雨が止むのを待ってみる
出かける時、ほんとに短い時間じゃなければ、折りたたみ傘を持って行くことが多い。
雨に濡れるのが嫌いだからだ。
土曜の朝、めずらしく予報も見ずに、傘も持たずに家を出た。そういう時に降るのが雨というやつだ。降り出してから、あっ、思って天気アプリを見ると、確かに雨になっている。
美容院を出たばかりだった。
幸い小降りで、無視できなくてもない。何もしないで、2件目の用である病院に向かい、止んでくれないかなーと思いつつ、病院に入った。
病院を出た時、結構強めに降っていた…
病院の入ったビルの入り口の庇に隠れ、雨を眺めた。
タクシーを呼ぶか、傘を買いにコンビニまで走るか、
次の目的地を諦め、駅まで雨に濡れるか…
日々の節約を考えている今、タクシーはないだろう。
ではコンビニまで走るか?
私は、あるコンビニで扱っている折りたたみ傘が気に入っている。近くのコンビニは別のコンビニだ。それに帰れば傘はある。折りたたみ傘も期間が長めの消耗品ではあるけれど、、ムダな買い物には違いない。
では、次の予定を諦めて、駅まで雨に濡れながら駅まで戻るか… さっき髪を切ってきたばかりじゃないか。やっぱり濡れたくない。
逡巡している2,3分の間に雨脚は強くなってきて、土砂降りといってもいい状況になった。いつ止むかわからないけど、次の目的地に行くことを休んで、ちょっと待ってみようと思った。
雨を見つめるだけの時間。さっき見たばかりのSNSを眺める時間。読書でもしようかとタブレット端末の中身を漁る時間。
10分くらいだろうか。普段、予定を詰めないと落ち着かない性分で、つまらない予定をいれては安心する。予定にない時間、何をするか決まっていない時間、何にも追われていない時間がふいにやってきた。
土砂降りの雨、自分の周りだけシンとした感じ。あの感じが体に沁み込んできた。
悪くない、と思った。
何もしない時間、目的に向かわない時間、こういうのもあってもいいのかもしれない。
日常にどうやってそんな時間を作ればいいだろう?
「何もしない時間」という予定を入れても、その時間は、次の時間にやることを考えそうだ。
明日も、傘を持たずに外出してみよう。また同じ時間がやってくることを期待して。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。