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【#私らしいはたらき方】非日常が日常に—往復3時間かけて通勤する理由—

多くのビジネス書には通勤時間を短くすると生活や人生が豊かになりQOLの向上に繋がると書いてあります。確かに仕事を第一優先と考えると職場が近い方が都合がいいのは当然です。しかし、私にとってはプライベートの時間こそが最も大切なものであり、私を含め周りの仲間たちも同じ理由で電車を乗り継ぎ長距離通勤を行っています。それはみんな通勤時間を犠牲にしてでも手に入れたい生活があるからです。

仕事よりもサーフィン

都心から郊外へ

私は新卒で入社した当初は東京の三軒茶屋に住んでおりました。その当時からサーフィンは好きだったのですが、月イチでレンタカーを借りて行く程度でした。なぜならばレンタカー代、高速代、ガソリン代、駐車場代と一回行くのに三万弱かかっていたので、友人と予定を合わせてシェアしないと金銭的に厳しかったためです。当時の私にとってサーフィンをするために海に行くことはすごく特別なことでした。

転機は4年前に転勤先の福岡から東京に戻るタイミングで茅ヶ崎に引っ越したことです。以前は神奈川の海は「波がないのに人は多い」イメージだったので敬遠していたのですが、鎌倉に住んでいる友人と出会い、そこでのサーフィンライフがとても魅力的だったため自分も海沿いに住もうと心に決めました。
物件探しは迷うことはありませんでした。駅近ではなく、海近の物件に絞って探したため、物件数はあまり多くなかったので候補はすぐみつかりました。今の物件は海から歩いて3分。外シャワー付き。サーフボード置き場も完備。家のお風呂みたいな感覚で海へ行ける生活です。

ワークスタイル(本社勤務よりも店舗勤務)

就活の時は総合職で仕事を探していたのですが、現在勤めている会社は総合職と一般職の隔たりがなく、販売職からの叩き上げでしか採用しない会社でした。そのため、就職後いずれ本社勤務をと思っていたのですが、現場の方が私の性に合っていました。
それは出勤時間が遅いことと平日休みが理由です。始業が10:30からなので朝に波をチェックしてコンディションがよければ1ラウンドがっつりサーフィンすることができます。そんな日は朝から頭が冴え仕事もバリバリ行うことができ、夜は心地よい疲れで一瞬で眠りにつくことができます。また、メリットは他にもあり、通勤ラッシュを避けられるため電車も比較的空いているので大抵は座ることができます。平日休みはとても快適で、海が空いているのとサーフトリップに行く時は道が空いているのがありがたく、駐車場代も平日の方が安いです。
店舗の自由な空気感に慣れてしまうと、本社でミーティングの際などは、窓が開かない高層ビルなので圧迫感があり息苦しさを感じてしまいます。

長距離通勤による変化

夜より朝

以前はお酒を飲むことが大好きだったので、ずっと夜型の生活でした。しかし、今の生活になってからお酒をきっぱり断ち、完全な朝型へと切り替わりました。全てはサーフィン中心の生活を送るためです。仕事のある日の1日のスケジュールになります。

5:30 起床
6:00-8:00 サーフィン or SUP
8:30 保育園送り&通勤
10:30-20:30 仕事
22:00 帰宅
23:30 就寝

仕事の日は大体こんな感じのルーティンです。こんな生活を4年ほど行っております。
サーフィンに比重をおいたライフスタイルを実現させるため、仕事やプライベートでいくつか変化がありました。

お酒をやめた

お酒をやめたことと付き合いの飲み会もやめたことです。飲み過ぎて終電を逃したり、寝過ごして終点まで行って帰って来れないことが多々ありました。それで翌日のサーフィンに支障をきたすと酷く後悔したり、睡眠の質の低下や二日酔いで翌日の仕事に影響することもありました。ある時奥さんに「飲んでばかりいて何のために茅ヶ崎に住んでいるかわからない」と言われたことで目が覚め、お金と時間と健康をどれだけ奪われていたかに気付きました。それからは心から行きたいと思わない会食以外は参加するのをやめました。断酒した後、一度だけ友人の結婚式で乾杯の一杯を口にしたことがあったのですが、そこからタガが外れてまた飲み始めたことがありました。しかし、その後読んだ『禁酒セラピー』を読んで、お酒を飲むとドーパミンが過剰に放出され幸せを感じるハードルが高くなり、小さな幸せを感じなくなるというのを知りました。ちょうど子供が生まれたタイミングでもあったため、日々の子供の成長を喜べなくなったら嫌だなと思い2年以上一滴もお酒を摂取しておりません。

見栄やプライド・物欲は幻想

人や車が多く殺伐として緊張感のある都心と比較して、海の近くの夏はボードショーツにTシャツ、サンダルスタイルで、見た目も気持ちも自然とユルくなります。そんな環境の中ですと、自然体が一番でお金や物で心を満たそうとすることも減りました。結局、お金で買えるものは買うまでが楽しくて、手に入れてしまうと1週間ぐらいでときめきが失われてしまうことに気づいたからです。職場が渋谷にあるので、たくさんの誘惑や刺激があるのですが、それらにも反応しなくなりました。休日のシンプルな生活は思考をフラットにさせ研ぎ澄まさせてくれます。海で波待ちをしてると仕事のアイディアが浮かんできたりもします。

自己投資をするようになった

通勤時間に朝はTOEICの勉強と読書、帰りはライティングの時間に充てるようになりました。子どもが生まれてから、自宅だと一人で集中できる時間が取れないため、通勤時間を自己投資タイムにするのは悪くないことに気づきました。ただし、在来線の横並びの椅子だと周囲の人や雑音が気になるのでノイズキャンセリングつきのAirPodsは必須です。これがあれば一気に1人の世界に没入できます。あとは、たまにグリーン車で帰って集中力をアップさせてマンネリ化しないように工夫しています。

非日常が日常になるはたらき方

入社間もない頃は仕事をして稼いで、欲望のままにお金を使うことが当たり前だと考えていました。またそれが幸せなことだとも考えていました。そして、いつしかお金がないと不幸になるから仕事をしようと考えるようになりました。働いてお金を稼ぐことが目的となり、本来のサーフィンがしたいという目的を見失っていました。しかし、海の近くに拠点を置くことで、自分の気持ちに忠実に生きることができるようになり、お金で買える幸福感の賞味期限の短さや、お酒の害について気づけるようになりました。

仕事に対する思いは十人十色で、価値観は人それぞれ違います。
私の場合は自分の時間を最優先にしたいと考えているので、通勤時間を犠牲にしてでも海の近くに住むことにメリットを感じています。

「休みだから海に行くのではなく、波があるから海に行く」
いつだって海に向かう時は胸が高鳴るものです。それはサーファーに限らずだと思います。今住んでいる家は海まで歩いて3分ですが今でも潮風が漂い波音が聞こえてくるとソワソワしてしまいます。
寝起きで着替えもせずそのまま海へいき、冬のサーフィンもウェットスーツを着たまま風呂場へ直行。またギリギリまで海に入れるので日没間近の誰もいない海から富士山や江ノ島を堪能することができます。そんな「非日常が日常に」なること。これが私らしいはたらき方です。


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