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ダリハイ祭2 おぼえがき



みなさんこんにちは。しがないnoisemaidと申します。
さる2024年1月27日、年明け気分もすっかり抜けるころ、twichにて国内hyperflipの最前線イベントことダリハイ祭2が行われました。

皆様におかれましては当日、各自暴れまわったり泳ぎまわったり噴火したりいろいろされてきたとは思うのですが、まああれから2週間以上が経ち(ほんとうは1週間後にあげる記事のはずでした…)各々の日常に戻りつつあると思うので、あのイベントが記憶からこぼれ落ちてしまう前に多少のおぼえがきをしとうございます。
そしてせっかくですし、僭越ながらあのイベントに際し末席を汚させて頂いたわけであるわたくしめが参加者としての感想なぞを残したりする記事にございますわよ。

かんたん経緯

ちょうどこういうジャンルを聞き始めたのが1年前の今ごろでした。誰か(ほんとうに申し訳ないのですが覚えてない)の年ベスに『farewell dariacore- you WONT be missed』が入ってるのを見て、最初はあまりにもあまりな出音とジャケ写にためらい、ロスフロさんのとこの他のライトめなアルバムから聞いていたのですが、しばらくそういう音に浸かっていると耳も慣れてくるもので、改めて先のアルバムを聞いたところその面白さに目覚めたというカンジでした。だからdariacoreおよびhyperflipに興味を持ったのは初めからロスフロさん経由でして、そういう意味でもこのイベントに参加できたのはかなり自分にとって大きいものでしたね。
このライトめなアルバムというのは『abate-breakdown』『Enter The Stage』『Breakbouncer Fantasia』あたりです。このへんのアルバムも自分のなかではけっこう大きいものですね。ここが刺さらなかったらその先を聴こうとはならなかったたので…。
ちなみに当時ロスフロさんの最新リリースがtravongleからtakahiro(FKS)さんに変わったあたりだったのは覚えていたので確認したところ、ちょうど1月28、9日だったことがわかりました。このイベントのほぼぴったり1年前でした。
それからまあいろいろありましてサンクラの沼にずぶずぶとはまったりなんだりして今に至るわけですが、ダリハイ祭についても第一回の時に自宅で見ていてすげ~と思った記憶があります。
そして季節は巡り10月、限界集落にてダリハイ祭2の参加表明フォームが開かれたのを見て、「出たい」と「とはいえ実績も経験もなくてマジでムリ」の強いふたつの感情の板挟みになっていたところ、雪風さんが「今の時点で参加者少ない」、みたいな内容をつぶやいてたのと、あと公式に後押しされたのを機に参加を表明。

メンバー発表


31日、参加者にDMでフライヤーが配られる。そして11月6日に公式発表という流れ。

xaev?????????

ていうかうすうす分かってはいたけどメンバー豪華すぎないか?????
いままでサウンドクラウドで聴いてた人たちが一挙に集結なんですけど…


当たり前ですが、全員トラックメイカーorDJの実績がある方々で、知名度なし実績なしは漏れだけという結果に。というかそんな状態でイベントに参加しようとするな(この時はまだDDJも購入してない)。


mixどうすんの問題

マジでどうするんだ?????






技術で押す→技術がある人たちばっか
選曲で押す→Jazzputinがいる
知名度→とくにない
live set→曲つくれない
ふざける→しばくでがいる




つみです





おわり








とは参加表明した以上できないので、しばらく構成に悩むことに。前回もすごかったので、ここで下手な動きはできないというか、どうしても他の方々に追いつくまではいかないまでも持ち味かなんかでカバーできる領域のものを作り上げなければいけないプレッシャーがありました。とはいえさっきも言ったように、コアな選曲が出来ない≒アンセムばっか流すことになりがちという以上曲被りはまず避けられないし、こんな大きい場でみなさんをしらけさせるわけにはいきません。ほんとにどうしよう。

おかしくなっちゃうよ

そこに天啓が舞い降りました。もうこうなったら当たって砕けろの精神で、逆に『全て』を流せばいいのでは?

というか名義からしてほぼ誰にもわからない元ネタで来ているので、いっそのこと好きなもの全部入れてしまえばいいかなって思いました。そもそも某ソシャゲやアニメのキャラの名前を冠したDJやトラックメイカーなど、もともとsoundcloudの界隈って自分の好きで殴りあうみたいな雰囲気が強いじゃないですか。そして好きな曲を、サンプリングを駆使して作り変えるなんてのはもはやその極地ですよね。そんな祭りの会場で自分の好きをさらけ出さずにどうすんのって吹っ切れ、ああいう感じのものが出来ました。

まあ結果として面白いものができた上、皆様から結構な反応をいただきうれしい限りです。このへんは次の記事で詳しく触れます。


当日まで走り抜けろ!

それでも直前はやっぱり不安に駆られていました。

  ↑ 不安にあえぐnoisemaid集

ここまでもそうでしたが本番まではとにかく「あれでよかったのか…?」と「自分でよかったのか…?」でかなりいっぱいいっぱいでした。あとはFLX4楽しい期に入ってたのでdiscordでDJ配信とかして過ごしてました。


本番前々日から緊張で眠れなくなる。遠足前の小学生?

走り抜けた先

そんなこんなで当日ぎりぎり12時半に起き、一番手のSDF 2.0の[ネタバレ防止]を見ながら納豆ごはんを食べ、あとは自室で最後まで鑑賞。比喩じゃなく時間がたつのを忘れ、第一回より知ってる曲やいいなと思う琴線が広がったのもあり、こんなに一日って短かったんだという感想を味わいました。

具体的な内容ですが、当日の自分は常に七色に発光しながら光速の3倍のスピードで無重力空間を突き進んでいたので記憶がおぼろげです。


おぼえがきってなんだよ。

きらいりサンあたりから動悸がしはじめ、出番が近づくにつれ気が気じゃなくなる。本当に無礼を承知で言いますが、直前はほぼ集中出来てませんでした。IFFYHYPEのmixは後日ちゃんとsoundcloudで集中して聞きました。本当にごめんなさい。

そして自分の番直前。過去ないくらい脚が震えまくる。気の利いた開始ツイートを考えるもなにも思いつかず、ガチで行く宣言をするにとどまる。この瞬間までめちゃ怖かったです。不安だった~~~~

あとは野となれ山となれでしたが、予想以上のコメント頂いてテンパリングでした。年明けしたり法に触れたり、おもろいコメントたくさん頂いてありがたい限りです。

ポストペタペタで草なんだ

いろんな興奮で過去ないくらい脚が震えまくる(2度目)。一日で過去一を2回更新。

あとこれはかなりブレがあるので諸説ありますが、直前からDJ終わりまでで40人くらい視聴者の方が増えて、本当にありがとうございますだ。

次がJazzputinという神の流れで、やってよかったなという嬉しさを嚙みしめながら良い音楽に耳を預けることができて最高でした。ありがとう世界。

全員優勝。出演者はもちろんのこと、チャットにいる一人ひとりも欠けてはあの感覚は得られませんでした。主催から観客の皆様に至るまで、このイベントに関わった全ての感謝の極みです。𝓑𝓘𝓖 𝓚𝓪𝓷𝓼𝔂𝓪... 𝓑𝓘𝓖 𝓚𝓪𝓷𝓼𝔂𝓪...


それがどんな姿、どんな形をしていようとも。


どこぞの記事で拝読しましたが、dariacore,hyperflipがはじめから文化的に死んでいることによって、大量消費によって成り立つ現在のコンテンツの中でその立ち位置を獲得したという話があります。しかしleroyはdariacoreよ永遠なれ、とは言いませんでした。この時点で、dariacoreはその永遠性をものにすることはありませんでした。結局その不死性は、やはり大量消費の中でしかあり得ないものであったからです。ですがhyperflipはなんの因果か、それすらも飲み込み、時代の先端と後方を、由来も離れた曲同士を、アニメとアニメを、音楽性とナンセンスを、創造と破壊を接続し続けながら突き進むことになりました。
一方hyperflipがコンテンツとしての死を克服したとは言い難いところがあります。いわば我々は、死が既に確定した中で「おまけの一日」を過ごしているに過ぎません。そこに明日があるわけではない。ますます加速し、比喩ではなく全ての音楽や常識が翌日には書き換わるようなこの世界では、もはや生み出されたものたちはすぐそばにあるコンテンツとしての死を逃れることは不可能であるかもしれません。それがどんなにアンダーグラウンドなものであろうと、全てを結びつけたhyperflipがまた現代という時代性すらも接合してしまったように、すでに「死んだ」音楽をサンプリングとして蘇らせたというそれらも、いつかは時代遅れなサウンドデザインと揶揄されるのかもしれません。
時間はただ一方向にしか進みません。この音楽にいかなる形で関わっているいかなる人間も、これから各々の日常を探すうち、たくさんのものが記憶からこぼれ落ちてしまうことでしょう。ひょっとしたら音楽をやめてしまう人もいるかもしれません。ですが、このインターネットの発熱を懐かしく思う日が必ずくると私は信じています。
仮にhyperflipが死んだとしましょう。未来でどんな音楽が流行っているか想像もつきませんが、とにかくhyperflipが古臭いものになったとしましょう。それでも、一人でも、どこかでそれを発掘する者は現れます。サンプリングの元ネタなんてわからなくとも、それが刺さる人間は絶対に居ます。なぜなら、hyperflipがその役割をこなしたからです。この音楽が抱合し、そして作り出した入れ子構造はその外に位置する人々をも連れ込んで、一つの文脈に繋ぎ止めてしまう力を持ちます。hyperflipが死に瀕した音楽の墓を暴いたように、hyperflipの墓を暴く者も必ず生まれるでしょう。それを産むことこそが、いま墓を掘り出す我々に課された役目だと私は思うのです。

ぼくらはみんな墓荒らし。


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