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ウィーンとプラハまんぷく日記 33-34/369

 もう一人目の家族が遊びに来た。彼女が『aruco』という女性向けと思しき旅行本を持ってきていたのでみてみると、私も知りたいことが色々書いてあって勉強になった。国際会議に行き始めた博士課程の初年度は『地球の歩き方』をわざわざ持参していたりしていたが、わからないことがあったら現地で知り合った人に聞けばいいか、と思って、だんだん面倒くさくなってきてやめてしまった。見どころとか美味しいパン屋さんとかがまとまっているので、いろいろ読んでみるのもやはりいいと思う。

 午前中はペーパーを書き上げようとする。6月に行われる日本の学会で、少なくとも自分の行っている国内学会でフルペーパーを書くには珍しい。国際学会のProceedingsと同じようなイメージなのかな。調査も結果が出ていないものがあるので、なるべく当日のプレゼンで補足できるように書くが、こんな感じでいいのだろうか。と思いながら恐る恐る書いていたら結構時間が経ってしまう。

 夕刻から、家族ふたりとオペラを見に行った。『サロメ』。やたらいい席で、オーケストラピットに近いせいか、同行者はオーケストラの壁が厚いのを気にしていたようだったが、私は「効果音がちょっと大きい」くらいであまり気にならなかった(耳が肥えていない証拠)。オペラ鑑賞はじめての家族は、「情報量が多くてなにを鑑賞すればいいかわからない。字幕を見ていると演技が見られないし、音楽に集中したらお話が追えないし……」と。それは奇妙にも私が『フリースタイル・ダンジョン』を見ながら感じていたことと同じだった。この辺、ウィーンのオペラ座は字幕が手元に出るのも影響しているかもしれない。

 サロメは「愛しているから殺す」という、それだけ聞くとマジで横山光輝三国志ばりにシンプルなお話である。首が出てくるところも似ているし。個人的には昔あった『School Days』というエロゲーを思い出した。観賞用のドレス、控えめなものしかなかったが夕刻なのでそれくらいでよかった(ちなみに家族に読ませてもらった『aruco』には、オペラ鑑賞の際のドレスについても説明があって、かゆいところに手が届く仕様だった)。

 ホテルブリストルのラウンジで晩ごはんを食べたが、ウィーンの名物料理があるのと、ホテルザッハーのザッハトルテがあるのでよい(ただ、ディナーのメニューには載っていないので、別途頼む必要があるが)。あまり研究に縁のない家族から、なぜウィーンにいるのか、いまはどこから給与を得ているのか?などいろいろ聞かれたが、そもそもアイデンティティが勤め先にないことを新鮮に感じているらしかった。色々話した後、トラムで帰宅する。

 その翌日はプラハに出かけた。家族が結構長めに滞在しているのでせっかくだからと、私は「もぐらのクルテク」のグッズが欲しかったため。以前来たときはオーストリア側の車両で、食堂車もオーストリア料理だったが今回はチェコ料理。せっかくなのでと全員ブッフ・ブルギニョンとか牛肉のクリーム煮を食べていた。夕食もチェコ料理になるのだが……。電車の中で学会に提出するフルペーパーを書き上げる。前回と違い、二等車だったが、あまり決定的な差はないようにも感じた。
 プラハでは、「もぐらのクルテク」以外にもある買い物をしようと思ったが売っておらず瞬殺。やはり、一時帰国の際の銀座か梅田になるだろうか。今月はじめの滞在で行ったカフェ・ルーブルが家族好みだと思ったので、そこで夕食を食べる。ウサギ肉のテリーヌ、鴨のローストと、クリームチーズとラムレーズンのクレープ。こっちのものは重くて消化に体力を使うのか、帰ってすぐに眠ってしまう。 

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