横田さんのこと

拉致被害者の初代代表をされていた、横田めぐみさんのお父様、横田滋さんの訃報が流れました。

 拉致被害者の方々がマスコミで何年も何度も取り上げられる度に、いつもその最前線で心の声を上げられていた方だったので、そのお姿を目に留める度に、何度も心の中で早く心置きなくお子さんを抱きしめさせてあげて欲しいと思い続けていました。それなのに…、どうしていつもこの国のお偉い方々は時間と言う軸を軽く考えるのだろう。

人間には寿命があり、この問題を解決するのは大変な事だったかもしれないだろうけれど。自分の事として考えたら、あんな風に悠長に行動できただろうかと哀しい気持ちが溢れてしまうのです。

中学1年生だっためぐみさん。その姿を見てから、40年以上、会えない娘さんにいつかもう一度会いたい、抱きしめたいと思い続けて亡くなった滋さん。そしてその傍で同じ思いで看護し、自らもお年でしんどい体でありながら、会いたい思いを成就するために哀しい思いを胸に抱えておられるであろう早紀江さん。お母様のこともとても気にかかって心が重たくなります。

北朝鮮の方々も、同じ目線で考えて欲しいと思います。家族が離れ離れになる苦しみ、全く顔も声も合わすことが出来ず、聞くことが出来ない現実。こんな残酷なことが現実に今もあるなんて…その事があまりにも哀しいのです。

少し前に「愛の不時着」という韓国ドラマをどうしようもない辛い思いで観ました。同じ言語を話す北と南の朝鮮。このような状況にした歴史を恨むべきなのかもしれないです。でも歴史は、時は人間などに構う事なく流れていきます。願わくば、その時を超えて全ての人の幸せを願って欲しい。国と国が歪み合う事で、どちらか片方の国に利益があったとして。それで、もう片方の国の人たちが不幸になることを考えて欲しいと思うのです。

自分の笑顔の向こうに、誰かの涙がある事を全ての人が望まないで欲しいと思います。自分の行動は自分の責任という思いが強い今の人たちに、その責任に必ず優しさを忘れないで欲しいと、心から思ってやみません。

せめて今回のこのとても哀しい現実が、残された拉致被害者のご家族を苦しみから解放される一つの布石になってくれるように…と願わずにはいられません。

横田滋さんのご冥福を心よりお祈り致します。

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