事業相談でよく回答すること

これから起業するぞというかたの相談に乗るのが好きで、初対面の相手ともよくカフェなどでお話しています。
いつも聞かれることはわりとテンプレというか、不安を感じるポイントには共通点があるなと感じ、QAの形式でまとめてみました。

自分は成功した起業家というわけではありませんが、ゆえに成功者バイアスもないはず。
これから起業するかたやベンチャーで新規事業に従事するみなさまの参考になったらうれしく思います。

・どうやって事業を決めるのか?
明確にウェブへリプレイスされておらず、きちんと代金が支払われやすく、リピート周期が読みやすく、長期的に使われそうなプロダクトを検討するのがおすすめです。

・いつどうやってメンバーを増やしていくべきか?
まず、最初は自分ひとりですべてやってみる。そのなかで自分が極められそうな領域を決め、それ以外の緊急度の高いポジションから必死に採用してゆくのが、定石とまではいきませんが間違ってもいないやりかただと思います。
もし仲間を選べるなら、事業推進まで前のめりなフルスタックCFO(最初からコーポレート業務に明るい起業家は少ないはず)か、直接PDCAを高速回転するためのエンジニアやデザイナーがいいかもしれません。マーケターもいいのですが、個人的には遅かれ早かれマーケティング(とファイナンス)はCEOも十分に精通していないとかなり厳しいので最初は自分で担当するのがおすすめ。
また、インターンやアルバイトを常時数名採用しておき、働きぶりをみて社員に引き上げるのもいいですね。

・おすすめの本は?
読書というのは、とにかく自分で探して読む習慣を身につけることが重要で、誤解を恐れずに言うなら駄作と思えるようなビジネス書も読んで自ら知識を取捨選択するべきだと思っています。
そのうえで「ベンチャー三種の神器」と呼んでいる名著を紹介します。未読であればマストバイ。
 『起業のファイナンス』
 『起業の科学』
 『リーン・スタートアップ』
マーケティング関連では
 『確率志向の戦略論』
 『デジタル時代の基礎知識 ブランディング』
 『BUSINESS FOR PUNKS』

・D2Cトレンドについてどう思うか?
単純にこれまで「新興のメーカーである」と名乗るしかなかったところを、ITスタートアップの文脈にもポジショニングできるようになったのは人材や資金を調達するうえで非常にメリットが大きいと思います。
とはいえ、(なんでもそう覚悟してやるべきですが)難易度の高いビジネスであると心すべし。IT慣れしていると、「在庫」という変数を甘く見がち。在庫がないと売上はつかないし、在庫を確保しすぎるとキャッシュが死亡します。
どんなブームもそうですが、有象無象のベンチャーが誕生し、その一部がホンモノになれば十分いいことだと思っています。
2021-22年にいくつかの会社は上場するでしょう。

・どうやったらいい人材が集まるか? どこにデザインを発注するのがよいか? イケてる広告代理店は? 適切なバリュエーションは?
こうした質問に、「たとえば数年前ならFacebookに勤務先でセグメントして直接求人広告を打つのが効果的だった。最近ではXXという媒体がいいよ」といった回答を返すことはできるのですが、基本的にやるべきことが明確なのであれば、その実行イコール業務の質なので、自ら見つけ出すアクションが不可欠となってきます。
インスタントに答えを手に入れてしまうクセがつくほうが怖いし、そもそも日々トレンドが変わったり、おすすめの発注先であっても担当者レベルで決まってしまうようなものであったりするため、悩んでどうするのというくらいの内容でしかありません。おおむね質の高いジャッジができていれば多少ミスっても事業にクリティカルなダメージはありません。

・初期のトラクションをどう生み出すのか?
ローンチしただけでうまくいったら初速は100点といっていいはずです。CASHさんやズボラ旅さんは本当にすごかったですね。
社会的文脈に乗りやすいもの、知っていると圧倒的にトクするものはこのスタートダッシュが切りやすいと思います。
そうでなければ、いかにCACを抑えて顧客を獲得するか。ビュアな広告ですでに知られているサービスよりCACが低くなることはまずないため、SEOやSNSハックを極めることがこの10年ほどの定石ですね。
甘く見られがちですが、ぼくは人間力を高めて自分がインフルエンサーになる(または仲良くなる)のもおすすめしたい方法です。

・誰に事業相談するのがおすすめか?
このところ、頼れる手嶋ニキ推しです!

・尊敬する経営者は?
孫正義さんですが、最近では北の達人社の木下社長も宇宙人すぎてちょっと違う方法でがんばるしかないな〜と落ち込んでいます。

カジュアルな内容はTwitterでリプライを、個別のご相談はFacebookメッセージをいただければチャット形式か弊カフェで壁打ち相手を務めさせていただきます。

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