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海辺で黒人に口説かれた話#30

あれはそう、もう10年も前の話。

ロサンゼルス行きの飛行機で、メンヘラ気味ネイリストの隣に座った私は彼女と意気投合、連絡先を交換した。

恋人に会いにロスに行くという彼女と、1年後に名も知らぬ国に旅立つなんてこのころは1ミリも想像していなかった。

「どこかの国の女王様の専属ネイリストになりたい」そういう彼女の夢はその時きいたが、その後、夢に出てきたにアルファベットが入ったカリブ海の島に行こうと言われ、快諾した私は本当に若かった。

島には黒人だらけで、露出の多い女2人連れは、よほどカモがネギしょって歩いているように見えたのだろう。

訛った英語で歩くたびに声をかけられまくった。

元々黒人大好きの彼女は、失恋直後というのもあり、ナンパ勢を値踏みし、足に使い、仲良くしていた。

ここで問題なのは、2人でいると、2人組が基本声をかけてくること。

日本にまだ彼氏がいた私にも、片割れがここぞとばかりにモーションをかけてきた。

特に夜が近づくと、向こうも本気。

私はカリブ海の海辺で2歳下のマーキー(仮名)の自己アピールにハイネケンを持ちながら困惑していた。

なんとか甘いムードにならないよう、夕日の沈んだ海辺で、1人きゃっきゃ全力疾走したり、砂に日本語で助けてと書いたり、「弟がいるから年下は恋愛対象外」とつたない英語で必死に訴えた。

折れた彼は、「何もしないから、日本の男性と比べてここがどうかだけ教えてくれ」と、手をイチモツにあてがった。

ハイネケンの瓶より大きなソレを感じた私は、「So Big!」とドン引きしながら急いで一人でホテルに帰った。

その他にも、ナチュラルハイなダンサーや、アスタなパン屋のにいちゃん、島のドラックキングとの出会いがあったが、10分経ったのでまた機会があれば書くことにする。

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