「あの日の僕らにさよなら」(平山瑞穂 著)を読んで

※一部ネタバレを含みます。




主人公たちが30歳手前ということもあり、社会人向けな一書でした。

どこか、同窓会のような懐かしさを読んでいて感じます。



主人公の桜川衛は高校2年生。同級生で友人である瀬賀榛菜を通じてもう一人の主人公である都築祥子に出会います。二人は貸し借りする本を通じて、少しづつ関係を近づけていきますが、男女の関係になる前に祥子の方から突然連絡が取れなくなってしまいます。

そこから大学・社会人へと移っていき、二人は別々の道を歩みながらも社会人になります。

それまで一切連絡はありませんでしたが、ある「Webサイト」を通じて、二人の再会に向かいだします、、、



この小説は3章構成となっており、第1章が衛視点の高校時代、第2章が祥子視点の大学時代、第3章が衛視点の社会人時代となっています。

内容としては恋愛ものの文学小説であり、総ページ数400ページと非常に読み応えのある内容となっています。また、ところどころに甘美で大人な表現もあるため、社会人向けだなぁ、、、と感じました。

内容としてはお互いの主人公の伏線やこれまでの経緯を回収した綺麗な物語でしたが、ちょっと陰の要素が強いなといった印象です。

最後にはまるで同窓会に出席したような、どこはかとない懐かしさを感じたので、社会人で暇のある時にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

・紹介文献

 あの日の僕らにさよなら 平山瑞穂著 株式会社新潮社 2007年





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