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【LOST SPHEAR】世界の記憶を取り戻していく物語

いけにえと雪のセツナを作った会社のゲーム「LOST SPHERE」。
セツナ同様のRPGだそうです。
全く予備知識なく、とりあえずセツナの会社のゲームだからという、所謂箱買いみたいな気持ちで購入したのが去年の秋頃。

本当はその前に、その会社の新作のゲーム「鬼ノ哭ク邦」をプレイしていたのですが、その感想はまた後日。

結論としては、楽しかったんですけどちょっと粗があったなぁって思うところもありました。
ちょっと一部記憶が飛んでいるのであやふやなところあるかも…。

記憶で出来上がっている世界

LOST SPHEREの世界は記憶によって作られている世界だそうです。
つまり世界が人々の築いた文化や歴史を記憶している?的な感じだそうで…。
だけど、その記憶が消える=ロストすると、その街や人々でさえも真っ白な塊になって消えてしまう(というよりそこにいるけど話せないし触れない)状態になるという。

最初の世界設定だけですげえ…と思いつつ、覚えるのに時間がかかったものです。
でも築かれた歴史、文化、生きてきた人々の存在を記憶することで世界が成り立つというのはとてもロマンがあふれるなぁって思いました。

本来、ロストしてしまい、真っ白な塊になったものはもとに戻せず、世界はあちこち真っ白だらけになっていたんですが、主人公はロストしたものを元に戻すことができる力を持っていて。
各地のロストを解消するために旅をするという流れです。

そもそもロストって何?解消することは世界が記憶を取り戻すこと??
分からないことが多かったですが、これは終盤でその理由が明かされ、納得しました。
ファンタジーのようでちょっとSFチックな感じでした。

多種族で戦う物語

キャラクターはみんな、多種族ばかりでした。
同じ街で暮らした主人公とヒロインと幼馴染(後に主人公とヒロインは別種族だと判明するけど)、帝国の人間、山で暮らしていた少数民族、封印されていた古代人、まさかのモンスターなどなど。
種族は違えど、思う心は一つというスタンスで、価値観も文化の違いも全部抱えてみんなで乗り越えていくというところが良かったなぁと思います。

特に故郷を散々壊された少数民族の女の子、シェラが段々と心を開いて未来を進む姿を見ると、よかったなぁとしみじみ感じます。

びっくりしたのが幼馴染の男の子、ロックが途中で離脱し、全く姿を変えて合流したことです。
その経緯の詳細は省きますが、言わば改造に近い形で復活し、元の人格が十分に戻らないまま結局最後まで行ったんですよね。
もうあのかわいいロックには会えないのか…って思ったのですが、ロックがこうなってしまった経緯を考えるとやむなしなんだなぁと思います。

しかしフラグがなかっただけにびっくりでしたよ…。

まさかのメカニック

LOST SPHEREの世界には、機装というロボットが存在し、それに乗り込んで移動したり戦ったりします。

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こんな感じ。
ファンタジーではありますが、文化としては産業革命期の頃に近いので、ロボットがあってもまぁおかしくはないわけです。

戦闘時も機装に乗って戦うこともあり、機装ならではの技を使えるので、ボス戦の攻略は結構楽しかったです。
全員機装に乗ってもいいし、アタッカーだけ機装に乗せてもいいし、いっそ全員生身のままで戦ってもいいし…。多彩な戦略が立てられました。

しかしラスボス戦は全員機装に乗らずに戦ったのだった…。

ちょっと気になったこと

基本的にLOST SPHEREは楽しかったです。世界の仕組みも、ロストの理由も、結構深いなぁとは思ったのですが、ちょいちょい粗があるなと感じました。

一番大きな粗だなと思ったのが、夜に関することです。
LOST SPHEREの世界はずっと昼しかなく、夜が来ない世界だったんです。
主人公たちは生まれてこの方夜を知らなかった。当然、世界の人達も知らなかった。
しかし、物語の途中で夜がくるようになるんです。主人公たちが世界を変えたおかげで。
初めて空が真っ暗になるんです。絶対混乱起こるしパニックになると思ったんですが…。

何も起こらなかった…。

街の人に話しかけても、基本的なことしか言わない。誰も夜であることにツッコミを入れない。
なんで???
少なくとも夜が来たことに対して何かしら思うことがあるのでは??そこはスルーなの??と思いました。ここは少し惜しいなぁと思います…。

最後の選択で分かれた結末

最後、ラスボスを倒した後に主人公はある選択を迫られます。それによってエンディングが変わるのですが、よりによって一番選びたくない選択が真エンディングだったなんて…悲しすぎる…。

もっといい方法はなかったのだろうか。他にも解決策はあったのではないだろうか。でも、主人公たちの立ち位置を考えたら仕方がなかったのだろうか。色々考えさせられました。

私が主人公だったらどうしていただろうと未だに悩みます。答えは出てないです。
でもそれをずっと考えてしまうほどには、深い印象に残るエンディングだったなと思います。


そんなLOST SPHEREでした。ストーリーの小さな粗や、ちょっと難解な部分などもありましたが、楽しかったです。
何より音楽がいい。音楽本当に良いです。
セツナと同じ人が音楽を作っているのですが、ピアノオンリーだったセツナと違って、LOST SPHEREはいろんな楽器が入ります。でも美しくてキレイな、ふとロストの虚しさを感じるような旋律は言うまでもないです。

つまるところ、音楽がいいゲームは良いゲームなんです。(極論)


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