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家族を失った後に襲ってくる契約者死亡によるサービス解約の強烈な煩わしさ

昨年末、父が亡くなった後、父が契約をしていたいろんなサービスの解約手続きを行っている。その解約手続きに、ほぼ毎回、イライラしている。

以下、確認できていないこともあるので、実際に体験したことをもとに書いている。誤解や、記憶違いがあれば、すいません。先に謝っておきます。

解約手続きの煩わしさ

全部が全部、厄介な手続きということではない。でも数が多いので、仮に電話一本で済む解約であっても、煩わしいものは煩わしい。

銀行口座を閉鎖したり、カードが失効したり、残高がなくなった場合に、そのまま会員資格が失われてしまうものは、非常に楽だ。
(例:Amazonプライム)

手続きが楽とは言えないが、銀行は、亡くなった人の扱い、遺産相続など、昔から、様々な問題に対応してきただけあって、対応もわかりやすく、丁寧に誤解がないよう説明もしてくれる(決して、楽というわけではない)。

意外に楽だったのは、SNSのアカウントだ。父のスマホから父のアカウントページにログインできたから、ということもあるが、簡単に「追悼アカウント」に変更できた。最近、乗っ取りもあるし、乗っ取られたらアカウント削除も思うようにできなくなって生前にお付き合いがあった方にも迷惑をかけるので、アカウントを消してしまおうと思っていたが、やりとりしている方もいたので、投稿内容を更新できない「追悼アカウント」に変更した。これは10分程度の作業で完了した。

一番面倒だったのは、携帯キャリア、プロバイダーだ。

当人が亡くなって、死亡診断書があるにも関わらず、
「本人確認書類(運転免許証のコピー)が必要です」
「名義変更できないと下取りできません」
「お教えできません」
といったことが非常に多い。

確認したい本人がいないのだから、内容を確認しようにもできないのに…。名義変更なしにできる手続きに進もうと、ファミリー割の筆頭者の変更をしようとしても、ファミリー割の登録者については「ご契約内容をお伝えすることはできません」となる。該当の電話番号を探すのに、窓口で20分も、かかってしまった(この番号なわけない、と思い込んでいた番号だった)。

全てを一緒くたに、開示不可能な契約内容に含めなきゃいけないのだろうか? もちろん故人の身内と偽って、勝手なことをする人もいるだろう。だから、解約手続きに故人との関係が記載されている戸籍謄本を見せてほしい、も理解できる。

しかし、亡くなったことが謄本に反映されるのは時間がかかる。場合によっては、二週間程度かかるらしい。そして、謄本を取得しようとしても、他の自治体のコンビニからは取得できない自治体もあることを知った。23区でも、区によって扱いが違う。手続きしたいタイミングで、欲しい内容の謄本を取得することすら思い通りにならない。

スマホの解約の個々のやりとりに、あまりに腹が立ったので、新しめのiPhoneは下取りもせずに(下取りするには名義変更が必要で、そのための戸籍謄本は手元になかった。下取り価格は4万円だそう)帰ってきてしまった。よく考えれば、SIMコードを抜いて初期化したものを中古ショップに持っていけばよかった。

まだまだ面倒な解約手続き

面倒なのは、携帯キャリアやプロバイダーに限らない。あるサービスを解約をしようとサービス窓口に電話して、メッセージの指示通りに、番号を押下して進んでいると、「解約手続きのためのURLをお送りしました。マイページから解約ください」と言う機械的なメッセージが流れ、電話が切られた。マイページに入れるんなら、とっくに入ってるんだが…。再度、オペレーターにつながる番号を探りながら、電話をかけることになる。つい、同じ番号を押してしまい、電話を掛け直すことも多かった。

一番楽なケースは、亡くなった本人の子どもで、亡くなった本人と同じ場所に住んでいる、場合だろうけれど、それでも面倒がないとは言えない。私のように亡くなった人と住まいが違えば、住所を伝える前に、私の情報もいろいろと求められる。

私もあまり事務手続きは得意ではないほうだけれど、もっと事務手続きが苦手な人も多いことを知っている。いろんなサービスをそのままにして、解約せずに放置して、督促状が送られる人がいるのもしょうがないと思う。

死亡者の解約手続きの面倒さの一因

そもそも面倒を感じさせる多くは、インターネットを利用したものだが、インターネットサービスの多くがはじまって、まだ20年程度と日が浅い。

(「図表4-11-1-2 インターネット利用率(個人)の推移」(出典)総務省「通信利用動向調査」)

インターネットの普及途中では、インターネット利用者の中心世代は、現在の団塊世代ではなかっただろうが、利用率が80%を超えた今、若い人たち同様に高齢者もインターネットサービスを利用している。解約のしやすさ、特に、解約者の中でも、割合の多くなかった契約者死亡の解約のしやすさが見過ごされてきたんじゃないだろうか。

存命の本人の解約ですら面倒で、こんなサイトができるくらいだが、死亡者の解約はもっともっと面倒だ。

本当に腹を立てているのは、個人的にはダントツでプロバイダーだ。亡くなる半年ほど前に、通信速度に問題がなかったプロバイダーから、別のプロバイダーに変更させられていた。なので2社解約が必要になっている。そのくせ解約には一番時間が取られた(1社は利用自体は停止されていて料金は徴収されておらず、最終的にはルーターの返却のみだったか、そこに辿りつくのが長かった)。

まとめ

この怒りの火がくすぶっているうちに、様々なサービスの死亡時の解約手続きについて、まとめてみようかな。すでに大なり小なり、まとめている方はいたけれど、ここを見ればOKみたいなものは見つからなかった。少しずつやってみようかな…。あー煩わしい。


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