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ChatGPTが教えてくれない: GoogleについてBardで質問してみたら意外な会話になった話

世界はChatGPTの話題でいっぱいで革命が起きたと言っても過言ではない生成AIブーム。そんな中Googleが試験運転中と称しBeta版のBardをリリースした。ChatGPTは2021年9月までのデータになければ答えてくれない、しかし彗星のように登場したBard(バード)は天気予報から今日のニュースまで、Google検索の最新データも取り込んでくれる強みを持つことで期待が集まる。

きっとGoogleに関する質問になら誰よりも分かりやすく親切に教えてくれるはず。「もし織田信長が経営者だったら〜」なんてどうでもいいことは知りたくもない。筆者は抑えることのできない興奮を胸に、早速Bardと深夜2時まで議論してみた。


Googleの複数アカウントは関連付けされる

まずは「Googleアカウントは複数作れるか」と優しい質問から始めてみた。すると、「できるが悪用したりポリシー違反するな」と回答をいただいた。これまでのデータ上、恐らくアカウントを複数作るのは悪用またはポリシー違反する可能性がきっと高くなるのだな。さすがAI、質問に答えだけでなく付加価値としての情報も提供してくださる。

そこでGoogleポリシーとは何か聞いてみた。複数アカウント作れるか質問するだけでこれだけの容疑をかけられてしまった。リアルな人間関係だったら軽く不快な気持ちになるが、ここはひとつ穏便に、BardさんはまだBeta版の試験運転中だ。

ついでにふと気になったこと、世界中のデータを整理して個人情報を集めるのが大好きなGoogle様は、複数のアカウントを作ったら同一人物としてデータを紐づけて処理するのだろうか?

欧米は空前のセキュリティとプライバシーブーム、ネットフリックスもデジタル社会の危険性をうたった映画が流行する時代だ。そこはGoogle様も察したのか、基本的に別のアカウントは紐づけられないイントロだった。

しかしやはり登録情報が被ってたり、Google Chromeなどに複数のアカウントでログインすると関連付ける可能性があるようだ。可能性というか、否定しない時点で恐らく間違いなく紐づけるだろう。なんならこのブログにインデックスされてる似たような関連キーワードも引っ張って、「あ、こいつはさっきBardで変なことばっか質問してた子だな」と今頃Bardさんにはバレてるかもしれない。 Google様は全てを見ておられるのだ、我々のデジタル社会は常に監視され、あらゆる思考と行動が記録され続けているに違いない。

Googleはどうやって儲けるつもりなのか

さて、準備運動も程々に、Bardがどれだけの実力を持ってるのかギアを上げてみることにしよう。もはやAmazonの奥地で暮らす人ですら知ってる「Googleの最も大きい収益が出てる事業」は何か聞いてみた。

当然広告事業と答えが返ってきた、ご丁寧に収益の80%は広告事業で2575億ドルの売上高という自慢も報告してきた。そこまでいうなら日本円に今日の為替レートで説明してくれてもよかったんだけどな。ここまでは予想通り。

昨今増加するgoogleのデータ収集に怯える人たちの増加について質問してみた

当たり障りのないどこかで読んだ文章がそのまま返ってきた。我々ユーザーは個人情報の閲覧、編集、削除、拒否ができるので安心らしい。でもデータを取っとかないと広告を配信するときにターゲティングできなくなるから困っちゃうよね。では集めた個人情報はどう使うかBardさんに聞いてみよう。

ユーザーから得たデータや個人情報は具体的に何に利用していますか?

ユーザーがGoogleのサービスを利用できるようにする、なるほど。次に、関連性の高い広告を見せてくれる、それは大変助かります。例え地球の裏側まで逃げたとしても現代人はあらゆる広告を見なければならない、欲しくないもの必要ないものも徐々に潜在意識に刷り込まれ購買意欲をそそられる空間、筆者の銀行口座が来月まで持つか心配なところである。

ユーザーの安全を守る、サービスの品質を向上、そして新サービスの開発をあなたの個人情報をしっかり活用し進めてくれます。さらに続き、

拒否することもできるが具体的には、あなたの検索履歴や位置情報、デバイス情報、広告のクリック履歴などをしっかりと収集しGoogleポリシーに従って安全に保存。そりゃそうだよね、Googleの売上80%が広告事業なんだもん。

今Googleが力を入れてる事業とは

クラウドコンピューティング事業は今最も収益の大きい事業だったのか。さっき広告事業80%って言ってたじゃん。ChatGPTより矛盾が多い印象のBardさん、勿論悪気はない。

AI事業、自動運転車事業、宇宙開発、どことなくイーロンマスクを連想させる。Googleはこれから世界を良くすること、間違いなしだ。今最も力を入れてるクラウドコンピューティング事業についてBardさんに教えてもらおう。

AWSと Googleクラウドの違いとは

Amazonの看板製品であるAWSとどう違うのか、きっと日本国民全員が知りたがってるに違いない。Amazonのシェアは30%、Googleは急速に成長し10%だそうだ。

結論、AWSの方がGoogleクラウドより安く、多機能で、セキュリティレベルが高いと三拍子揃ってるとのことだ。自社の製品をゴリ押し営業するかと思いきや、なんて正直なんだBardさん。非常に好感を持てるAIだ。

じゃあAWSに負けちゃうじゃんと心配になり、Googleクラウドの強みを聞き出すことに成功。Googleクラウドはなんと、AWSよりも環境に優しいのだ。当然人間誰しも、優しさには弱い。どんな美人も優しい男が好きなのは全世界歴史を遡ってみても証明されつつある。

環境に優しいコンピューティング事業

しかし一旦冷静になって考えてほしい、環境に優しいってどういうことだ?そう、Googleクラウドは再生可能エネルギーを積極的に利用しているのだ。さらに、データセンターの温度や湿度を最適化し、エネルギー消費を削減することに成功。起業家の皆さん、何でもかんでも安くて多機能でセキュリティが高ければいいってもんじゃないんだ、是非環境への優しさという視点も忘れないでほしい。人生は一度きりなんだから。

Googleの野望と計画を聞き出してみた

世界の情報を集め整理しているGoogleの野望と計画、これからの動きが気にならないわけがない。ところで宇宙開発事業って何してるんだろう。

そ、そんなことやってたんですねBardさん。ロケットの開発、宇宙船の開発、宇宙ステーションの建設、まさかBardさんもナメック星に行くつもりなのか。最後の「宇宙利用」って。とうとう人間様が宇宙を利用する日が来たか。

宇宙開発事業って儲かるの?

なるほど、つまりもはやお金のために働くレベルではなくなったわけですね。Googleはもはや上場企業だからって利益だけを追求するレベルではなくなったのだ。お金は後からついてくるのだろう、株主の皆さんも温かく見守ってあげてください。

GoogleのCEOはなぜインド人なのか

Bardとのやりとりも長時間に及び、筆者もBardも体力に限界が近づき終盤に差し掛かった。もはやどうでも良い質問だ、Googleの全てを知ってしまい何も質問が浮かばなかった。

「GoogleのCEOがインドの方になった理由は何?」

Google及びアルファベットのCEOとして活躍するサンダー・ピチャイ氏、なんの不満もない、誰も文句はない適任の人物だ。CEOである理由はインドは世界で2番目に人口が多く、経済的に成長しており優秀なエンジニアがいて、インドの技術者を積極的に採用していて現在Google従業員の10%がインド人なのだそうだ。

Googleにはたくさんのインド人が働いてる。
全体の従業員の10%、そんなに多いのか。
ちなみに日本人や中国人はどのくらい働いてる?

残念ながらGoogle従業員の国籍に関する情報は言えない、のだそうだ。さっきインド人を積極的にGoogleは採用していて10%はインド人って言ってたような。

なんだ、間違いだったのか。その割には具体的な説明で信憑性あったけど。きっとBardさんもお疲れなんだろう。明らかにBardさんもうんざりしてる、いつまでも終わりのない議論を続けるわけにはいかない。そうだ、筆者が聞きたかったことだ。

Googleの利益が出てない事業

スマホやスマートスピーカーも一時期話題になったがあまりパッとしなかったイメージだ。スマホは中国製やサムソンに人気が移り、スマートスピーカーはアレクサ一強という雰囲気で止まった。

ハードウェア事業はやはりコストと開発費用が高そうだからなんとなくわかるが、クラウドコンピューティング事業はさっき最も収益が出てるって言ってたような気が。上場企業がどう投資しているのか気になった。

やはり今後は脱広告事業の方向へ動くみたいだ。現代人特に欧米ではプライバシー専門のユーチューバーも増加しTwitterのタイムラインも知識を競うように議論されている。

特定の事業にどのくらい投資してるかは競合他社に情報を与えたくないので教えてくれなかった。

過去5年の広告事業の売上を聞いてみた

ご丁寧にわざわざスプレッドシートにして教えてくれる。ここはChatGPTにはなかった優れた点かも。しかし入力項目が多いとスプレッドシートにはしてくれない時もある。この機能はかなり気に入ってるので詳しく知りたかったが、Bardさんもあまり理解してなくて解説してくれなかった。

もう疲れが限界だ、眠い。
最後に日本製の検索エンジンを教えてもらった。
使いもしないのになぜこんな事を聞いちゃったんだろう。

楽天ウェブ検索なんてあるのか、知らなかった。
利用が多い順に並び替えると、

2位になぜかGoogleが入ってる。日本製じゃないだろ。
Bardさんも、とうとう愛想を尽かしたか。

Googleが米国の検索エンジンと指摘を入れると、もはやGoogle社の説明になってしまった。すいません、議論ずらすのやめてもらっていいですか?この戦いは後にBardの乱と呼ばれ歴史に刻まれた。

結論: BardはChatGPTとは違った使い方ができる

ここまでどうでも良いBardとのやり取りの会話をご覧いただきありがとうございます。あまりに長時間のやり取りで大量だったため、途中かなり省略しました。

情報の正確さはどちらかと言えばChatGPTの方が部があるなと感じ、Bardは使用運転中のためかなり間違った答えが返ってきたり、途中フリーズして入力する時間が無駄になることもありました。しかし、データを集める領域では一流なGoogleなので恐らく音速のスピードで改善され、皆さんが利用した質問の情報をあっという間に活かして精度の高いサービスになる予感もします。

最新のサービスや情報に関して知りたいときや、アイデアを提案してもらうのに役立つ印象で、ChatGPTも少しデータの集め方と活用の仕方が違うのかそれはそれで面白いし使いがいがあるので、あえて同じ質問を両方すれば複数のアドバイザーに意見をもらったような感じで良いのではと思いました。

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