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【Dota世界大会】ついにTI2022が開幕!グループステージの結果まとめ【TI2022】

今、世界で一番強いチームはどこなのか。

2022年10月15日、TI2022がシンガポールで開幕しました。

4日間のグループステージは本当にあっという間でした。
というか一日50試合はいくらなんでも情報量が多すぎ。

そんなわけで今回は、グループステージの結果まとめです。
ついでに私が個人的に注目したいくつかのトピックについて話していこうと思います。


結果

画像はいつも通りLiquipediaより。

各グループから8チームずつがメインイベントと言われるトーナメントに進出。
特に上位4チームずつはトーナメントの上側(Upper Bracket)、つまり1敗してもまだ優勝の可能性が残る山へと振り分けられます。

ダブルエリミネーショントーナメントは本来1敗しても優勝の可能性がありますが、
グループ1-4位と5-8位の差別化のため、5-8位は後がない状態から始まります。

さて、客観的なお話はここまでにして、ここからは私の趣味と興味に全振りしてお送りします。
とはいえ客観的なデータも好きなので、まずはその辺りから。

10勝ライン?

先ほどの順位表の通り、4位以上となるには10勝8敗の成績が必要でした。
これ、実は前回大会の上位進出ラインとちょうど同じ勝ち数なんです。
しかし単に同じだった、では少し説明が付きません。
こちらをご覧ください。

TI2021のグループリーグ結果です。
こちらも同じく10勝すれば4位に入れましたが…?

前回大会は各グループ9チームで構成された全16試合で10勝6敗が必要でした。勝率で言うと62.5%。
今回は10チームのグループなので18試合。勝率は55.6%。
おや?

参加チーム数増えたのに4位になるための必要勝率が下がったでござる。

今回はグループBの開幕戦が全チーム1-1だったことも話題になったように、実力が非常に拮抗したリーグ戦が繰り広げられました。

この上なくどうでもいい情報を書きますと、
私の画像フォルダの中でこの画像は"DrawRanger"と名前がついています。

このようなどのチームも勝ちうる/負けうる面白いリーグ戦の結果として、今回の上位進出ラインが実質的に下がった、ということなのでしょう。

それにしても今回のグループリーグは本当に様々な出来事がありました。
それではこの辺りから本格的に私の趣味全開でお送りしていきます。

Evil Geniuses、Aグループを独走

失礼を承知で正直に言えば、彼らの1位通過を予想していた人は少ないのではないでしょうか。

初日LGDやOGなどを相手に全勝した時点で「おや?」という感じでしたが、その後も順調に勝ち星を伸ばしてUpperBracket入り確定一番乗り。
最終戦に至ってはトップ通過すら確定した状態での消化試合となりました。

どれだけ負けてもStorm Spiritをピックし続けていたあのチームは一体何だったんでしょう。

チームのエースを務めるArteezy(RTZ)がかなり古参プレイヤーということもあってか、「そろそろ彼に栄冠を」という声も高まってきたように思われます。
果たしてプレーオフではどういう戦いぶりを見せてくれるでしょうか。

RNGの急失速

中国予選を勝ち抜いてTI出場を決めたRNG。
2日目終了時点ではこの通り圧倒的な成績でした。

正直RNGもEGもここまで独走するとは思ってませんでした。

ところが3日目の朝、中国勢対決となったRNG vs LGDが思わぬ形で決着します。

その後ミッドプレイヤーSomnusの体調不良、さらには彼を含む4選手のコロナウイルス陽性が公表されました。
即棄権もありえた状況ですが、彼らは病院で隔離されながらプレイを続行。
しかし特にSomnusの体調の悪さは散々なものだったようで、2日間で勝率9割を誇った彼らの姿はそこにはありませんでした。

前半2日間で作った貯金を後半2日で使い果たす形でなんとかLowerBracketながらメインイベント進出となった彼ら。
どのような形で参戦するのか分かりませんが、全力を出し切れる状況になることを願うばかりです。

ラストチャンスをつかみ取ったチームの躍動

今大会から導入された新ルール、ラストチャンス予選。
各地域2位・3位のチーム計12チームで戦い、2チームが本戦に出場できます。

初めてのこのシステムを活かしてTI2022へコマを進めたのがTeam SecretとTeam Liquidの2チーム。
なんと西ヨーロッパ予選の2位・3位が揃って勝ち抜くという結果になりました。

そして彼らはその勢いそのままにグループステージでも躍動。
両チームともに各グループで13勝5敗の2位と、素晴らしい結果を残しました。
M-1の敗者復活なんかでも「彼らがどうして準決勝で負けた」的なことを言われがちですが、まさかDotaでもそれが起こるとは、という感じですね。

BOOM Esports、執念のタイブレーク

最終日に最終節を残すのみとなったAグループは、3日目終了時点で4チームに敗退の可能性がありました。

各節2試合ずつ行うため、特に最下位のBOOM EsportsはGaimin Gladiatorsに追いつく可能性はありません。
したがってBOOM Esportsが敗退を逃れるためのシナリオはかなり細いものとなっていました。

BOOM Esportsが2連勝
BetBoom Teamが2連敗または1勝1敗
Soniqsが2連敗

たとえば各チームの勝率を50%とするなら、こうなる可能性はわずか4.7%。
この後のタイブレークまで考えれば実現確率1%台の本当にか細い道のり。

しかし実際にはこの細い勝ち筋をつかみ取ったBOOM EsportsはBetBoom、Soniqsとの3者タイブレークへ進出。
さらにタイブレークでは彼らとの直接対決で連勝、なんとか8位としてメインイベントへと滑り込みました。

逃げ切ったEntity

一方のグループBも敗退をかけたタイブレークが行われました。
グループBは最終日に2節残っていたためグループAと比べ条件はかなり複雑でした。
特にEntity-Talonの直接対決が残っていたため、この試合の勝敗はかなり影響すると見られていました。

そして最終日の朝、注目の直接対決はTalonの2-0勝利。
これで追いつきます。
後がなくなったEntityは最終節の相手がTundra Esports。グループ1位を走る強豪です。
一方のTalonの相手はラストチャンスからノリにノッているSecret。
どちらも1本でも多く取って"空港"から遠ざかりたいところでしたが…

上位チームによる無慈悲な2-0。

というわけでタイブレークに突入。
さっき試合したばっかりやん、という気持ちも起こりそうなもんですが、敗退が絡む順位で並んだ場合にはタイブレーク、がルールです。

そして本当に最後の最後。
後がないこのタイブレークの結果はというと。

まぁこの章のタイトルで既にネタバレしちゃってましたが。

というわけでEntityが辛くも逃げ切り、メインイベントへ進出となりました。

王者の2連覇に黄色信号?

前回TI2021を劇的に制したTeam Spirit。
直前に行われたアーリントンメジャーを優勝し、昨年のTI優勝が決してフロックではないことを示したかに見えましたが…

初日:3-1(1位タイ)
2日目:3-3(3位タイ)
3日目:1-3(5位タイ)
4日目:2-2(6位)

滑り出しこそ良かったものの、その後はディフェンディングチャンピオンらしからぬ戦績でズルズルと後退。

結果はグループステージ6位ということで、メインイベントでは負けたら終わりのLowerBracketからの参戦となります。
過去にLowerを勝ち上がってTIを優勝したチームも無いわけではありませんが、Lowerスタートで優勝したチームはありません。(多分。例外があればこっそり教えてください)
連覇を目指すSpiritとしてはかなり厳しい道のりとなりました。

最後に

私としては珍しくOGの話をしなかったんですが、なんか他のチームの話と被りそうだったので今回は自重しました。

結構彼らは彼らで細い勝ち筋を通してUpper Bracket入りを決めたんですけどもね。
まぁその話はいいでしょう。
(現在時刻がかなり24時に近くてそろそろ執筆を終えなくては、という思惑が働いていることは無視してください)

ともあれ、いよいよTI2022も本番、メインイベントが明日10/20より始まります。
特にLowerBracketは負けたら即終了の戦いが続きます。
甲子園好きな日本人としては、やはりこういう戦いはシビれますね。

個人的にはそろそろLGDの年が来てもいいとは思っているのですが、今までそういう人々の期待、思惑を全て裏切ってやってきたのもこのTIという大会の歴史です。
今年もまた、思いもよらぬチャンピオンが誕生するのを口を開けて漫然と眺める群衆の一人になるんだろうなぁ、と思っていたりする今日この頃です。
皆さんはいかがお過ごし…っと違う違う、これは私の開幕の挨拶のテンプレでした。

深夜の執筆に入り始めてテンションがおかしくなってきたので、この辺りで筆を止めて公開しようと思います。
何にせよこの記事は今日中に公開しないと意味が無いですから。

というわけで、とあるDotaファンによるTI2022グループステージまとめでした。
それではまた。


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