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デートで泣く男#24

自信がないやつは、行動力がなく、自尊心がないからおどおどしていて、自分にベクトルが向いているから相手を思いやる余裕がない。

童貞の彼は、居酒屋デートの後、2軒目で泣いた。

深夜泣きじゃくる男をほっておけず、仕方なくホテルに移動した。

しかし、結局ことはとくにすすまず、ぐずぐずと朝を迎えた。

しかし、驚いたことに、すぐに次のデートの誘いのLINEが入ったんだけど…。

と、その男を紹介した女性から連絡があった。

デートも毎回会話が広がらず、共通の話題や話せる話は全部話した。

アドバイスとして、一回のデートで20個のネタをメモってスマホに入れておけと伝えたけど、それも費やした。

そもそも、待ち時間の長いディズニーデートを序盤でチョイスするのが間違いだ。

恋愛初心者は、かたくなに相手のことを考えない。

いや、考えられないと言ったほうがいいのか。

だから、数少ない手を全て出し切って、何にもなくなってしまう。

何にもない先にあるのは、空虚な、会話のない、微妙な空気感。

話のネタがなくなった男は、泣いた。

女は、当然、困る。

そして、恋愛という土俵からすたすたと降りて、なんとかその場をつくろうと、手を差し伸べてくれる。

それは、優しさではない。

終わりの、最後の施しだ。

しかし、彼女は優しかった。

ラストチャンス、と彼ともう一度会った。

…結果は…やはりデートは楽しくなかった。

自信のない自分を出して、すがるように涙を絞り出しても、その涙は悔しさの涙ではなく、自己のふがいなさを、相手に分かってほしいという甘えの涙だった。

2人は、結局、進展しないまま終わった。

男の涙は、ときにぐっとくる。

でも、同情を買う涙は、安っぽい。

そうならないためにも、男性には(いや女性にも)自信をつけてほしいと思う。


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