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恋と嘘#18

恋は純粋さと嘘でまみれています。

ひとつ嘘をつき、そのズレを補強するためにまた嘘をつく。

嘘に罪悪感をもたないですむのは、嘘をつくのが日常なくらい、あたりまえのことだからです。

私も、恋愛の最中に嘘をついたことは何度もあります。

それは、単に都合がよかったからついたときもあるし、相手を悲しませないためについたこともあるし、自分が悪者になりたくないからついたこともあります。

でも、だいたいそんな張りぼてで積み上げた恋は破たんしていきました。

その恋をうまくまわすために嘘をつくのに、結局は何もなくなってしまう。

なんと皮肉なことでしょう。

中には、嘘と分かっていて、傷つけたこともあるかもしれません。

今は、もう、お互いの気持ちが遠く遠くにいってしまって探るすべはないですが。

でももし、万が一、今度恋をすることがあったら、逆にたくさん嘘をつきたい。

嘘の中の真実を拾ってもらうような恋がしてみたい。

自分のズルさをごまかすための嘘や、相手を傷つけたくないととっさにつく残酷な嘘や、自分を守るだけの嘘は、自分を腐らせるだけだからもうつきたくない。

でも、全く嘘のない恋も、きっとスパイスのきいてない料理と同じで味気ないのでしょう。

だから、たいていの恋に嘘はきっと必要なのです。


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