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ちきりんの『ゆるく考えよう』を読んで

ちきりんさんの本、大学の時から好きでよく読んでいるんですが、
『ゆるく考えよう- 人生を100倍ラクにする思考法』は
今回初めて読みました。

この本、最初に出版されたのが2011年だそうですが、
10年経った今でも十分読み応えある内容でした。

日本の学校教育とか、啓発系の本とかってどれも、
「頑張り方」とか「モチベーションの高め方」とか
「成功する方法」とか
「とにかくがんばれ!」ってメッセージを発する系が多い気がします。

それはそれで向上心があっていいことなのかもしれませんが、
みんなと同じことを「頑張って」も、
報われることが少なくなってきている今、
「とにかく頑張る式」って効率悪くない?って
ちきりんはこの本で問題提議してくれてます。

ちきりんさんの本は公務員時代によく読んでいましたが、
実際に田舎暮らしを始めて、
いろんなことにしがみつかない生活を送っている今読むと、
また違った視点で、
「ふむふむ。そうだよね〜!」
と頷ける部分がたくさんありました。

「もっとみんな自分基準で人生楽しく生きようよ!」
というメッセージは、
「頑張り続けること」に疲れちゃった人に
勇気を与えてくれるはずです。

以下、本の中でいいなと思った部分について、
自分の経験も交えながら記したいと思います。

退屈な時間を楽しもう!

「充実した休日」である必要はない!と以前も記事に書きましたが、
日本人って予定がないと不安になる人が多い気がします。

私は最近、旅行に行ってもあんまりいろいろ動き回りません。
1箇所すごく行きたいところに行けたらそれでOK。
あとは、お酒でも飲みながら
地元のおいしい料理を味わえたらそれでいいや〜と。

ゆっくり過ごせるホテルを予約して
一日中ホテルの中で過ごすこともあります。

限られた時間の中で
できるだけいろんな場所に行って楽しまないと!
と思うのをやめたら、
本当の意味で「休暇」を楽しめるようになりました。

せっかくここまできたのにのんびりしていたらもったいない、
と思うのも個人の自由ですが、
せっかくの休暇なんだから、
あんまり何も考えずにのんびりしよう〜と
ゆる〜く考えたら、結構リフレッシュできますよ!
休みはゆっくりすればいいんです。

退屈する時間があって、
その退屈さを楽しめるぐらいの心の余裕はもちたいものです。

やめる決断ができればはじめられる!

「やめること」って始めることよりも難しいんですよね。

特に、日本の場合
正社員である程度お給料のいい会社に雇われているとか、
3年前の私の場合は「公務員である」こととか。
やめるっていうと周りから
「もったいない、もったいない」と言われました。

ボーナスきっちりもらえる仕事なのに。
せっかくフルタイムなのに。
終身雇用なのに。
このまま頑張ったらお給料も上がるのに。
育休・産休もきっちり取れるのに。

しかも、日本って
しんどいことを続けることが美徳とされがちで、
やめることが「逃げ」みたいに捉えられるところがあって。
そして、それは
続ければ続けるほど手放すことが難しくなる。

でも振り返って思うと、
あのまま惰性で仕事を続けている3年間のほうが
よっぽど「もったいなかった」と思うんです。

傷が浅いうちに早めに「やめる決断」さえできれば、
新しいことにチャレンジする時間も気持ちの余裕も生まれる。

リスクのある決断をする際、
周りはいろいろ言ってきます。
でも、やめたいと思いながら続けるよりは
やめてみて新しいことを始める方が絶対幸せになれる。

「所有する」は、時代遅れ

昔は
「豊かになること」=
 「より多くを所有することでいつでも利用できるようにすること」
だったけど、
これだけレンタル市場やクラウドサービスが普及している今、
「豊かな人ほど持たない」時代に変わってきている、
とちきりんは言います。

これは特に私みたいに、
いつでもフットワーク軽くいたい人にとっては重要なことです。

私はコロナでインドネシアからスーツケース一つで帰ってきて、
その後淡路島に移住していますが、
「所有しているもの」って少ないんですよね。
(田舎暮らしで車を持たなければならなくなった、ということは除く。)

最初は、
「こんなに日本での生活が長引くなら、
もっといろいろ持って帰ってくればよかった〜」
と思うこともありましたが、
今ではもはや何をインドネシアに置いて帰ってきたのか
よく思い出せません。

現在の私の暮らしっぷりを少し紹介すると:

・家は賃貸(海外生活が好きなので、まだ1箇所に定住する勇気が持てない)
・冷蔵庫/電子レンジ/コンロ/洗濯機つきの物件(いつでも移動可能)
・データは全てクラウドサービスを利用。(自分のPCじゃなくてもどこでも仕事できる)
・オフィス/教室は持たない(全部オンラインで完結させることで固定費抑える)
・TVは見ない。TverかNetflixかAmazon PrimeかRadikoで十分
・来週からまたインドネシアで働いてくださいと言われたら多分すぐ行ける。

場所と時間に縛られない生き方をするためには、
まず「所有しない」ことから始めるのがいいのかなと思います。

旅をすることで自由になる

今でこそコロナで身動きが取りにくいですが、
私は高校卒業してからずっと、
最低半年に一度は一人でふらっと海外に行くようにしています。
これは自分の中で「心のリセット」の意味あいが大きいです。

日本にしばらくいると、
なんだかいろんなものに追われて、
得体の知れない不安に押しつぶされそうになることがあります。

でも、日本を離れ、
全く違う価値観を持っている人と過ごすことで、
「何を自分は必死に守ろうとしていたんだろう?」
って少し客観的に自分の立ち位置を見つめ直すことができるんですよね。
そうすることで気持ちがだいぶ軽くなる。

公務員で一番しんどかった時に、
日本を出て海外で働くという選択肢を選べたことも、
定期的に自分を日本の枠じゃなく
外から客観的に見る訓練ができていたからかなと思うのです。
あのまま続けてたら私は確実に鬱になっていました。
でも公務員をやめた瞬間、
過呼吸がなくなった。
食欲も戻った。
母親との関係もよくなった。
なれない何かを目指すこともなくなった。
自分を大切にできるようになった。
と、いいことづくしです。

世界に出て、
自分の悩みなんてちっぽけな悩みだったな、とか、
別に日本にしがみつかなくても私やっていけるんじゃない?と
思えることって、強い武器になると思います。


このように、
素敵な内容がたくさん散りばめられていて、
読み終わった後に元気をもらえる、そんな本でした。
続きはぜひ実際に読んでみてください。

ちなみにこの『ゆるく考えよう』が出版された後に
『自分のアタマで考えよう』
『世界を歩いて考えよう』
『未来の働き方を考えよう』
というタイトルで「考えよう」
シリーズが出版されています。
4作どれもおすすめですが、
今回のような「価値観を揺さぶる」系だと
『世界を歩いて考えよう』がおすすめかな。

あー海外旅行行きたい!

まだどれも読んだことがないという人はぜひ、
ピンときたタイトルから読んでみてください!
きっと心が少し軽くなるはずです。


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