつもない人見知りなもので、実は“後奏の時間”がとても苦手だったりする。
言ってしまえばもう歌が歌い終わって、生バンド演奏でもなければ「さっさと頭下げて終わればいいじゃないか」タイムなわけで。
いやでもここで引き下がるわけにはいかんのよ。
街のカラオケ大会じゃない。ここは最後までショーとして魅せきらねばならんのよ。
だからその「冷めてもおかしくない」後奏の時間は、お客様をどれだけ集中させられるのかバトルの時間でもあるのだよ。
いつもそんなことを思いながら練習に励んでいる。
そして今日もまた、来週の生誕祭イベントの練習をしながらその思いと格闘しているのだ。
こんなこと書くと自分でハードルを上げているようなものなんだけど、もちろん楽しみでもあるんです。
声優デビュー当時の10年ほど前によく立っていた会場のステージで、お待ちしておりますぜ。
頑張る!!
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