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2号店オープン!しかし、やはり待っていた茨の道…

 2号店の話に合わせて、秋平の新メンバーが加入した話はこちらへ。

 いよいよ秋平の新章が始まる。チェンナイのサントメという地で二号店をオープンさせるのだ。とは言っても、インターン生のユーキと、シェフのヒロシさんは、秋平に合流して間もない。まだ秋平のこともチェンナイのこともよく分からないままだった。しかし、彼らの来チェン(チェンナイに到着)一週間後には二号店のオープンが差し迫っていた。

 ということで、まずは一週間、一号店にて、ある程度の仕事内容を把握してもらっていた。ユーキには、僕の全ての仕事を覚えてもらった。従業員の給料計算の方法、アッサムズたち一人一人の特徴や扱い方、水・ガス・電気が止まった時などの、インドならではのトラブル対処法。慣れない外国の地であるが、彼は貪欲に習得していった。

 ヒロシさんには秋平の代名詞となっているラーメンを試食してもらい、秋平の味を理解してもらう。その上で、ヒロシさん特製の日印料理を生み出していく。日印料理とは、ヒロシさんこだわりの表現で「現地の食材を使い、インドでしか食べることのできない日本食」のこと。この言葉の通り、現在秋平には、現地の魚のお刺身など秋平でしか食べられない和食の数々が揃っている。

 インドでは、物事が何もかも遅々として進むので、締め切りを決めてしまわないと、新店舗なんてオープンできない。一号店の時もそうだったように、開店日を先に決め、それに向けてインド人たちのケツを叩きまくる。もちろん叩くだけでは動かないので、自分たちで動いて、見せる。自分たちで動きすぎるとインド人たちが動かなくなる。バランスむず!とか思いながらも、そんな感じでやる。

 ということで、2人にとってはいきなりの、且つ、かなりのハードワークだったと思う。到着してから1ヶ月くらいは、朝から晩まで休みなく働いてもらった。

 そしていよいよサントメ店のグランドオープン当日を迎えた。今までのラーメンに加え、ヒロシさん特製の日印料理。さらには、お酒の提供も開始した。チェンナイ(インド)のお酒事情はなかなか厳しいもので、そう簡単には提供することはできない。ライセンスが必要なのだ。ライセンスを買うのにも、激高のライセンス料を払わなくてはいけなかったり、ハードル激高のルールがあったりする。

 そのルールの一つとして“ホテルであること”が挙げられる。20室以上の部屋があるくらいの規模でないと、ライセンスを取ろうとすることもできない。サントメ店は先述の通り、ホテルの中である。部屋数も20室以上ある。

「ライセンス取りましょう!」

 と、ホテルオーナーに伝えた。そして僕らは、もうライセンスは取れるものとして、フライングでお酒の提供を始めた。日本人のお客さんは、お酒が提供できないと一切来店してくれない。シビアではあるが、分かりやすくもある。“酒があれば来る”のだ。
※ここで、わざわざこんなことを書くってことは、いつかお酒の提供に関する問題が出てくるって伏線張ってるってことだから、みんな覚えておくように。

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