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ウィーンまんぷく日記 31-32/369

 大学のイースター休みは28日までだが、日本のゴールデンウィークが来るので、続々と家族(といってもふたりだが。昨日一人来て、明日もうひとり来る)が遊びに来る。さすがに私もこの休暇に平坦な日々を過ごすのでは、休み明けに人に話すネタがないので、近場のホテルに向かい、多少休日気分を満喫することにする。家族の誕生日も近いのでちょうどよかった。

 とはいっても多くの時間は仕事しかしないだろうからとわりと庶民的な部屋を予約していたはずなのだが、色々あって豪華なお部屋にしていただいた(私は人生においてあまり運のいい方ではないが、わけわかんないとこで厚遇される奇特な才能を持っている)。一瞬ボールルームかよ、と思うほどの広さで、つい調子に乗って動画とか撮っちゃった。恥ずかしい。でもこれは庶民なら誰でも撮りたくなるだろう、と思います。

 広さ自体はそこら辺の平均的な民家のリビングとそう変わんない気もするけど、やっぱり内装の圧倒的な豪華さと、天井が高いのが重要なのかな。壁画も歴史あるもののようなので、このお部屋ももともと何に使われたのかとか聞いてみればよかったな。家族が誕生日ということを知ってなのか、蘭の花とシャンパン、ケーキを持ってきてくれた。ああ、仕事......。

 結局シャンパンを飲んでしまって、仕事が手につかず(本当すみません)、街に出て買い物とかすることに。オペラに着ていく用のドレスとかジャケット、鞄とかを見たけど、結局買わずじまい。ホテルのフィットネスセンターで使う運動用の服だけ購入してもらって帰る(もったいないと思うけど、今後なんか運動することくらいはあるだろう......)。晩ごはんはホテルの中で食べるが、私もお祝いをいただいてしまった。中にバニラのムースとストロベリーのジェラートが入っている。

 ウィーンの(あくまで私にとって)高級なご飯屋さんは、なんか創作料理味が高くなると言うか、例えばですが「ホタテのパッションフルーツ添え、コーヒーソースをかけて」みたいなものが多いと思います。今回も驚くような組み合わせの味でたいそう楽しかったです。
 部屋に戻ってきて、なんとなく部屋の豪華さに対抗したくなり、備え付けのオーディオに手持ちのiPhoneを接続し、日本語のヒップホップをかけようとしたらオーディオに拒否された。オーディオもよくわかっているのかもしれない。仕方なくそばにあった「定番ワルツ集」みたいなのをかけたら、たいそう部屋の雰囲気にハマって、「おお、いいじゃん」みたくなってしまった。端的に言えば敗北したのだった。
 フィットネスセンターもコンパクトでよかったし、やっぱり体を動かすといいことをした気持ちになるので、そういう施設に行くかどうかはともかくとしていまこうした環境だからこそやったほうがいいだろう。と気持ちを新たにした。

 チェックアウト時に、「また泊まりたくなると思いますよ。だからまたお会いしましょう」と言われた。まあ、そのとおりである。そのとおりであるが、財力がなあ。これから、ホテルでできなかった仕事をします。

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