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天国からの電話

夢を見た。

携帯から聞こえる
「もしもし」という声の主は
空の向こうにいるはずの親友。

「え?どうしたの?」

夢の中でも、
彼女はもう地上にいないとわかっていて
それでも普通に尋ねているワタシがいた。

「治ったよ!」

夢の中でも生真面目な私は、
告別式で拾った
遺骨が気になってしょうがない


あれは偽もの!
冗談ひどくね?

ともかくよかった。


そこで目が覚めた。

夢だったんだ、
ではなく
彼女の死はデマだったんだ、

なんだよかった。

とほっとした気持ちで
リビングへいくと

遺影の中で笑っている彼女がまっていた。

間違いは間違いだったんだ・・。

何をどう信じたらいいか、
よくわからない混乱のまま、

外へ出る。

早朝の誰もいない森へ。

木々の隙間から
地面の一箇所を照らす光


見慣れたいつもの光
そして木の影

突然胸の中にこみあげてくる

懐かしいような、
苦しいような、

でも消え去ってほしくない、
忘れたくない、
痛みと嬉しさがないまぜになった、
なんとも言えない感覚

この歌を思い出した。

幸せなような
涙が出そうな
この気持ちは
なんて言うんだろう

RAIN   By SEKAI NO OWARI


ああ、電話は本当だったんだ。

肉体はなくても。

そんなに私のことが心配?

じゃないね、

ただただ、
笑って飲みたかったんだね。


私にとって、何もかも話せる
大切な大切な
かけがえのない彼女

なんだ
いつもそばにいるんじゃん。



世界中を飛び回っていた彼女は、
いつもそばにいたわけじゃなかった。

だから彼女が本当に地上にいないことが、
私のカラダは未だになれていない。
もうすぐ一年になるのに。

でも実は、
いつもそばにいるんだね。


だらしなくて、ダメダメな
私のお世話のために、

「しゃあないな」と、
いつものように・・・。

そっちはどうですか?

こっちは気持ちよく晴れているよ。

いつもいつもありがとう。

また電話して。
たまには声も聴きたいし。


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