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野球に興味がなくても、野球コラムが書きたくなったnoteイベント #おもしろい記事の書き方

noteでライター向けのイベントがあると、時間の許す限り、なるべく見るようにしている。

仕事で書くことが多いし、もっとうまくなりたいという気持ちから、少しでも学べる機会には触れておきたいと思うからだ。
(そうなりたいという気持ちから、いくつかのプロフィールには、ライターと書いているが、実際そんなに書いてはいない)

でも、今回は、野球でしょ。
正直、興味がないジャンルだから、座椅子に身を沈めて、らくーな格好で聞き始めたが、めっちゃくちゃおもしろかった。

文春野球×note「文春野球ライターに学ぶ、おもしろい記事の書き方」

文春オンライン編集長の竹田直弘さん、
ライターの西澤千央さん、
ライターの村瀬秀信さん。

お三人のゆるく、ラフな掛け合いが、金曜の午後、一週間の仕事を終えた身にちょうどよかった。

視聴してみて、すごく「野球コラム」を書きたくなった。

だいたい、私が~したいと言う時には、すでに(ちょっとやってやろう)という気持ちになっていることが多いけれど、野球はまったく興味がないからなぁ…。

野球経験と言えば、小学生の時、友達ん家でファミスタやったくらい。

野球場には、過去、2回? もしかすると3回? 行ったことがあるかも。
(中学生の時、近鉄vsダイエー戦? 大人になってから、友人にチケットを譲られて、東京ドームで、巨人 vs どこかのチーム? の試合を見た… もう一試合くらい、東京ドームで見たような気がする…)

正直、そんな程度だ。

しかし、書いてみたいなぁ… と思うほど、イベントがよかった。
以前から、文春オンラインが開催している「文春野球コラムペナントレース」というところで書かれた過去のコラムの紹介で、皆さん、ちゃんと記事の内容を覚えていて、登壇者お三人が、
「めっちゃいい」「これいい」「あー、これね!」
という声が本当に楽しそうで、いい記事だったんだろうなぁと感じることができた。今、ライターさんをされている方も、当時は、素人だった人もいるという話を聞き、余計に読んでみたくなった。

読みやすさ、伝わりやすさというスキルは磨くことができると思うが、記事のおもしろさは、きっとそこじゃない。自分が「野球コラム」を書くかどうかはともかく、紹介されていたコラムは読んでみよう。

で、実際に読んでみた。

過去のフレッシュオールスターの作品は、だいたい4つに分類されるそうで、4つの分類から、2作品、3作品紹介されていた。

調べてみた系/行ってみた系/じっくり観察系/特別な一日系

お三人が記事についてコメントされたこと、私がそれぞれ読んでみた感想を短めに書いてみる。

調べてみた系

カープの守護神・栗林良吏はなぜあんなに帽子を脱ぐのか 気になりすぎて数えた結果…
(文春野球コラム フレッシュオールスター2021)
ウエハラアズサ

三人のコメント
スポーツ紙記者が絶対やらないことを丹念に書いていた。
世の中にないデータを創り出した。こういう調べてみた、は、苦労するけどおもしろい。誰も傷つかない、でも記者はやろうと思わないこと。

私の感想
脱帽が気になり出した過程が丁寧。
そして、カウントし出してからがおもしろいww
"まだ一球も投げていないというのに、すでに2脱帽である。"
カウントするという作業は結構、苦痛を伴うことが多いが、楽しそうでよい。こういうのやってみたいよね。

ほぼ半分!? ベイスターズには神奈川の地名の選手が多すぎる説を追え
(文春野球フレッシュオールスター2019)
女里山 桃花

三人のコメント
記事の冒頭から、グダグダになって、あってないじゃん…と突っ込ませつつも、最後まで読ませちゃう力がある。本人は、めちゃくちゃ真面目に、真顔で書いてる。じわじわおもしろい。これを調べてみた系にいれていいのかわからないけど。

私の感想
きっと他の県の地名でやっても通用しそう。確かにツッコミどころは多い。
でも、地名と同じ名前があったとしても、普通の人なら気づかない。なぜ、地名に着目してしまうのか、という導入の説明が丁寧。

ライオンズ川越誠司と「青雲」との不思議な縁……日本香堂に聞いてみた
(文春野球コラム フレッシュオールスター2020)
浮間 六太

三人のコメント
実際に、広報に聞いてみた。という点がすごい。
かつ、広報さんのコメントがおもしろかったので、いい記事になった。
この方は、前年も応募していて、話を聞くところまでできてなく、
それが惜しいという話をしたら、この年は、聞きに行った、というところがいい。

私の感想
広報に、聞いてみることもすごいと思ったし、広報に聞いて得た話を他のファンにぶつけて、感想を聞いてみるところもいい。自分の中になかったものが、聞いてみることで一つの良質なコンテンツになるのは、書き手の醍醐味だなぁ。

行ってみた系

阪神・大山悠輔のお父さんがやっているそば屋さんは、まるで大山のようだった
(文春野球コラム フレッシュオールスター2021)
とびたつばさ

三人のコメント
ファンの間でもそんなに有名な話じゃないけど、大山選手のご実家に、行ってみたという話。じんわりとおもしろい。お父さんに話を聞いてみたくなるけど、遠慮してあまり聞いてない。ライターだったら、根ほり葉ほり聞きそうだけど、今の時代、これくらいの距離感でもいいかも。

私の感想
ちょいちょい挟まれる親子の人柄が現れるシーンがいい。
料理と大山選手との対比がいい(笑) お父さん、お店、店員さんをダシにして、シレっと大山選手の紹介をしてくれている。やさしい大山選手のやさしいファンのアクションとしてみて、楽しくなる。

僕たちは想像しかできないけれど――40歳で亡くなった名捕手・久慈次郎に会いに行く
(文春野球コラム フレッシュオールスター2020)
なりー

三人のコメント
渋い記事。都市対抗野球の久慈賞の名前の人。銅像があって、気になって見に行ったという話。銅像を後ろからも撮っているのがいい。意外と後ろから撮ることはない。
試合中の怪我でお亡くなりになった方。もし、久慈がジャイアンツに入団していたら… というところまで思いを馳せている。銅像があって、それは久慈選手ってどう人なんだろうと辿った作品。

私の感想
墓参りというシーンから、一人の選手の過去を辿る。超短い短編を読んだ気分。
"移動中に、久慈次郎について調べた。" の一文で、過去に連れて行かれるのが気持ちいい。

じっくり観察系

苦しいときも悔しいときも…西武・山田遥楓の“声出し“が教えてくれたこと
(文春野球コラム フレッシュオールスター2021)
パニーニ暮野

三人のコメント
声出しがいい山田選手の魅力を書いた記事。
自分の学生時代の部活の経験 ことと重ねてみて、プレーよりも、声に着目して書いている点がおもしろい。記者なら、今日も元気だね、で終わってしまうところ。着眼点がいい。

私の感想
自分の部活の嫌だった経験まで思い出した。自分の経験と重ねてしまって、自分でもやってみよう、とは思えなかったし、声出しの効果にも疑問が残るが、山田選手の声出しには、確かな効果があると思えた。

“侮辱行為で退場処分“ヤクルト・濱田太貴にとどけ 山田哲人の忍耐
(文春野球コラム フレッシュオールスター2020)
田村 あゆみ

三人のコメント
ファンとしては、触れたくないネガティブを描いている。球場で、退場処分になった選手を見て、似たシチュエーションで、数日前 山田哲人選手が堪えた場面を思い出す。山田哲人選手はすごいし、濱田がんばれというエールがいい。エモい記事。

私の感想
生意気だ! ではなく、キャンプの様子から、濱田選手への球団の期待を説明する下りがいい。自分がどう思うか、ではなく、客観的にどういう選手かわかるのがいい。

【イースタン・ヤクルト】戸田球場に響き渡るブルペン捕手・小山田貴雄の声
(文春野球フレッシュオールスター2017)
HISATO

三人のコメント
二軍の球場に通っていて、小山田捕手との会話が生まれて、できた記事。
小山田捕手の練習風景って、きっと、この人しか見てない。二軍の球場に通っていないと書けない。観察系の極致。

私の感想
練習風景、二軍の風景から、小山田捕手のことがよく理解できる。
プロは一軍にだけいるんじゃない。という当たり前のことに気づかされる。厳しい世界を小山田捕手の人柄で包んでくれている内容。誰かの様子を観察するっていいなぁ。

特別な一日系

叶わなかった優勝実況 伝説の“10.19”近鉄バファローズの悲劇を演出した名アナウンサーの記憶
(文春野球コラム フレッシュオールスター2021)
たなてつ

三人のコメント
ファンからすると、この場にいたってだけですごい日。ロッテと近鉄のダブルヘッダーで優勝が決まる日の話。この日の話は、いろんな方がすでに書いてる。
筆者は、昔、スコアをつけるバイトをしてた。誰しもできる経験ではないけど、誰しも一つはあるはずの歴史的な一日の時、自分がその時、何をしていた? という話。
自分の年表とかを書いて、そういう一日を探してみるのもいいかも。

私の感想
素敵な思い出。球場には行けなかったけど、だからこそ、見聞きできた内容を人は覚えている。学生の時の大事な思い出から、社会人になって、運命の日に至る流れがすごくいい。
こんな日が俺にもあるかなぁ… あれば書きたいよね。

父とナゴヤ球場と背番号0 神野純一の記憶
(文春野球フレッシュオールスター2019)
滝河 あきら

三人のコメント
お父さんと野球観戦に行った記憶をみずみずしく書いている。情景描写がきれい。白球は夜空に吸い込まれる、さまとか。

私の感想
朝、読んで泣いた。子どもの頃の一日、初めての観戦で、この神野選手を見たら、そりゃもう好きになるよね。
その後、学生時代を通り過ぎ、社会人になって、ノリで始めた草野球で、背番号0番にしたこと、それについてのお父さんのコメントで涙腺決壊。

【イースタン・DeNA】1998年10月8日、池袋東口で
(文春野球フレッシュオールスター2017)
黒田創

三人のコメント
特別な一日系のキモは情景描写ですね。
フリーターで。エロ本の出版社の運転手をしていて、あの弱かったベイスターズが優勝するという大事な試合を社長を待つ間、ラジオで聞く。
自分の境遇との対比がいい。特別な話、自慢できる話でなくても、自分にとって特別だったらそれでいい。あの時どうしてた、で話ができる。これが、もし、自分がVIP席にいた、チケットもらって、だと、記事にならない。

私の感想
一気に終わりまで読んで、え、もっと読みたいってなった。
優勝の余韻がほしいところ。
自分が過去、どれだけ球団のことを好きだったのか、過去の出来事、自分がしてきたことを丁寧に書いて伝えている、こんな大事な日に俺は…
運転席に突っ伏していたシーンで、読み手として感情がピークに。

コラムを読んでみて

やっぱり、普通の雑誌記事にはならないところをやってしまう、
スポーツライターが書かない、でも、ファン目線、スタンド目線、で
そこを書いてみる。
書くために、行ってみる、聞いてみる、やってみる、というスタンスがいいですね。

いいなぁ、書いてみたいなぁ…

7月3日(日)までかぁ。いいなぁ。何か書けることあるかなぁ。
あと、これ(↓)にも参加したくなった。

いいなぁ、野球コラム(という名の人間ドラマ)。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。