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免許合宿day15「さよなら大渡」

7:30
目覚ましでセットした通りの時刻に起床。Kenは「寝起きがいい」などと言っていたが、なんだかんだ二人とも15分くらいはベッドでダラダラしていた。意外にも、最終日はゆっくりと始まった。

9:25
送迎バスがやってくる時刻になった。我々は重たいスーツケースとリュックを持って宿舎の受付へ行った。初日と同じおじいちゃんとおばあちゃんが待ち構えていて、「頑張ってください」と言われた。14日間ありがとうございました。

10:00
指定された教室に行くと、まだ我々と喪服姉妹しかいなかった。やがて少しずつ人が増えて、今日の卒業試験は12人が受けるということが分かった。隣の席には一昨日の高速教習で一緒だった男の子がいて、手を振った。振り返してくれた。それからすぐに教官がやってきて、試験についての説明を始めた。どうやら試験は先発組と後発組で3人ずつに分かれるらしく、私とKenと喪服姉妹の片割れ(仮免試験で私が話した方、以下M山さんと呼ばせてもらう)が同じチームになった。

10:30
時間が有り余っていたのでKenとしりとりをすることになった。とはいえ大学生が普通にやっても面白くないので、七文字以上という縛りをつけた。これが意外に難しく、やっていると脳汁がドバドバ出ている気がする。暇なときにおすすめです。

11:15
しりとりはなかなか決着がつかなかったが、もうそろそろ試験がやってくるので、教習所のコース内にある待合室(こちらも仮免試験のときに使った場所)に移動することにした。我々が移動しようとすると、M山さんがやってきて「一緒に移動していいですか?」と言われた。三人で移動。待合室には我々以外に人がいなかった。それから30分くらい、三人で雑談をした。彼女が名古屋に住んでいて、東京に憧れがあるという話。ディズニーランドが近いのが特にうらやましいらしい。そんなに近いかな?他にも、帰りは東京に寄って帰るという話、どこかおすすめのスポットはないかという話など、いろいろな話をした。14日間もほぼ一緒の時間割だったにも関わらず、ちゃんと話したのはこれが初めてだった。

11:45
先発組の車が戻ってきた。いよいよ我々の出番だ。順番はM山さん、私、Kenで、交代で路上を走行した。運転手を交代するとき、一度外に出てから入れ替わるのだが、M山さんから私に交代するとき「頑張って」と言われた。私もKenと交代するときに「頑張って」と言った。もはやチーム戦のようだった。三人ともとりあえず問題なく教習所内に戻ってきて、次に方向転換の試験。こちらも大きなミスをすることなく、全員クリアした。

13:15
合格発表まで時間があるとのことで、その間にお昼を食べることにした。最後のお弁当。何だかしみじみしてしまう。と思っていたら、試験を終えて安心したのかKenがお弁当を落としてひっくり返した。本当に何をしているんだ。最後の最後でやらかすとは。お弁当がなくなったKenは、ベルクで買っていたカップ焼きそばを悲しそうに食べていた。ここへ来てあのカップ焼きそばが活きてくるという、変すぎる伏線回収。

あほ


14:00
全員合格!やったね!それからこまごまとした今後の説明や、資料を受け取ったりして、これにて免許合宿は終了した。すぐに送迎バスが来て、我々と喪服姉妹を乗せ、ドアが閉まった。バスが動き出して、景色が右に流れていく。さようなら大渡。ありがとう大渡。

14:30
新前橋駅に到着した。バスは我々とスーツケースを放り出すと、すぐに教習所へ戻っていった。4人でエスカレーターに乗り、ホームへと向かっていると、後ろにいた喪服姉妹から「着いていっていいですか?」と。「どうぞ」と返した。そして4人は電車に揺られて、わずか10分ほどで高崎駅に降り立った。「着いていっていいですか?」と言われたものの、Kenがどうしても高崎駅で行きたいパンケーキの店があるらしく、ここで別れなくてはならない。その旨を伝え、そこでお別れとなった。「じゃあお疲れさまでした」それだけ言い合って、ホームへ降りていく喪服姉妹とは別の方向へ歩き出した。「インスタ交換しよう」みたいな、14日間過ごして仲良くなりました、みたいな、そんな心動かされるような別れ際ではなかった。でも、こういうすっきりした別れ際というのも、それはそれで感動的だなぁと思った。これから先、彼女たちと会うことはもう二度とないだろう。さようなら、喪服姉妹。

15:15
リコッタパンケーキというらしいそれは、柔らかくてクリームたっぷりで美味しかった。Kenなんかコーヒーも一緒に頼んで、おいしそうに啜っていた。束の間の休息。ようやく自由になったという解放感が、パンケーキをより一層美味しく感じさせてくれる。幸せなひとときだった。

左上にライトが反射して太陽みたいになった


16:10
それから、電車に乗って東京まで帰った。イヤホンをして、音楽を聴いたり寝たりしながら、ゆったりと過ごした。赤羽で湘南新宿ラインに乗り換えると、いよいよ東京に戻ってきたという実感がわいてきた。そして電車は新宿に着く。私はここで降り、Kenはもう少しだけ同じ電車に乗る。ここからは、それぞれの帰路。こうして、14日間にわたる壮大な免許合宿が幕を閉じた。

Fin



ここまで拙文を読んでくださりありがとうございました。改めて免許合宿の総括も投稿したいと思います。今後とも私とKenをよろしくお願いいたします。


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