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プラハまんぷく日記 10/369

 今日はアフタヌーンティーの予定なので、午前中はおとなしくしようと思っていたが、チェコ料理のレシピを買いに行った書店のケーキが、食べたいと思っていたものにすごく近いのでつい食べてしまった。モサモサしていい味だ。こういうのを求めていた。ノートにも慣れてきたので、試しにツイッターを埋め込んでみます。

 新著の表紙デザインが送られてきたので見る。中学生の頃、この人の広告を週刊文春か何かで見て、多分この人のデザイン一生覚えてる、と思ったデザイナーさんのものだった。ほかにも、経験を積んだ色々な人が自分の本を飾ってくれようとしている。それはいつ経験しても、感動という以外に言葉が出てこない。それもこれも編集者さんの力だと思う、特に今回の本は語りおろしの部分が多いので、編集者さんの負担はすごいものだったと思う。

 午後に学生さんがホテルのロビーに来て、一緒にお茶に行く。珍しくフォーマルな格好をされていたので、聞いてみたら「富永先生の泊まっているホテルはちゃんとした格好しないと入れない気がして」と。ごめんな!!!ほんとこういうのよくねえと思うわ。ティータイムに素敵なお菓子持ってきてくれる人とか、飲み会の場所を気を使っておしゃれにしてくれる人いるけど、適当なところで全然構いません。ほんと気遣わせてごめん、帰国したらこの辺マジで気をつけます。
 カフェ・ルーブル(https://www.cafelouvre.cz/en)に行ってクレープシュゼットを食べる。お茶はオーストリアのブランドのやつ。店内がかわいくてとてもよかった。学生さんはUKの障害者支援施設でインターンをしていて、その話を色々聞いた。辛い目にも遭ったようで、外国人研修生を単純労働か対人サービス業で受け容れるか、労働の様態によって問題の内実が相当変わってくるということをなまなましく聞いた気がした。

 そのあと、巨大メトロノームを見て、マリオネットシアターへ。ドン・ジョヴァンニ。フィギュアオタクっぽい感想になるが、可動域に対するウソのつかせ方というか、ようは吊って動かすので「重力」をどう表現するかというところがまず面白かった。一方で、吊ることで生まれる限界と幅広さというか、サーカスのようなオペラのようなアニメーションのような表現が入り混じっている。
 当然のことながら上で人間が動かしていて、バックステージを演出の一部にする、「裏」と分かりながら「表」として提示する、漫画の枠外で作者が喋っている、ストーリーが進むごとに作者の存在感がより大きくなる(これいうとネタバレになるのか)のも新鮮。

 どのくらい書いていいかわからないけれども、2015年で、大学に就職して、この学生さんにお会いした。そのときに、社会運動への参加に関するある相談を受けて、博論が終わって呆けていた自分は、この人に届くものを書きたいと思った。それを次の研究にしようと思った。
 よく、教員になると研究できないと先輩たちが言っていたのを、2015年の私はいつも怖がっていた。実際、あれやこれやでてんやわんやの2019年の自分をみると、それは事実かもしれないなあと思う。ただ、モチベーションというか、問題意識を身の回りにいる人から、たえまなくもらっている。人に教えるなんておこがましいと思いつつ、「大学の先生」を辞めていない理由という気もする。

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