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実用的な使われ方のルール|語用論-1

※この記事は7月31日に発売した書籍「凡人専用 英語攻略マニュアル」の一部です。期間限定で定期的 (3日に1回くらい) に本書の一部内容を公開していきます。
▽全編は下記 Kindleページから



英語の側面の2つ目は「実生活での英語の使われ方のルール」になります。前の項目「語順・文法」を読んだ人の中には、

「語順の理解と特訓って、まさに学校の英語の授業とか大学受験でやったけどな」

という感想を持たれる方もいると思います。そして、


「やったけど英語話せませんけど」

と思ってる人もいると思います。この原因として考えられる主要な理由は、3つくらいあると思います。

1つ目は、

「英語の理解が浅い、または現役時代は理解してたけど今は忘れている」

です。英語のルールの理解が深まると、点だった知識が繋がって線になり、線が繋がって面になります。英語の知識が面になると、英語の全体像が把握できます。この状態を目指す必要があります。

 学生時代に英語を勉強したけど、英語の全体像を体系的に把握できるまでやっていない、または時間がたって記憶が薄れ、今は知識が点在している。などが原因の可能性があります。これは、知識学習のやり直しで解決できると思います。

2つ目は、

純粋に「特訓の量」が足りていない可能性です。前述した通り、英語には「知識の勉強」の他に「特訓の勉強」があります。日本の英語教育では文法を学んで読解をやりますが、スピーキングはあまりやりません。

「英語を話す」とは、瞬時に正しい単語を正しい順に口頭で並べられる状態のことです。その作業に慣れていないと苦戦します。慣れるための特訓が必要なのです。

日本の英語教育ではこの特訓をする機会が少ないです。理解した英語のルールを駆使して文を作る作業が足りていない事が原因として考えられます。

そしてこれは「特訓」を目的とした学習で解決できると思います。

そして3つ目の原因がこの項目のテーマになります。

「英語の規則を理解していると直訳的に英語を理解できるけど、直訳と意訳・機能との間にギャップがあるかことが多いから」

という理由があります。

英語のルール・規則を理解していると、英語の文章を組み立てたり、読んだり聞いたりして理解できる可能性がかなり高まります。しかし、それだけでは不十分なんです。
この項目では、この3つ目の原因について解説します。

2-1.文法の存在意義は手段

「なぜ英語の文法(語順)ルールを理解して特訓するだけでは不十分なのか」について解説するためにまず、文法の存在意義について解説します。

英語に限らず世の中の言語というのは、雑草が生え広がって広大な芝生ができるように広がって行ったらしいです。
#grassroots phenomena

 言語の起源というのはきっと、狩りの対象になりそうな野生動物を見て、それを指さして「ウホウホ」と群れの一人が言って、群れの共通理解として「ウホウホ=狩りの対象になる動物」という風に定着していった、という感じの話だったんだと思います。
#予想かよ
#でも多分あながち間違ってない

英語に関して言うと、今のイギリス人は元々ラテン語をベースとした言語を話していましたが、北からはバイキング(北欧)、南からフランスの影響を受け、彼らの言語とミックスして今の英語の原型になった、と言われています。

何百年も英語はその地域の人々によって話されてきました。そしてアメリカやカナダ、オーストラリアに開拓者が住み着いて、それらの国も英語圏になりました。

そしてある日、お偉いさんが英語を研究して法則やパターン、規則を見つけます。それが「文法」です。英文法に関する本が初めて出版されたのは、記録では1580年代らしいです。
#William Bullokarて人だって

ところで、昔の戦争では戦況を有利にするために相手部族や相手国の言語を理解しようと、研究したりしたらしいです。
#言葉が理解できないと尋問できない
#急に怖い

ここで重要なのは、間違っても学者が集まって試行錯誤した結果「文法」をこしらえて、その文法に則った言語を作り上げた、なんて事は決してありません。既にあった言語を、分析しただけです。

学者が言語を研究して法則やパターンを探した動機は色々あったと思います。戦争に勝つためだったかもしれませんし、学者の純粋な興味だったかもしれません。でも間違いなく、その言語を理解するためだったはずです。
#それ以外の理由ある?

その言語で書いてある書物を理解する
その言語を話す人の言っていることを理解する
その言語を話す人とコミュニケーションする

など。

英語を分析して文の法則を見つけ出した(それ即ち文法)理由は、英語を使うという「目的」を達成させるための「手段」でした。

「英語が使えるようになる」という目的を達成する為の手段として文法を学びます。
「英語が使える」とは、「話せる」、「読める」、「聴ける」、「書ける」状態の事です。

4技能と呼ばれたりしますが、これができるなら別に文法は忘れても良いとすら思います。
#英語講師になりたい人は忘れたらダメだよ


2-2.文法の限界: 直訳と意訳・機能の差

元々存在した言語を研究して規則やパターンを見つけただけなので、規則やパターンに沿わない、収まらない例外が必ずあったりします。

「英語の A+B は = C である」

と文法研究者がいくら叫んでも、イギリス人が皆「A+B=Dだよね?」と言ったら、そっちが正しいんです。そんな例をいくつか紹介します。


続きは次回


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