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鋭児から感じた、愛と情熱と、その中にある強さと優しさ【錯覚@梅田クラブクアトロ】

疑うもの。信じるもの。涙も出ないほど悔しくて、それでもおかしな社会や、自分が"間違っている"と感じることに、全力で"No"を突きつけ続けた。「いつも何かと戦ってるね」って他人事で片付けられてた孤独な私を今になって肯定してくれる。

いつからかヒーローを求めてた。この世界を変えてくれるヒーローを待ってた。それは大きい世界でも小さい世界でもそう。もう自分は傷つきたくない一心で、変えてくれる誰かをただ待ってるだけだった。

でもそんな感情すらバカバカしくなるようなストレートに「食らった」ライブが行われたのは大阪。梅田クラブクアトロ。betcover!!と鋭児のツーマンライブ。その日の鋭児の演奏に食らったのだった。

「IGNITE」「超新星」とオルタナティブなニュアンスの楽曲からスタート。「What's up 梅田クアトロ!鋭児です。」と暗闇の中で挨拶するボーカルの御厨響一さん。「あぁ、いま鋭児のライブ見てるんだな。」とやけに実感した。と言ったものの、実際ライブ中はリリースされていない「超新星」は一曲のまとまりとして認識できず、「あれ?いまのJamだったかな?」と、三曲目「R.I.P.」が来るまでは、ただ漂う言葉に耳を澄ませ、身体をさらってくれる音の波に身を任せていただけだった。

「R.I.P.」のイントロで響一さんの口から発された「みんな分かってる」の言葉には大声で"Yes"を伝えたい衝動に駆られた。この曲はキーボードの藤田聖史さんが、ただライブを観ているという体験以上のものを経験させてくれる。もはや不思議な感覚にもなるし、どこか夢見心地で、それでいてリアルで、とにかく音のうねりが。いや、もう言葉にするのも嫌になるぐらい。最高だった。

その後「突然変異」の前にJam Sessionを挟み、「World is Mine」の前にもJam Sessionを挟む。(公式Twitterが載せたSetlistより)

今回に限らず鋭児のライブでは「これは未配信の楽曲か?知らないだけか?」と思わせるぐらいクオリティの高いセッションが聴ける。というかイントロとアウトロを内包するように曲と曲を繋げるセッション。流れるように地続きで響き続ける曲。そのライブの場所、時間、客、空間、全てを吸収して反映したようなセッション。毎回異なるgrooveを味わえる。(うん。正直、全部行きたくなるんだよね。)

ラスト二曲、「$uper $onic」から「Fire」へと圧倒されるぐらいの熱気が溢れ、熱量の高いオーディエンスが自由に踊る。今まで大阪で見た鋭児のライブと、明らかにオーディエンスの熱量が異なり、途中呆然と周りを見回した記憶がある。鋭児が発する波動が刺激となり、みんなのジャンプで波打つ床と、バスドラやベースが轟かせる低音と、自分の心の波動と、もう全ての波形が重なりあう瞬間があった。

「いつまでたっても変わらないなら俺らがこの時代を担ってやる」響一さんが歌いながら語ることはどこか別の世界で起きてることでも何でもない。この同じ地球の中で、あるいはこの日本の中ではっきりと起きていることだ。響一さんがよく使う言葉「地球に生まれた地球人」として。私たち"地球人"として、自分に密接している出来事なのだ。絶対に"World is Mine"なのだ。

もっとライブでのサウンド感や、楽曲アレンジについて詳しく書きたいけど諦めてしまっている自分がいる。ライブを見終わってすぐは「やべー」って言葉しか出てこなくなるし、それぐらいの衝撃を鋭児のライブでは体験できる。

とにかく見に行けるライブがあれば今すぐにチケットを取って見に行ってほしい。この日鋭児が宇宙の彼方へ連れて行ってくれたように、みんなのことを第七層のその先までも連れて行ってくれるはず。


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