ゼロを1にしたい
私の仕事は翻訳ですが、この仕事は、いわゆる、「ゼロを1にする」仕事ではありません。
言うなれば、私の仕事は、誰かがゼロから1にしたもの(誰かの発明)を、2(翻訳済みの特許明細書)に仕上げる仕事です。
1を2にする仕事も十分に楽しいですし、もちろんやりがいを感じてはいます。
上記の記事にも書いたように、知らない技術をあらゆる方向から調べ尽くして、バラバラの点を徐々につなげ、線にし、面にし、そして最終的に自分のものにして、きれいな「丸」の形にして完成させる作業はたまらないです。
それこそ、40代の間はそれが面白く、夢中で突っ走ってきました。
しかし。
50代になった今。
0を1にする世界の景色はどんなものなのだろうか・・・・?と考えるようになりました。
たとえば、私が子どもの頃になりたかった職業は漫画家なのですが、これは典型的な、ゼロを1にする仕事だと思います。
小学生の頃、絵を描くのが少しばかり得意で、ノートに自作の漫画を描いたりもしていたのですが、どうしてもストーリーの作成で詰まってしまっていました。
なので、作画とストーリー作成を両方やって、週刊連載なんかされている漫画家さんには尊敬の念しかありません。
(小学生の趣味レベルと比べるのはおこがましすぎて恐縮ですが・・・汗)
それに、その上、毎週のように締め切りもやってくるわけですから。(締め切りに追われる仕事をしている者の端くれとして、その大変さは痛いほど理解しています。)
1を2にする仕事も決して楽ではありませんが、アイデアをゼロからひねり出して形にし、かつ締め切りにも追われるというプレッシャーは、1を2にする仕事とは比べものにならないものでしょう。
とてつもないエネルギーが必要でしょうし、大変なのは明らかです。
でも・・・・。
達成感がすごそうです。
自分がゼロから作り出した作品が売れたときの喜びたるや、想像を絶するものでしょう。
そんな気持ちを味わってみたい。
と考えるようになりました。
ただ、さすがに漫画家の仕事を今からやりたいかと言えば、才能は絶対にないのは明らかですし、何よりも、万が一もし仮に奇跡的に才能があったとしても、40代の10年に加えて、これからのさらに10年、机に貼り付くことになりそうな仕事はさすがに勘弁ですが(笑)。
死ぬまで「人生家の中」になりそうですし(笑)。
でも、今後、何らかの形で、ゼロを1にすることに携わっていきたい、と思っている次第です。
どのような形で携わるかはまだ考え中ですが。