危機管理は経営の必修科目『OODA 危機管理と効率・達成を叶えるマネジメント』
近年あらゆる場面で危機管理、リスクマネジメントという言葉を目にする。順調に事業を伸ばしていた企業がたった一つの不祥事で倒産の危機に瀕することがある。危機管理は経営陣自らが本気で取り組まないといけない、いわば必修科目となっている。品質保証や総務部に任せっぱなしではいけないのである。
危機管理とは何か、リーダー(経営陣)としての心構えを学ぶ上で、元日本航空(JAL)の小林宏之氏の著作『OODA 危機管理と効率・達成をマネジメント』は必読書である。
危機管理能力とは以下の二つに集約される
・危機を未然に防止できる力
・危機が発生した際の最悪の事態を防ぐ被害極限対応できる力
これらを実施するのにOODAが必要だというのが本著の主張である。
OODAとは
本のタイトルともなるOODAとは以下の通りである。
Observation:観察
Orient:状況判断
Decide:決定
Act:行動
上記の行動をぐるぐる回すことをOODAループと呼ばれ、PDCAサイクルと比較される。PDCAとの違いは「計画」がないことだ。僕なりの解釈をすると「臨機応変に意思決定をしていく」ということになる。JALのパイロットであった小林氏が現場である航空機の操縦で求められてきたのがOODAそのものだった、ということだろう。
僕自身はサッカーに似ていると感じた。ボールを受ける前に「観察」し、何をすべきか「状況判断」し、判断のもとに「決定」した「行動」を取る。目まぐるしく状況が変わる中で、OODAループの繰り返しとなる。「決定」と「行動」がほぼ同時に実施されるのが仕事とは違うかもしれない。
又、一般的なサービス業、製造業ではトラブルが発生した時に、解決するまでの時間が航空機の操縦やサッカーに比較して長いケースがほとんど。それでも計画外のことが起こったときにはOODAで対処していくのが実際だし、リーダーに求められるのはスピード感ある意思決定だ。
危機管理とはリーダーシップそのもの
本著の半分以上はリーダーシップについて語られている。つまり、危機管理、リスクマネジメントとはリーダーの仕事であるということだ。繰り返しになるが以下の2つの能力を磨いていくことがリーダーの求められる。
・危機を未然に防止できる力
・危機が発生した際の最悪の事態を防ぐ被害極限対応できる力
VUCAの時代に生き抜くリーダーは一読すべき内容。
尚、Kindle Unlimitedであれば無料で読めるのでKindle Unlimitedへの加入はこの本一冊で元が取れる。
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