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鰐の夜

深く押し込めた心が
つわり、つわりと光っている。
自らの醜さに反して
生々しくも脈打つ衝動。
他では満たせないのだ。
早く吐出してしまえば良いのに
ミソッカスの理性がそれを許さない。
どうしても好きだ、などというマヤカシが
世界に蔓延する夜。
こんなにも狂っているのは妙薬のせいだろう。
誰もあなたを好きではないし
誰もあなたを愛さないけど
あなたは彼女を愛している。
私はそれを知っている。
見つめるべき眼差しなどドブに捨ててやる。

ずっと狂っているのだこの脳味噌は。
14の頃の深い眠りが、いまだに継続している。
きっと、いや、もしも
思い詰めたままこの人生を終えるとしても
私は私の人生を褒めてやれるだろうか。

そう問いかけるとどうにもたまらなくなって
夜に救いを求めてみたりもするけれど
結局のところこの心臓は、あなたのために脈打っているだけだから
あなたはまだまだ生き続けるから
堂々巡りの修羅場。

歌うように掬うように
日々を生きて
生きて
生きて
願いがやがて決意に変わる
脆く柔い決意
もしもあなたの御仁が決意などという言葉を使うなら
即刻離れるが吉ですよ

信用なんて言葉、最も人間に相応しくないでしょう?
あなたと私はずっとすれ違っているのに。

可愛くもない反抗期があなたを泣かせる。
わかっているから,こねて丸めて
明日の荒野にそっと流すのよ

愛されたいという意味でなく
あなたを愛したいと
そう許されたいと
それだけ求めて
__________、を踏み締める

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