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瞬く


緑色の魚が花壇の隙間を縫って泳いでいる

ぴちぴちと鱗を煌めかせながら忙しなく進む姿を眺めていたら、放課後の君を思い出した

淡く桃色に染まっていたのは第二教室から流れるトランペットの音色

私たちはまだ深い記憶の底で眠たげな瞼を擦りながら懸命に未来を見つめている

なぜか悲しい君の鼓動に密かに気づいて手を当てながら

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