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クリエイティブ(創造的)な転職活動をするには?

スタートアップには資金繰りがうまくいかなくなり、従業員を雇っておけなくなることがあります。ある日会社のオフィスに呼ばれ、中に入ると経営層が3人とも下座に並んで座っている状況に遭遇したら、それが整理解雇を切り出されるタイミングです。 こうして突然ひとは最低限の銀貨を握らされ、小さな船から浮き輪だけ持って海に飛び出す状態になるものです。ChatGPTが現れたことで、戦々恐々とされている方も多いのではないでしょうか。 海に放置されると、大抵のひとは4,5日くらいでつぎの船に向か

おしゃれ、とは何か?

たまにファッションを極め過ぎたその筋の人に、あるひとつの現象が起きるのを目にすることがある。それというのが、いつも同じような服しか着ていないということだ。「Tシャツはこれしか持ってない」「このデニムしか履かない」「このブランドのシャツだけで回してる」こうした言葉が、ぽろんと彼ら・彼女らの口からでてくる。 そして彼ら・彼女らは山のようにYoutubeなどで服を買うが、いつもだいたい似たようなシルエットや雰囲気に落ち着く。何を着ても同じだ。ちがうけれども、ある意味では同じという

ソーシャルグッドを欲望する若者たち

若者はいつでも何かを強く欲望するものだ。こういうことを言うともう僕は若者ではないみたいだが――いや。たぶん若者時代は終わったのかもしれない。 そんな前提に立つことから今回の考察を始めたいと思う。ちなみにいま僕はこの文章を東京に向かう新幹線のなかで書いている。右斜めまえに座っている男は静岡で降りるつもりだったようだが、この新幹線は静岡では止まらない。そんな車掌と乗客との会話の近くでこれを書いている。 さて、東京駅に着くまでにこの物語を語り終えることができるだろうか。できるか

メッカ(مكة )としてのディズニーランド

ミッキーマウスについてみなさんがどのくらいのことをご存じかはわかりません。ただ。私は今日に至るまでミッキーをまったくまちがって認識していました。なぜ彼があそこまで人気なのか。それはただ単純にあの口角の上がった顔が可愛いからだろうなどというひどく浅い考えを持っていたのです。 しかしミッキー信者のあるひととの会話をしたお陰で、私はミッキーがどのようにファンから慕われ、崇拝されているかを理解するに至りました。 もちろんこれは私がミッキー教徒の布教の話を聞いて、「なるほどなるほど

ダンスに間に合う、とはなにか?

ダンスに間に合うという曲がある。この曲は聞けば聞くほど不思議な曲だと思う。たぶん無意識に「え? この曲なに?」と思っているひともいると思う。 僕はこの曲のPVはまだ見たことがない。思い出野郎Aチームについてもわからない。ただ「ダンスに間に合う」は何かがおかしい。そのおかしさの理由を今日は考えていきたい。 まずだが、この「ダンスに間に合う」がどんな曲なのかを簡単に説明しよう。この曲が言っているのは、つまり「ダンスに間に合おうとしている男」である。 べつにダンスに間に合おう

小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」について語らせてほしいんだ。

小沢健二について語りたい。しかし小沢健二そのものについて語ろうとすると、たぶん何も書くことができずに終わるだろう。だからここは小沢健二のカケラについて、フォーカスして語る方がいいのかもしれない。 月曜日、小沢健二のライブに行った。当たるわけないと思って興味半分で応募したのだが、はたして当たっていた。思わぬことで迷ったけれど(迷うな)新幹線に乗って向かうことにした。 僕は小沢健二について詳しくない。僕が音楽に興味を持ったとき、彼はすでに日本の音楽シーンから姿を消していた。そ

星野源「POP VIRUS」をみて感じたきらめきやら何やらについて

ヘイ。マイメン。ヨー。ホー。いまそっちは台風が来ていて、雨がぎゅんぎゅんに降っているかもしれない。 そんな状態なのは知っているが、僕には雨は止められない。風も止められない。川の氾濫も止められない。 できることと言えば、ネットフリックスで見た星野源のPOP VIRUSについて語ることぐらいだ。 まず言わせてくれ。頼む。 最高!ここ半年くらい、恥ずかしながらお源さんから僕は離れていた。 反省した。深く反省。 僕がまったく別の音楽にうつつを抜かしている間も、お源さんはアゲてた

崎山蒼志 初ホールワンマン とおとうみの国 ライブレポート

チケットを買ったとき、もう伝説のライブになるとは思っていた。崎山蒼志発ワンマン。行われた地は、浜松市の浜北文化センターだ。 浜北駅はPASMOなどは使えず、遠州鉄道専用の磁気カードしか使えない。多くのひとが久しぶりに切符を買う体験をする。そんな沿線に25分ほど乗ると浜北駅はある。 降りてみると、とくにこれといった物はない。来るときの車窓で見た二階建ての一戸建ての大群。それが浜北駅周辺には続いている。アスファルト、空、二世帯住宅。そんなどこにでもある街の中に、浜北文化センタ

志村正彦とはなにか?

12月に入ると、もう今年も終わる旨を、驚きとともにツイッターに書き込む現象がつづく。そしてその無意味なツイート群が終わり書けたころ、12月24日が近づいていることに気づく。そしてその日付をみると、「ああ、そっか」と思うひとがこの国には一定数いる。 たぶんその多くが20代後半から30代後半ぐらい。僕らには12月24日は世間とはべつの意味を持っていて、だけれどそのことは普通世間に開示しない。そうした特別な日もこの世界には存在するのだ。 とはいっても、僕も今日になるまで、そのこ