L2

蝶々がお互いを見分ける方法についての文章です。東京大学の過去問のようです。第一文は長ったらしいですが丁寧に分けていけば文意はつかめます。前から読んでいって問題いないでしょう。in whichなどの前置詞+関係代名詞を見ても難しそうだとは思わずにサクサク読み進めましょう。必ず後ろに、その前置詞が欠落している(埋め込むことができる)部分があります。今回で言えば、"males and females have distinctly different appearances in studies" という文の in studiesが前に来て, in which となっているわけです。二文目、determineの目的語がwhether以下になっています。conspecific(同種の)は難単語ですが、語源的に考えればcon(共に)+specify(特定する)、つまり同一だと特定される=同一種の、ということでしょうか。「共に、まったく(強意)」を意味するcomという接頭辞は、b,p,mの前ではそのままcomですが、その他のつづりの前ではcon,coに変化します。どうでもいいですけどね。

第三文、主語の後に ,で文の主節が挿入されています。"it can be argued that"は文頭にもってきて考えましょう。that節は、文の最後まで続きます。主張され得る内容が、文全体であるということです。

第二パート。本文八行目は非常に練習になる構文が使われています。”Both sexes appear an identical yellow to the human eye"まではSVCの一般的な文ですが、問題はそのあとです。,があって、そのあとが"the shadow being produced~"と名詞の後ろに動名詞が続いています。   S  V~~~, 名詞 ~ingの形を見つけたら、それはどの構文が使われているのかを見分けなければなりません。すべての候補を挙げていきます。

①現在分詞の後置修飾・・・一番見分けやすいパターン         ex The man running there is my friend.(あそこを走っている男性は私の友人です。)

②知覚動詞のあと・・・意外と見落としやすいかも           ex Yesterday, I saw the man running there .(昨日、その男性があそこを走っているのを見ました。)

③前置詞の後の意味上の主語                     ex He insisted on Susan going. (彼はスーザンが行くことを強く主張した。)

④前置詞+名詞+分詞(能動体)の場合(あんまり見ないかも)      ex He ran up to me with his eyes shining.(彼は目を輝かせて駆け寄ってきた。)

※この分詞が受動態だと、有名なwith his eyes closed というふうになります。補足ですが、能動と受動の関係について。前者の場合、前置詞の目的語(例文ではhis eyes)とそのあとの分詞には能動の関係(~する)があります。(his eyes shineというSV関係。)一方、後者の受動の場合は受動の関係(~される)があります。(his eyes はcloseさせられるという受動関係。)

※さらに、この前置詞を取り去ると、次項で説明する独立分詞構文になります。

⑤独立分詞構文・・・一番見落としやすく重要で、そして本文で使われているのコレです。, A ~ingの形をとります。考え方としては、通常の分詞構文にAが付いたということです。本来分詞構文では、主節の部分と分詞構文になっている部分の主語は同じという重要原則があります。ex Seeing me, the man ran away. (私を見ると、男は逃げ去った。)という文では、分詞構文部分、see me の主語はthe man 、そして主節部分でも主語はthe manです。

しかし分詞構文の構造を使って物事を表したいのに、分詞構文部分の主語と主節の主語が一致しない場合があります。その時にはその新たな(というか分詞構文を作るにあたって取り除くはずの)主語を分詞構文部分の分詞の前にそのままおいておこう!!というのが独立分詞構文です。       ex The sun having risen, she opened the curtain.(太陽が昇ったので、彼女はカーテンを開けた。) 分詞構文的に表現を濁したいのに、have risenするのと、openする主語が太陽と彼女で違います。なので分詞構文部分に本来の主語であるThe sunはそのまま残しておくということです。

今回、本文では主節部分ではBoth sexes が主語のSVCですが、そのあとの独立分詞構文部分はthe shade が主語です。主節部分の内容に接続詞を使うことなく付加情報を加える、という点では通常の分詞構文と何ら変わりありません。文章構造が複雑ですが、文を二つにきっちりと分けて考えれば掴めると思います。(本文訳例では文章を一度切って、二つに分けています。)

訳例 ちょうちょの半透明の羽を覆う小さな鱗粉に含まれる色素により、濃淡は生じるが、両性とも人間の目には同一の黄色に見える。

⑥ SVOCの文・・・長い説明の後に残念ですが、keep O Cといった有名な奴です。ここでもOとCの間には能動の関係があることを確認してください。


本文11行目、文中,で区切られているhoweverは文頭にもっていきましょう。

最終文の格子となる動詞はreflectです。そこまではすべて主語となります。

おわり




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?